10月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルに売り、追加緩和による下落を警戒で

ニューヨーク外国為替市場ではドルがすべての主要通貨に対して 下落。米連邦準備制度理事会(FRB)が米国債を購入することでドル の価値が下落するとの観測が強まるなか、高利回り資産への需要が再 び高まった。

ドルはユーロに対して3日ぶりに下落。米国債は上昇。FRB は今後6カ月間の資産購入規模の予想などについてディーラーを対 象に調査を行った。国際通貨基金(IMF)は主要20カ国・地域(G 20)当局向けのリポートで、米経済動向と比べるとドルは「強め」 であるとの認識を示した。

BNPパリバの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲーリー 氏は、「市場で広く支持されている取引の手口とは、ドルのショート (売り持ち)とリスク資産のロング(買い持ち)だ」と指摘。「今の ところ、この推定は大きく揺らいでいない」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、ドルはユーロに対して前 日比1.2%安の1ユーロ=1.3930ドル(前日は1.3769ドル)。 ドルは円に対して0.9%安の1ドル=81円02銭(同81円75 銭)。 25日には80円41銭と、15年ぶり安値を付けていた。ユーロは円 に対して0.3%高の1ユーロ=112円86銭(同112円58 銭)。

米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 低下の2.66%。株式相場は伸び悩み、S&P500種株価指数は

0.1%の上昇。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は1.1%下げて77.294。前日は78.273と、20日以来 の高値水準を付けた。

ブルームバーグ・ニュースが入手したニューヨーク連銀による 調査は、ディーラーや投資家に対し、国債購入の新たなプログラム の当初の規模や、完了するまでの期間について予想を示すよう求め ている。

資産購入プログラムの規模の見通しには、バンク・オブ・アメ リカ(BOA)メリルリンチ予想の1兆ドルや、ゴールドマン・サ ックス・グループの2兆ドルなどが含まれる。両社のエコノミスト は、FRBが11月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で 5000 億ドル規模の購入を発表し、プログラムを開始する可能性が 高いとの見方で一致している。

ゴールドマンの見解

ゴールドマン・サックスは調査リポートで、ドルが今後1年間 に「広範な、貿易加重平均ベースで」さらに5%下落するとの見通 しをあらためて示した。

ゴールドマンのストラテジスト、ロビン・ブルックス、ローマ ン・マラネッツの両氏は同リポートで、「FRBが好ましいとする水 準へのインフレ上昇に寄与するよう、ドルはさらに一段と下落する 必要がある」と指摘した。

日本銀行は、次回の政策決定会合の日程を変更し、FOMC明 けの11月4、5日とした。米国の追加緩和による円高進行を懸念し ているためとの見方も浮上している。

日本の介入

FXコンセプツの創設者で会長のジョン・テイラー氏はブルー ムバーグテレビジョンとのインタビューで、「日本は非常に難しい問 題を抱えている」と指摘。「日本の主要な輸出企業はどの程度の為替 水準ならば容認できるのかについて発言、市場で行動している。彼 らは円高に備えている」と述べた。

日本政府が9月15日に円売り介入を実施して以降、円は5%値 上がりしている。今月に入ってからは対ドルで3%高と、主要16通 貨中で最大の上昇となっている。

◎米国株:売り優勢、業績見通し引き下げで3Mが安い

米株式市場では売りが優勢。通期利益の見通しを引き下げた3 Mなど産業株が下げた。相場は一時、エクソンモービルの決算が予 想を上回ったことを好感し上昇する場面もあった。

3Mは今年通期の利益が従来予想を1株当たり6セント下回る との見通しを示した。ハリバートンは大幅安。原油流出を起こした 英BPのマコンド油井の固定用にハリバートンが用意したセメント ついて、同社は4月20日に事故が起きる前の段階で安定性に問題 があることを把握していた。原油流出の原因を調査する政府の委員 会スタッフが28日に書簡で明らかにした。エクソンは世界的な燃 料需要の増大から増益となったことで買い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1183.78。一時は

0.6%高まで上げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は12.33 ドル(0.1%)安の11113.95ドル。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの資産運用担 当者、クリフ・レミリー氏は、「ノイズが多過ぎる」と指摘。「中 間選挙や米連邦準備制度理事会(FRB)の政策、ドル下落をめぐ り不透明感が広がっている。経済情勢はまちまちだ。ファンドの期 末を意識した売りも出たようだ」と述べた。

量的緩和

FRBは債券ディーラーや投資家に対し、当局による今後6カ 月間の資産購入規模の予想やその利回りへの影響について調査を行 った。FRB当局は成長促進を図る新たな取り組みに関して、予想 される影響を判断しようとしている。

