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東証の斉藤社長:海外とのM&Aに否定的-「日本の魅力重要」

東京証券取引所グループの斉藤惇社 長は、海外で広がる外国取引所間のM&A(合併・買収)について、否 定的な考えを示した。文化や法律が異なり、統合効果の発揮は難しいと いう認識で、東証としても「何も考えていない」と明言した。競争力強 化には日本の経済や企業の魅力向上が最も重要であると強調した。

斉藤社長(71)は、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、 証券や金融の取引には「その国の文化や法律が伴い、これを足したり引 いたりするのは並大抵のことではない」と述べ、統合による競争力向上 は容易には望みにくいとの考えを示した。その上で、他国などの先行事 例で「成功例があったら教えてほしい」と指摘した。

海外では2007年にニューヨーク証取と欧州のユーロネクストが統 合。今年も先月にシンガポール取引所によるオーストラリア証取の買収 案が浮上するなどM&Aが進んでいる。一方、経済成長を続ける中国企 業の時価総額が過去5年で9倍に急拡大する中、東証では16%減少して おり、競争力強化が課題となっている。

斉藤社長は、東証の課題は「どうやって日本経済を成長させ、日本 企業が国際競争できるようにするのか」であるとの考えを示した。東証 での取引が急拡大した1980年代には「日本の経済と上場会社に魅力が あり、結果的に世界の投資家が東証を使っていた」と振り返った。イン タビューは17日に行った。

公募増資で金融庁に改善要請へ

最近、市場で問題視された企業の公募増資発表前後の株価急落に関 連して斉藤社長は、発表から実際に財務省に登録するまでに数週間かか る現行制度が「市場にとってリスク」となり、空売りを助長しているな どと指摘。この期間が短くなるよう金融庁などに行政手続きの改善など を働きかけていく方針を明らかにした。

このほか、東証自身の上場については「将来の展望と成長性で審査 しており、われわれも従う」と述べ、減収減益見込みである「2010年度 は無理」との見解を示した。今後も上場を目指すが「ビジネスの結果」 であり、急ぐ考えはないという。東証の4-9月決算は、上場の審査基 準となる税前純利益が前年同期比24%減の73億円だった。

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