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債券反発、長期金利2カ月ぶり高水準では買い優勢-先物は急落の反動

債券相場は反発。米金利上昇など を手掛かりに長期金利が2カ月ぶりの高い水準に達したことで、これ まで様子見だった投資家からの買い需要が膨らんだ。先物市場では前 週以降の急落の反動から売り方の買い戻しが優勢となったもよう。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、米国債市場の持ち高調整が終わったかどうかは定か でないが、国内債市場で金利が低下に転じたのは、中長期的なスタン スの投資家が納得できる水準に達したということだと話した。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは、前日比4ベーシスポ イント(bp)高い1.09%で開始。新発10年債として9月15日以来の 高い水準を記録して、しばらくは1.07-1.085%での推移となった。 しかし午後に買いが膨らむと一時は1.025%まで低下。その後も前日 の終値を下回る1.025-1.045%での取引となった。

午前には中期から超長期ゾーンにかけて幅広い年限で売りが先行 した。米金利上昇をはじめ為替市場におけるドル高・円安や株高基調 など、債券市場を取り巻く外部環境の悪化が嫌気された。とりわけ、 市場では米長期金利の上昇が止まらないことへの警戒感が強まった。

15日の米国債市場では小売売上高の増加に加え、エコノミストら が米連邦準備制度理事会(FRB)の資産購入について、インフレを あおる可能性があるとして中止を求めたことが売り材料となった。米 10年債利回りは17ベーシスポイント(bp)高い2.96%付近まで急騰 して、8月6日以来の高い水準を記録した。

現物に投資家の買い需要

しかし、国内債市場では昼前後から一転して買いが膨らんだ。み ずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミストは、 昼休み中に特段の材料があったわけではないだけに、最近の金利急騰 を受けて投資家の買いが入った可能性が高いと話した。実際、米国長 期金利のほか為替や株価動向に目立った動きは出ておらず、国内債市 場の固有の需給要因が一段の金利上昇を回避したもようだ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、現物市場は朝方こそ売買交錯だったが、10年債利回りの1.1% をはじめ各年限で金利が予想以上に上振れていたため、一部投資家の 買いをきっかけにこれに追随する動きが広がったと言う。

先物には急落の反動買い

東京先物市場の中心限月の12月物は前日比49銭安い141円53 銭で始まり、直後には9月14日以来の安値圏となる141円51銭まで 続落した。その後、国内株相場が小幅マイナス圏に下げると141円70 銭付近でもみ合いとなった。さらに午後には上昇に転じた後もじり高 に推移して、結局は37銭高の142円39銭で高値引けとなった。

先物12月物は10月6日の日中取引で144円31銭を付けたが、そ の後は1カ月強にわたって相場調整が続いた。米国の金利上昇が加速 した前週以降に下げ足を速めたものの、この日は現物市場の買いをき っかけに主に売り方の買い戻しが膨らんでおり、今後の米国債市場の 動向次第では下げ基調から転換するとも期待されている。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、午後には株式先物買い、債券 先物売りの持ち高を相殺する動きのほか、債券先物には下げ局面で売 りを増やした向きから買い戻しが膨らんだとの見方を示した。

米長期金利の見極めも

国内では投資家の買いを受けて金利上昇にいったん歯止めがかか り、市場ではあらためて米国の金利動向を見極める雰囲気が広がって いる。大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、米国では持ち高調整の債券 売りが続いているものの、金利上昇に行き過ぎ感が出て低下に転じる ことも考えられると言い、「その場合は国内で10年債の1.1%や20年 債の2%手前の水準が節目として意識される」と話した。

DIAMアセットマネジメントの山崎氏は、米国債の売り圧力が どのくらい残るかは不明だが、金利上昇を伴ってこれだけ売り込まれ ただけにそろそろ終盤ではないかともみている。

米10年債利回りは前日に3%乗せ目前まで上昇後、この日のアジ ア時間の取引では2.9%台前半で推移した。トヨタアセットマネジメ ントの浜崎優チーフストラテジストは、米国の長期金利は8月以降の レンジの中心である2.50-2.75%が適正水準だと指摘。足元では需給 悪化もあって上振れているが、今後に企業部門など景気の弱い部分に 市場の関心が向かえば低下余地が出てくるとの見方を示した。

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