【今週の債券】長期金利0.9%台か、FOMCの結果や10年入札見極め

今週の債券市場で長期金利は0.9% 台での推移が予想されている。2、3日に開催される米連邦公開市場 委員会(FOMC)の結果やそれを受けた米国債相場の動向に市場参 加者の関心が向かっており、国内でFOMC直前に実施される10年債 入札が低調になると懸念する見方が出ている。もっとも、長期金利が 節目の1%付近に上昇すれば投資家からの買いが見込まれている。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、今週の長期 金利について、0.9%台前半を中心に推移すると予想。「FOMCの結 果を受けた米長期金利がインフレ懸念などを手掛かりに上昇するか、 注目イベント通過に伴って低下するかがポイント」とみている。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが10月29日に市場参加者4人から聞いた今週の予想 レンジは全体で0.85%から1.00%となった。前週末の終値は0.92%。

前週の長期金利は水準を切り上げた。米10年債利回りの上昇傾向 を受けて、国内の長期金利も9月下旬以来となる0.97%まで水準を切 り上げた。しかし、日銀が28日に次回の金融政策決定会合をFOMC 直後の4、5日に前倒しすると発表すると、追加緩和観測が強まって 買いが優勢になり、週末には一時0.9%を割り込む場面があった。

今回のFOMCでは追加緩和が決まるとみられているが、米連邦 準備制度理事会(FRB)は事実上のゼロ金利政策を取っており、景 気てこ入れに向けた措置は量的緩和というのが一般的な見方だ。実際、 FRBは新たな景気刺激策による影響を見極めるための聞きとり調査 を債券ディーラーなどに行っている。

バーナンキFRB議長は10月15日、連銀法が義務付けている最 大限の雇用確保と物価安定の達成のため、「何も変化がなければ、FO MCの二重目標に基づき、さらなる行動を取る状況になりそうだ」と 発言した。

半年で5000億ドル購入との見方

米国債買い取りの規模について、米ゴールドマン・サックス・グ ループの米国担当チーフエコノミスト、ジャン・ハッチウス氏は、ブ ルームバーグラジオで、FRBの資産購入が2兆ドル(約163兆円) に達する可能性があり、その一環として向こう半年で約5000億ドルの 国債買い入れを予想すると述べた。

パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部 長は、半年で約5000億ドルという予想に近い額であれば、「短中期債 は買われる半面、長期や超長期債は売られ、利回り曲線はスティープ (傾斜)化するだろう」とみている。東海東京証券の佐野一彦チーフ 債券ストラテジストは、FRBの米国債購入額について、多いと曲線 はスティープ化、少ないと需給懸念が連想されやすく、日本の金利上 昇を促す可能性があると言う。

もっとも、国内投資家の潜在需要は旺盛とみられ、長期金利が9 月以来の高水準となる1%付近に上昇すれば買いが見込まれる。佐野 氏は、「長期金利が1%に接近すれば押し目買いが喚起される」と指摘 する。岡三アセットの山田氏も、「日銀による金融緩和の時間軸効果を 背景に短中期ゾーンで金利の低位安定が見込まれるため、長期金利の

0.9%後半にかけては買いが入りそう」だとみている。

10年債入札に警戒感

2日には10年利付国債の入札が実施される。前回入札された10 年物の311回債利回りは前週末に0.92%で取引を終えた。このため、 表面利率(クーポン)は前回より0.1ポイント高い0.9%が予想され ている。発行額は2兆2000億円程度。

新発10年債利回りは10月初めの0.8%台前半から、足元では

0.9%台前半に上昇しており、投資家から一定の需要が見込まれている。 しかし、入札日が2日と、注目度の高いFOMCの直前のため、投資 家が様子見姿勢を強める可能性が高い。パインブリッジの松川氏は、 「10年債入札は厳しい。重要イベント前のタイミングでは、リスクが 大きく投資家は買ってこないと思う」と警戒する。

市場参加者の予想レンジとコメント

10月29日に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は12月物、新発10年国債利回りは311回債。

◎東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト

先物12月物142円80銭-144円00銭

新発10年債利回り=0.85%-0.975%

「FOMCの結果次第だが、初期反応として米債相場が調整して 円金利が上昇する可能性がある。市場はFRBによる国債購入額を正 確に織り込んでいないとみるが、多いとスティープ化、少ないと需給 悪化懸念が連想されやすい。半面、長期金利が1%に接近すれば押し 目買いが喚起されるだろう」

◎パインブリッジ・インベストメンツ運用本部の松川忠債券運用部長

先物12月物142円50銭-144円00銭

新発10年債利回り=0.85%-1.00%

「FOMCで量的緩和が実施されると見ているが、米国債を6カ 月間で約5000億ドル購入との予想に近い額であれば、短中期債は買わ れる半面、長期・超長期債は売られ、利回り曲線は傾斜化するだろう。 ただ、債券買いは短期的ではないか。日銀はリスク資産を直接買って おり、円高に振れれば、資産買い入れ増額の可能性もある」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物12月物142円80銭-143円70銭

新発10年債利回り=0.87%-0.97%

「長期金利は0.9%台前半を中心に推移しそう。FOMCの結果 を受けた米長期金利がインフレ懸念などを手掛かりに上昇するか、注 目イベント通過に伴って低下するかがポイント。もっとも、日銀によ る金融緩和の時間軸効果を背景に短中期ゾーンで金利の低位安定が見 込まれるため、0.9%台後半にかけて上昇すれば買いが入りそう」

◎トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト

先物12月物143円00銭-144円00銭

新発10年債利回り=0.88%-0.98%

「相場は基本的に底堅く推移する。FOMCは金融緩和の規模が ある程度見えており、結果を受けて相場が大きく動くことはないだろ う。ただ、直前の10年債入札は翌日が祝日でもあり、投資家の慎重姿 勢からやや売られる場面もありそうだ。日銀会合については、資産買 い入れがまだ始まっていない段階での追加緩和はないだろう」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎Editors:Norihiko Kosaka, Joji Mochida

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