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NTTの光ファイバーの分社化見送り-総務省部会が報告案

2015年までに国内全世帯でブロー ドバンド(高速大容量通信)を利用可能にする政府の「光の道構想」実 現に向け、国内通信首位NTTの組織再編などを討議してきた総務省の 作業部会は、同3位ソフトバンクが強く求めてきたNTTの光ファイバ ー部門の分社化を「不確実性が高い」として見送る報告案をまとめた。

22日の会合で公表された報告骨子案によると、普及に向けたサービ ス競争促進には、光ファイバー部門をNTTグループ内で「機能分離」 させ、内部でのファイアウォールを強化する手法が「現時点では最も現 実的かつ効果的」と判断した。作業部会は今回の案を基に、30日の次回 会合で最終報告をまとめる予定。

光ファイバー事業では旧国営のNTTが通信拠点から契約世帯へ の「アクセス回線」の約8割を占め、他社は原則的にNTTから回線を 借りて接続し、サービス展開している。ソフトバンクは、アクセス網を 切り離して政府や他の通信会社の共同出資会社として経営効率化し、既 存の銅線網を5年で光ファイバーに敷き替えれば、コストを激減できる と主張。NTT側が反発していた。

「日本病」

報告案は光回線接続料の引き下げもNTTに促している。接続料は 来年春に3年ぶりに改定される予定。孫正義ソフトバンク社長は会合傍 聴後、記者団に対し、作業部会はNTTの組織問題を「もう一度先送り することになる。これが日本病だと思う」と批判。光の普及は国民的な 課題であり「最終的には国会議員が国会で議論するよう働き掛けたい」 と強調した。NTT広報担当の吉新天民氏は「最終報告ではないのでコ メントできない」と述べた。

作業部会の22日会合では、メンバーである経済評論家の勝間和代 氏が、最終報告ではNTTに光の普及に関する目標を立てさせ「ある時 点で達成できなかった場合は、構造分離の段階に持っていくことを明記 すべきだ」と主張。藤原洋・インターネット総合研究所所長は、NTT の組織形態は政治的な判断に任すべきで「われわれがここまで結論を出 して良いのか」と述べた。

総務省は06年に、アクセス網分離やNTT持ち株会社の廃止を視 野に入れたNTT再編論議を懇談会形式で行ったが、当時与党だった自 民党の反対で議論を凍結。議論は民主党への政権交代後の昨年秋に作業 部会で再開されていた。

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