今日の国内市況:日本株続落、債券反落-円は対ドル15年ぶり高値接近

東京株式相場は続落し、日経平 均株価は終値で9月9日以来の安値を付けた。1ドル=80円台の円 高・ドル安進行、鉱工業生産指数の予想以上の低下で収益の先行き懸念 が広がる中、業績予想を下方修正した日本ガイシやシャープ、アドバン テスト、JTなどの下げが拡大した。

日経平均株価の終値は前日比163円58銭(1.8%)安の9202円 45銭、TOPIXは同3.42ポイント(0.4%)安の810.91。時価総 額の大きい銘柄が多い電力や銀行株が堅調だった影響で、TOPIXの 相対的な底堅さが目立った。

東京外国為替市場では、円が対ドルで一時80円54銭まで買い進 まれた。米連邦準備制度理事会(FRB)が大規模な資産購入に踏み切 るとの思惑や、国際通貨基金(IMF)が主要20カ国・地域(G20) 当局向けのリポートで、米経済動向と比べるとドルは「強め」との認識 を示し、ドル売りが出やすかった。

為替採算の悪化懸念からガラス・土石製品や精密機器、電機、輸送 用機器、化学など輸出関連株が安い。

また経済産業省が29日朝に発表した鉱工業指数速報によると、生 産指数は前月比1.9%低下の92.5。ブルームバーグ調査による9月の 予想中央値(前月比0.6%低下)を上回る低下幅となり、日本株売りに 拍車を掛けた格好だ。

債券は反落

債券相場は反落。来週の10年利付国債入札や日米両国の金融政策 を見極めたいとの見方が広がる中、前日に急騰した先物市場を中心に買 い持ち高を圧縮する売りが膨らんだ。10年債利回りは朝方に0.9%を 割り込んだ後に上昇に転じた。

東京先物市場の中心限月の12月物は前日比4銭安い143円47銭 で始まり、午前には143円50銭を挟んでもみ合いとなった。しかし、 午後には一時32銭安の143円19銭まで下げるなど軟調に推移して、 結局は31銭安の143円20銭で週末の取引を終えた。

日本銀行は11月15、16日に予定していた次回金融政策決定会合 を同4、5日に前倒しすることを決めた。2、3日に開催される連邦公 開市場委員会(FOMC)直後のタイミングに日程を変えたことで、市 場ではにわかに追加緩和の思惑が広がった。

さらに、28日の米国債市場で長期金利が低下したことや、朝方に 発表された日本の鉱工業生産指数が下振れたことも債券買いの材料とな ったもよう。しかし、来週は日米両国の金融政策に注目が集まるほか、 10年債の入札実施もあって現物買いは盛り上がらず、先物市場では売 りが膨らんだ。

現物市場で新発10年物の311回債利回りは、前日比0.5ベーシ スポイント(bp)高い0.91%で始まった。開始後には3日ぶりの

0.9%割れとなる0.895%まで買われたが、午後にはじりじりと水準を 切り上げて、3時13分現在では2.5bp高の0.93%で取引されている。

米債高など外部環境が改善したことから、311回債利回りは

0.9%を下回る場面もあったが、来週には10年債入札が予定されてお り、積極的には買いにくいタイミングにある。

超長期債相場は午前の取引で堅調な展開となり、20年物の122回 債が1.5bp低い1.785%、30年物の33回債は同2bp低下の1.94% を付ける場面があった。月末に当たって保有債券の年限長期化を狙った 買いが入ったとみられている。しかし、午後に入ると超長期債も売りが 優勢となった。

アジア株安で円は全面高

東京外国為替市場では、円が対ドルで一時1ドル=80円54銭と、 25日に付けた1995年4月以来、約15年半ぶりの高値80円41銭に 接近した。米国の追加緩和策を警戒したドル安の流れが続く中、アジア の株価下落を受けてリスク回避の動きに伴う円買いが活発化した。

この日は円が主要16通貨に対し全面高となった。81円ちょうど を挟む水準で早朝の取引を迎えたドル・円相場は、月末の需給に絡む円 買い需要の観測もあり、円がじり高に展開。日経平均株価が下落幅を拡 大したなかで、円も80円台後半に水準を切り上げ、正午すぎには80 円54銭を付けた。午後3時55分現在は80円65銭付近。円は対ユー ロでも一時1ユーロ=111円88銭と、20日以来の水準まで急伸した。

日経平均株価は午後の取引開始後に下げ幅を拡大し、一時は9179 円15銭まで下落。前日比163円58銭安の9202円45銭と9月9日以 来の安値でこの日の取引を終了した。

そうした中、野田佳彦財務相は午前の閣議後に会見し、円高で推移 している為替相場について、重大な関心を持って見守っており、必要な 時は断固たる措置を取る姿勢を示した。また、海江田万里経済財政担当 相も閣議後の記者会見で、デフレ脱却に向けて、政府と日銀が一体にな ってさらに努力すると述べた。さらに、この日は財務省が「外国為替平 衡操作の実施状況」を発表する。

一方、来週11月2、3日に米FOMCを控えて、28日には、連 邦準備制度理事会(FRB)が今後6カ月間の資産購入規模の予想やそ の利回りへの影響について調査していることが明らかとなった。これを 受けて、大規模な資産購入に踏み切る可能性も残るとの見方から、米国 債相場が反発。2.7%台に乗せる場面も見られていた10年債の利回り は2.6%台に低下している。

また、国際通貨基金(IMF)は28日、主要20カ国・地域(G 20)当局向けのリポートを発表し、米経済動向と比べるとドルは「強 め」であるとの認識を示した。

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