【ECB要人発言録】非伝統的措置は解除過程-ウェーバー独連銀総裁

10月25日から11月1日までの欧 州中央 銀行(ECB)要人らの主な発言は次の通り(記事全文は発言 者の氏名をクリックしてください)。

<10月31日> メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁(イスタンブールで講演):多額の 赤字を抱えるユーロ導入国に対する制裁案はドイツとフランスの合意 で骨抜きにされたため、欧州議会に制裁強化を求める。バーゼル銀行 監督委員会による銀行資本規制強化案は、欧州産業の原動力である融 資による資金調達に打撃を与える。

<10月29日> トゥンペルグゲレル理事(ハンブルクでの講演で):メンバー各国の財 政問題はユーロを構造的に弱体化させかねない。ユーロ圏諸国に対し、 過度な財政赤字の是正について現実的かつ十分に意欲的な期限を設定 することが必要だ。財政安定成長協定は、より効力の高いものになる 必要がある。

トリシェ総裁(ポリティス紙とのインタビューで):健全な財政政策の 実施は、長期的に持続可能な成長の達成と雇用創出の前提条件だ。過 度な財政不均衡は、信頼感の急落による影響を受ける脆弱(ぜいじゃ く)な状況に各国を陥れる。

<10月28日> ウェーバー・ドイツ連銀総裁(フランクフルトでの講演で):非救済条 項の原則は、信頼ある形でいま一度しっかりと確立させる必要がある。 将来的に制裁は半自動的になるはずだが、制裁要件の有無の決定は、 なおも政治的なプロセスに左右される。自動制裁が強化された形での システムが望ましい。

ドラギ・イタリア中銀総裁(ローマでの講演で):主要国・地域による 経済政策の協調強化が唯一の選択肢だ。

シュタルク理事(フランクフルトでのパネルディスカションで):われ われは2008年10月以降に導入されたすべての非伝統的措置を徐々に 縮小するプロセスにある。マネーマーケットの状況はまだ通常に戻っ てはいないものの、正常化が続いている。ECBの債券購入は極めて 謙虚な規模だ。

ウェーバー・ドイツ連銀総裁(独エルトビレでのイベントで):ユーロ 圏内のマクロ経済不均衡を是正するに当たって、構造的な調整の大半 は赤字諸国自身が実施しなければならない。危機に至るまでの数年間 に展開が維持不可能なものになったのはこれら諸国だからだ。

ウェーバー・ドイツ連銀総裁(独エルトビレでのイベントで):世界的 な不均衡は依然として世界経済に大きなリスクをもたらしている。世 界的な不均衡の解消が国際政治の主要課題の一つだ。

<10月27日> トリシェ総裁(キプロスのパフォスでの記者会見で):ユーロ圏の銀行 が求める流動性の規模は全体的に縮小している状況が見られた。もち ろん入札ごとに需要は変動するが、ECBの流動性供給は、固定金利 で全額割り当てるフルアロットメント方式を取っている状況にある。 従ってECBの供給する流動性の規模は、銀行の求める規模と完全に 一致する。

シュタルク理事(ウィースバーデンでの講演で):非伝統的措置が必要 以上長く継続されることは断じてない。政策金利は適正だ。ECBは 今のところインフレ、デフレのいずれのリスクも認識していない。こ の認識が変われば、当然調整する。われわれは非常に低水準の金利を 過度に長く維持する金融政策が潜在的なリスクをはらんでいることを も承知している。

<10月26日> クアデン・ベルギー中銀総裁(マーケット・ニュース・インターナシ ョナルとのインタビューで):当面は市場を安定させる追加的な手段と して債券購入プログラムを維持することが賢明だ。われわれの金融政 策の枠組みの恒久的な機能として意図されていないのは明らかだが、 当面はそれを維持する必要がある。

ウェーバー・ドイツ連銀総裁(ベルリンでのイベントで):ユーロの国 際的役割を積極的に推進したことはないが、ユーロがドルの次に世界 で最も重要な通貨になったと認識している。

メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁(ルクセンブルクでのイベントで ECBのユーロ圏成長率見通しについて):この数週間に入手したデー タにかんがみ、上方修正の可能性は排除しない。ECBの基本シナリ オが景気の減速であったことに留意してほしい。

クアデン・ベルギー中銀総裁(マーケット・ニュース・インターナシ ョナルとのインタビューで):現行の緩和的な金利水準はなお適正だ。 しかし、金利が低過ぎる水準にあまりにも長く維持された場合に及ぼ しかねない悪影響についても認識している。

ウェリンク・オランダ中銀総裁(中銀ウェブサイトに掲載):世界的な 金融裁判所の設立構想を歓迎する。店頭デリバティブ(金融派生商品) 市場の法的確実性に寄与する国際的な紛争解決機関の設立は、金融安 定性を強化する幅広い取り組みに極めて合致するものだ。

プロボポラス・ギリシャ中銀総裁(ロイター通信が報道):ユーロ圏の 低金利は望ましい。ユーロ圏の成長は持続可能で、新たなリセッショ ンの可能性はない。

<10月25日> ウェーバー・ドイツ連銀総裁:政策金利は今もなお適正だ。あまりに も長く低過ぎる水準にとどまるべきではない。非伝統的措置は解除す る過程にある。3カ月物オペの入札方式は来年第1四半期(1-3月) の議題になるだろう。

ウェーバー・ドイツ連銀総裁(シュツットガルトでのパネルディスカ ッションで):各国は通貨について口先での武装を解除すべきだ。競争 力はビジネスで勝ち取るものであり、為替レートで得るものではない。 中国人民元は上昇の過程にある。ユーロの水準に言及するのはまった く意味がない。

ウェリンク・オランダ中銀総裁(マーケット・ニュース・インターナ ショナルとのインタビューでECBの低金利期間について):やや長期 間にわたっている。長過ぎるどうかは、非常に多くの不確実な要素に 左右されており、事前に明確な答えを出すのは不可能だ。

トゥンペルグゲレル理事(ベルリンで記者団に):ECBの金融政策は 引き続き適正だ。ユーロ圏の景気回復は依然として順調に進んでいる。

シュタルク理事(フィナンシャル・タイムズ・ドイツ版への寄稿で): 政治色を排除した財政およびマクロ経済の監視と一段と厳しく拘束力 のある財政規則、違反に対する制裁措置の簡素化、より緊密な経済政 策の協調が必要だ。

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