ブルームバーグ・ニュースが入手したニューヨーク連銀による 同調査は国債購入の新たなプログラムの当初の規模や、完了するま での期間で予想を示すよう求めている。また、FRBが同プログラ ムをどのくらいの頻度で再評価するかや最終的な購入規模の予想も 尋ねている。

投資家はまた、来月2日の中間選挙を控えて様子見姿勢を取っ ている。米世論調査会社ギャラップの調査によれば、投票に当たり 考慮する4要素のうち、回答者の43%が経済情勢を最重要視してい る。

3Mは5.9%安の85.07ドル。同社は通期の1株当たり利益 予想の上限を6セント引き下げ、5.74ドルとした。7-9月(第 3四半期)中に発表した買収が影響するという。

ハリバートン

ハリバートンは8%安の31.68ドル。6月1日以降で最大の 下げ。政府の委員会スタッフのリポートでは、ハリバートンが利用 を勧めたセメントがメキシコ湾での原油流出事故の一因となった可 能性があるとしている。

アップルは0.8%安の305.24ドル。携帯電話事業で競合す るモトローラの7-9月(第3四半期)決算は、利益がアナリスト 予想を上回ったほか、売上高はほぼ4年ぶりに増加した。

エクソンは0.8%高の66.22ドル。同社の7-9月(第3四 半期)決算は、純利益が73億5000万ドル(1株当たり1.44ド ル)と、前年同期の47億3000万ドル(98セント)から55%増 加した。1株当たり利益はブルームバーグがまとめたアナリスト14 人の予想平均を5セント上回った。

◎米国債:反発、FRBのディーラー調査で大規模購入の観測

米国債相場は反発。米連邦準備制度理事会(FRB)が債券ディ ーラーや投資家を対象に、資産購入による利回りへの影響について 調査したことが明らかになり、当局が大規模な資産購入に踏み切る 可能性も残っているとの見方につながった。

10年債は7営業日ぶりに上昇。2008年10月以来の最長連続 安が止まった。2年債利回りは約2カ月ぶりの大幅な低下だった。

英バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏(ニ ューヨーク在勤)は「量的緩和に対する市場の敏感さを示唆している」 と述べ、「FRBが調査で得たフィードバックでは、相当な追加金融 緩和の必要性が示されただろう」と話した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時58分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.66%。同年債価格(表面利率

2.625%、償還期限2020年8月)は15/32上げて99 21/32。

2年債利回りは、日中で8月30日以来最大となる6bp下げて

0.36%を記録、10月12日に記録した過去最低の0.33%に迫った。

既発債の7年債利回りは一時12bp下げて1.92%。日中とし ては、FOMCが前回会合で必要に応じて追加緩和策を講じる用意があ ることを明らかにした9月21日以来で最大の下げだった。

7年債入札結果

米財務省がこの日実施した7年債入札(発行額290億ドル)の 結果によると、最高落札利回りは1.97%と、入札直前の市場予想の

2.002%を下回った。前回入札(9月29日)は1.890%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.06倍と、前回の3.04 倍を上回った。過去10回の平均値は2.87倍だった。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、スコット・ シャーマン氏は、「通常、良好な結果に終わった国債入札は、相場に とってある程度の支援材料となる」と述べた。

この日の入札では、間接入札者の落札全体に占める割合は

50.2%で、前回と同じ。直接入札は5.5%と、前回の13.4%から縮 小した。

米国債の投資リターン

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、米国 債の投資リターンは10月に入って0.7%のマイナスとなっている。 月間ベースでは今年3月以来で初のマイナス。

FRBは債券ディーラーに対し、当局による今後6カ月間の資産 購入の予想値や利回りへの影響について調査を行った。ニューヨーク 連銀の調査内容をブルームバーグニュースが入手した。

FRBはこの日、住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を米国 債に再投資するプログラムの一環として、2013年2月と同年3月に償 還期限を迎える国債16億6000万ドル相当を購入した。8月17日以 降、これまでにFRBが買い取った国債は623億ドル相当に上る。

◎NY金:反発、ドル安で代替投資需要-終値1342.50ドル

ニューヨーク金先物相場は3日ぶりに上昇。ドルが下落したため、 代替資産としての需要が高まった。

ドルは主要6通貨のバスケットに対して最大1.3%安。米連邦 準備制度理事会(FRB)の資産購入プログラムでドルの価値が下 落するとの思惑が背景にある。金は9月1日以降、7.6%上昇。今 月14日には1オンス=1388.10ドルと最高値を更新した。ドルは その間、6.4%下げている。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・ レシュ氏(シカゴ在勤)は「FRBがどの程度、金融緩和を拡大す るのかがドルに影響するだろう」と指摘。「ドルは金属にとって重要 で、現在の相場を動かしているのは金の通貨価値だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比19.90ドル(1.5%)高の1オンス=

