ECB:周辺国銀行の再編祈るとの声も-オペ資金依存、断ち切れず

【記者:Gavin Finch, Bryan Keogh】

10月29日(ブルームバーグ):ギリシャとアイルランド、スペイ ンの銀行は新たに発行する債券の買い手を見いだせず、欧州中央銀行 (ECB)が緊急措置として行う資金供給への依存を減らす上で、他 の欧州諸国の銀行に後れを取っている。

各国中銀のデータによれば、この3カ国の銀行に対して9月末時 点でECBの資金全体の実に61%が供給されている。この割合は8月 末の51%から一段と拡大した。一方、ECBの統計によると、ユーロ 圏の金融機関の資金調達額は5141億ユーロ(約58兆円)と、2008年 9月のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たん以降で最も少 なくなっている。

ドイツ銀行と英HSBCホールディングス、仏ソシエテ・ジェネ ラルは、欧州連合(EU)域内の金融機関91社を対象とするストレス テスト(健全性審査)の結果公表後に新たに債券を発行した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のデータによれば、これに対 して、ギリシャとアイルランド、ポルトガルのすべての金融機関と、 スペインの銀行の約3分の1が発行した債券は、あたかもジャンク債 (投機的格付け債)のような水準で取引されている。これら金融機関 の債券発行が困難を極める状況は、ECBがいわゆる欧州周辺国の銀 行向けの資金供給を抑制することを一層難しくすると予想される。

金融業界の動向を過去15年余りにわたって分析してきたMFグ ローバルのアナリスト、サイモン・モーガン氏は「ECBはこれら中 小の金融機関を今後何年も支える必要があるだろう」と指摘。「ECB はこれらの銀行を生かし続ける必要があり、各国の監督当局が事業再 編を迫り、採算の取れる状態に戻すことを祈るような気持ちで願って いることだろう」と話す。

ストレステストは、投資家の銀行に対する信頼感を1年前の水準 に回復させるまでに至っていない。ストレステストの結果が公表され た後の3カ月間で、投資家は金融機関が発行する政府保証の付かない 債券1866億ドル(約15兆円)相当を購入した。ブルームバーグのデ ータによると、前四半期の1300億ドルからは回復したものの、1年前 の2230億ドルを下回る水準にとどまっている。

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