9月鉱工業生産は4カ月連続マイナス、7-9月も6期ぶり減

9月の日本の鉱工業生産指数は、 自動車や電子部品などの生産が減少し、4カ月連続のマイナスになっ た。減少幅は予想を上回った。アジア向け輸出の鈍化や政策効果のは く落により、7-9月期の生産は6四半期ぶりにマイナスに転じた。 先行きもマイナスが見込まれており、不透明感が強まっている。

経済産業省が29日発表した鉱工業指数速報(季節調整済み、2005 年=100)によると、生産指数は前月比1.9%低下の92.5。前年同月比 は11.1%の上昇。7-9月期は前期比1.9%低下とリーマンショック 後の2009年1-3月期以来のマイナスとなった。ブルームバーグ調査 の9月の予想中央値は前月比0.6%低下、前年同月比12.3%上昇だっ た。前月比予想の幅は1.6%低下から横ばいだった。

経済産業省は9月の生産の基調について「生産は弱含み傾向にあ る」とし、前月の「横ばい傾向となっており、 先行きについては弱含 んでいる」との判断を下方修正した。2カ月連続の下方修正。政府は 10月の月例経済報告で「景気はこのとこ足踏み状態となっている」と し、判断を1年8カ月ぶりに下方修正した。

海江田万里経財相は閣議後の記者会見で、生産の減少について「 大変深刻なものがある」と述べる一方、現段階で景気が「後退という 見方を取るわけではない」と述べ、生産の動向注視する姿勢を示した。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は発表後「現実が想定以 上に悪化し始め、かつ先行きについても一層の減産となるなど、すで に景気後退局面入りした可能性もないわけではないことを意識させる 内容となった」と指摘。また「ハイテク財の在庫調整圧力が再び高ま っていることも懸念材料だ」とし、「今後、年末から年始にかけては 景気停滞感が一段と強まっていくと思われる」と語った。

生産予測指数

鉱工業生産の9月の出荷指数は前月比0.7%低下し、在庫指数は 同0.2%上昇した。先行きの生産動向をみる上で重要な製造工業生産 予測指数は10月に前月比3.6%低下、11月に同1.7%上昇が見込まれ ている。

同省調査統計部の杉浦好之経済解析室長は10月と11月の予測が そのまま実現し、12月が11月から横ばいと仮定した場合、10-12月 期は前期比3.9%減と2四半期連続でマイナスになるとの試算を示し た。10月は9月初旬に終了したエコカー補助終了に伴う自動車などの 生産減が見込まれている一方、輸送機械業界では、11月は稼働日数が 増えるため生産増を見込んでいるという。

エコカー補助終了などが要因

9月の生産で低下した業種は13業種、上昇した業種は2業種、1 業種が横ばいだった。主に低下した品目は、国内のエコカー補助金終 了に伴い普通乗用車が減少したほか、海外需要の減速を背景に半導体 などの電子部品も落ち込んだ。国内住宅向けの太陽電池モジュールも 減少した。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは 「鉱工業の生産活動は明らかに足踏みしている」とし、同社は「こう した足踏み期は2011年1-3月期まで続くとみている」と予測する。

森田氏は景気が「足踏み」から「後退」に移行するには、①在庫 の過剰②雇用の過剰③資本ストックの過剰-という「3つの過剰」の 度合いが強まる必要があるが、「足元の景気はそうした状態ではない」 との見方をしている。

9月の貿易統計速報を基に、内閣府が独自に試算した輸出数量指 数によると、9月の同指数は前月比1.3%増となったものの、7-9 月期でみると前期比2.6%減だった。前期比でのマイナスは、リーマ ンショック後の09年1-3月期以来。同期の地域別内訳は、米国向け 輸出が前期比6.2%増、欧州向けも同2.0%増加する一方で、アジア向 けは同2.7%減少した。

--取材協力Minh Bui Theresa Barraclough Editor:Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka,Keiichi Yamamura

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