債券は反落、相場急騰の反動で先物売り優勢-来週イベント目白押し

債券相場は反落。来週の10年利 付国債入札や日米両国の金融政策を見極めたいとの見方が広がる中、 前日に急騰した先物市場を中心に買い持ち高を圧縮する売りが膨らん だ。10年債利回りは朝方に0.9%を割り込んだ後に上昇に転じた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、日銀の追加 緩和への思惑から債券相場はいったん下げトレンドを脱したが、来週 はイベント目白押しなだけに積極的にもなれないと言い、「先物には買 い持ち高を手仕舞う売りが優勢だった」との見方を示した。

東京先物市場の中心限月の12月物は前日比4銭安い143円47銭 で始まり、午前には143円50銭を挟んでもみ合いとなった。しかし、 午後には一時32銭安の143円19銭まで下げるなど軟調に推移して、 結局は31銭安の143円20銭で週末の取引を終えた。

日本銀行は11月15、16日に予定していた次回金融政策決定会合 を同4、5日に前倒しすることを決めた。2、3日に開催される連邦 公開市場委員会(FOMC)直後のタイミングに日程を変えたことで、 市場ではにわかに追加緩和の思惑が広がった。

さらに、28日の米国債市場で長期金利が低下したことや、朝方に 発表された日本の鉱工業生産指数が下振れたことも債券買いの材料と なったもよう。三菱UFJ投信債券運用部の倉林俊之次長は、きのう の相場急騰の後だけに先物市場などは思ったより上値が重かったとし ながらも、外部環境は債券買いの材料が多いともみており、約3週間 続いた下落基調の流れが変わったとの見方を示した。

9月の鉱工業生産は前月比1.9%低下して、ブルームバーグ調査 の予想中央値である同0.6%低下から下振れており、7-9月期の生 産は6四半期ぶりにマイナスに転じた。

しかし、来週は日米両国の金融政策に注目が集まるほか、10年債 の入札実施もあって現物買いは盛り上がらず、先物市場では売りが膨 らんだもよう。JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジス トは、先物12月物はきのう午後に急反発したが、来週のイベント前に 上値が重くなったことから調整が入り、「CTA(商品投資顧問)など の売りが憶測されていた」と言う。

10年債利回りは0.925%

現物市場で新発10年物の311回債利回りは、前日比0.5ベーシス ポイント(bp)高い0.91%で始まった。開始後には3日ぶりの0.9% 割れとなる0.895%まで買われたが、午後にはじりじりと水準を切り 上げて、一時は0.93%まで上昇。午後4時10分現在では2bp高の

0.925%で取引されている。

米債高など外部環境が改善したことから、311回債利回りは0.9% を下回る場面もあったが、来週には10年債入札が予定されており、積 極的には買いにくいタイミングにある。さらに、日米両国の金融政策 を見極めたい意向があるほか、米国では中間選挙や雇用統計発表を控 えているため、三菱UFJ投信の倉林氏は、今後のトレンドをみる上 では注目イベントが集中する来週が正念場だろうとも話した。

10月の新発10年債利回りは月初に低下。5日に日銀が追加緩和 策を打ち出すと、直後の6、7日には約7年3カ月ぶり低水準となる

0.82%を付けた。その後は0.8%台後半でのもみ合いが続いたが、月 末には一時0.97%まで上昇する場面もあった。ただ、この水準では買 いも入って結局は前月末比0.5bp低い0.925%となっている。

超長期債相場は午前の取引で堅調な展開となり、20年物の122回 債が1.5bp低い1.785%、30年物の33回債は同2bp低下の1.94%を 付ける場面があった。月末に当たって保有債券の年限長期化を狙った 買いが入ったとみられている。しかし、午後に入ると超長期債も売り が優勢となった。

来週の10年債は0.9%前半が中心か

市場関係者の間では、来週の10年債利回りは0.9%前半を中心と した推移が見込まれている。JPモルガン証の山脇氏は、FOMCが 最大の材料であるものの、決定内容はなかなか見極めがつかないと指 摘。FOMC後に米国債相場や為替相場が大きく水準を変えないとな れば、日本の10年債も0.9%付近でもみ合う展開だとみる。

米国では連邦準備制度理事会(FRB)が債券ディーラーや投資 家を対象に、資産購入による利回りへの影響について調査したことが 明らかになり、当局が大規模な資産購入に踏み切る可能性があるとの 見方につながっている。

このほか、米国では2日に中間選挙、5日には10月の雇用統計発 表が予定されている。

一方、2日には10年国債の入札が実施される。この日の水準のま ま入札を迎えると表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント高 い0.9%となり、来週初めの相場が軟調となれば2カ月ぶりの1%が 視野に入る。岡三アセットの山田氏はイベント前のタイミングでは買 いづらいとしながらも、短中期ゾーンの低位安定が見込める中で、10 年債利回り0.9%台半ばからは相応の需要が入るとも話す。

JPモルガン証の山脇氏は、10年債は0.9%台では押し目買いが 入るが金利水準が下がると買いが引く展開のままイベントをこなして いくと言い、結果的に10月の取引レンジ0.82-0.97%はどちらにも 抜けず、来週は0.9%を中心にもみ合うと予想していた。

--取材協力:野原良明 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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