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パインブリッジの新興国債投信、来年インド投資開始-通貨高とらえ

運用資産6兆円の資産運用会社、 パインブリッジ・インベストメンツの新興国債券ファンドは、来年に インドへの投資を開始する。

同社の杉浦和也常務が17日、ブルームバーグとのインタビューで 明らかにした。インドは「重要な国であることは間違いない。通貨ル ピーも今はほとんど米ドルと同じ動きだが、将来は違った動きをして くる時節もあるだろうから、それをにらみながらだ」と同氏は述べた。

国際通貨基金(IMF)が10月6日に発表した世界経済見通しで は、インドの2010年の実質国内総生産(GDP)成長率は9.7%、11 年は8.4%が見込まれている。これに対し日本は10年が2.8%、11年 は1.5%にとどまる見通し。

インドは高成長の上、債券利回りは高く、低成長低金利の日本か ら見ると投資魅力は高い。インドの10年国債利回りは18日現在8.0% で、日本国債との利回り差は690ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)に達する。一方、通貨ルピーは、ドルが円に対し年初来11% 下げたことに連動する形で、対円で8.3%安となっている。

インドは外国機関投資家(FII)の債券投資枠を設けており、 ファンドが投資する額は取得する枠次第だが、「資産の1%では持つ意 味がない。最低5%になるだろう」と杉浦氏は言う。運用する「パイ ンブリッジ新成長国債券プラス(愛称:ブルーオーシャン)」の純資産 総額は18日現在で1623億円。5%なら約80億円になる。

財務省が発表する対外証券投資によると、日本からインド債への 投資は09年に12億円の売り越しだったが、10年は9月までで1000 億円を買い越している。杉浦氏は、インドへの直接投資にかかる源泉 徴収の高さや不透明さも挙げ、現在投資に向けての精査中としている。

アジア重視

一方で杉浦氏は、エマージング債券投資では金利と通貨の両方を 見る必要があると指摘。エマージング諸国全体は、①米ドルに通貨の 変動特性が似ている国々②ユーロの動向に近い東欧などの通貨圏③ラ テンアメリカや南アフリカなどの資源国で高金利通貨国――の3グル ープに分けられるとした。

アイルランドの財政問題から欧州ソブリンリスクが高まる中、東 欧は金利面の魅力あるが、通貨は下落している。「今ユーロ圏の割合を 増やしたい人はいないというのがコンセンサス」で、「高金利通貨国は これ以上金利が上昇する可能性は低そう」と杉浦氏は見ている。

これに対し、米ドルに近い通貨国群は「米ドルに引っ張られる形 で、円から見ると通貨が値下がりしていたが、国の実体価値を反映し ていく局面に入りつつある」との認識を示し、経済成長により通貨が 米ドル離れするのを投資機会としてとらえたい考え。具体例としては 中国、インド、タイ、マレーシアを挙げ、向こう半年間では「これま で悪役となっていた通貨国群が市場をけん引していくのではないか」 と同氏は予想した。

エマージング債投資では、一般的に高利回り国ブラジルなどラテ ンアメリカの国が中心になりがちだが、「ブルーオーシャン」ではラテ ンアメリカから少しアジアへとシフトさせる方向だ。杉浦氏によると、 タイやマレーシアについて時々大きなエクスポージャーを持つことが あり、そういうことも十分考えられるという。

インドネシア、トルコは格上げにらみ投資

また同ファンドでは、格付けが投資適格外のダブルB以下の国の 中で、経済が好調で投資適格に格上げが期待される国に着目、インド ネシアとトルコを積極的に組み入れている。35カ国の投資国のうち、 トルコは10月20日現在の構成比が12%でトップ。インドネシアも 9%で5位だ。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の格付 けはインドネシア、トルコとも「BB」。両国とも経済は良好で、「イ ンドネシアは順調にいけば、トルコより先に12、13年に投資適格にな るだろう」と杉浦氏は予想する。

投資適格のトリプルBになると、投資できる機関投資家などが増 え、そうした買いで債券価格は押し上げられやすい。杉浦氏は、「格上 げが決まると価格に織り込まれてしまうので、そこにいく過程の中に 付加価値がある。どの時点で格上げになるかを見据えた投資が非常に 重要」と話している。

「ブルーオーシャン」は05年9月設定。エマージング国債の米ド ル建て、現地通貨建ての両方にバランス良く投資する点を特色とし、 通貨選択型を除くと日本最大のエマージング債ファンド。

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