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内閣府報告書:米国は遠からずデフレに陥るリスク、「雇用なき回復」

内閣府は27日、年2回公表して いる「世界経済の潮流」の中で、米国経済について賃金上昇率が低下 傾向にあるなか雇用の急速な改善が見込みにくく、個人消費も抑制さ れることから、物価上昇率がさらに低下してデフレに陥るリスクがあ ると指摘した。

内閣府の林伴子参事官(海外担当)は記者説明で、米国の消費者 物価がマイナス圏に陥る可能性について「あまり遠くない将来にデフ レに陥るリスクがあると考えている」との見方を示した。10月の米消 費者物価指数(除く食品とエネルギー)は前年同月比0.6%の上昇に とどまり、1958年以来の低い伸びとなった。

他方、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月3日の連邦公開市 場委員会(FOMC)で決めた6000億ドルの中長期国債の買い取り決 定などにより、「足元は期待物価上昇率が上がってきている。これは良 いニュース。この状況が続けばデフレに陥らないで済むかもしれない」 との見方も示した。ただ、全体として物価見通しは「下振れの方が大 きい」と述べた。

報告書は、米失業率が10%近辺の高い水準で推移していることを 挙げ、米経済は「実質的にはまだ、ジュブレスリカバリー(雇用なき 回復)の状況」と指摘。企業の雇用態度は緩やかに改善する一方で、 「雇用のミスマッチにより実際の雇用にはつながらず、今後、雇用者 数は横ばいとなる恐れがある」としている。年末に期限を迎える減税 措置の延長が見送られたり、減税規模が縮小された場合、個人消費を 押し下げるリスクがあるとみている。

林氏は、中国経済と米国経済の行方が日本経済に及ぼす影響につ いて「日本の輸出先の半分はアジアで、中国向けは全体の2割」と指 摘した上で、「中国経済がスピード調整で若干緩やかにはなるが、堅 調ということは日本の見通しにとり良い」と述べた。米景気について は緩慢な成長が見込まれ、「逆に気をつけていかなければならない」 と慎重な見方を示した。

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