1342.50ドルで終えた。前日までの2日間で1.2%下げていた。

◎NY原油:小反発、ドル下落で-FOMC控え国債買い観測

ニューヨーク原油先物相場は小幅反発。ドルが主要通貨のすべて に対して下げたことから、原油に買いが入った。米連邦公開市場委員 会(FOMC)で国債購入が決定すれば、ドルの価値が押し下げられ るとの見方が背景にある。

ドルは対ユーロで3日ぶりに下落。商品投資の魅力が高まり、 原油は0.3%値上がりした。先週の新規失業保険申請件数は予想外 に減少し、3カ月ぶりの低水準。労働市場回復への期待が高まった。

エナジー・セキュリティー・アナリシス(マサチューセッツ州 ウェークフィールド)のシニアアナリスト、クリス・バーバー氏は、 「商品はドルが下げても価値が保持される現物資産だ」と指摘。「い くらでも印刷できる紙幣と違い、商品には限りがある」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比0.24ドル(0.29%)高の1バレル=82.18ドルで終了した。 過去1年間では6.1%の値上がり。

◎欧州株:反発、Eniやダッソーの好決算で-仏テレコムも高い

欧州株式相場は反発。前日は過去5週間で最大の下落となって いた。イタリアのエネルギー会社Eniやフランスのソフトウェア 会社ダッソー・システムズが、アナリスト予想を上回る決算を発表 したことが好感された。

Eniは2.8%高。通期の売上高見通し引き上げも明らかにし たダッソー・システムズは7.7%上昇。フランステレコムも業績が 市場の予想以上に拡大したことを手掛かりに買い進まれた。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%高の265.90で終了。 前日は0.8%の値下がりだった。同株価指数は月初来では2.4%上 昇。

ナイト・キャピタル・ヨーロッパ(ロンドン)のディレクター、 イオアン・スミス氏は、「景気動向の指標となる一部企業が市場予 想と一致、もしくは予想を上回る決算を発表しているという事実を 市場は好感しており、これは前向きといえる」と指摘。「ただ、わ たし自身はおおむね慎重だ。目先には多くの障害があるかもしれな い。その手始めは米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、鍵 となるだろう」と述べた。

Eniやダッソーが高い

Eniは2.8%高。同社の7-9月(第3四半期)決算は調整 後の純利益が17億ユーロと、前年同期比で48%増加した。ブルー ムバーグがまとめたアナリストの予想平均は13億4000万ユーロ だった。

ダッソーは7.7%高。同社の7-9月(第3四半期)決算は純 利益が5540万ユーロと、前年同期比44%増加。また、通期の売 上高見通しを引き上げた。

フランステレコムは3.1%高。7-9月(第3四半期)のEB ITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は1.9%増 の42億6000万ユーロ。アナリスト予想は41億4000万ユーロ だった。売上高は4%増加した。

◎欧州債:アイルランドやポルトガルなど周縁国債が下落-財政懸念で

欧州債市場では、アイルランドとポルトガルを中心に周縁国の 国債が下落。財政赤字の削減に苦慮するとの懸念が再燃した。

10年物のアイルランド国債のドイツ国債に対する上乗せ利回り (スプレッド)は一時、ユーロ導入後の最大まであと2ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)の水準に拡大した。アイルランド 政府が国有化したアングロ・アイリッシュ銀行の劣後債約6億 9000万ユーロ(約780億円)を保有する債権者グループは、劣後 債を新発債と交換するとした同行の提案に応じない方針だ。ポルト ガルのラジオTSFが伝えたところによれば、有権者を対象にした 調査では、最大野党である社会民主党(PSD)の支持率が前回の 調査から上昇。与党社会党を上回っている。

BNPパリバ(ロンドン)の金利ストラテジスト、マテオ・レ ゲスタ氏は「周縁国は非常に神経質になっており、短期的にスプレ ッドの拡大圧力が弱まることはないだろう」と分析。「ポルトガル は行き詰まりで意思決定に悪影響が出ており、市場は好ましく思っ ていない」と述べた。

ロンドン時間午後4時8分現在、アイルランド10年債の利回 りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

6.94%。前日は32bp上げていた。独10年債とのスプレッドは 426bpで、前日から5bp拡大した。一時は452bpと、9月に 付けた454bpに近づいた。ポルトガル10年債の利回りは7bp 上昇。独10年債とのスプレッドは338bp。

◎英国債:ほぼ変わらず、10年債利回り3.15%-2年債は0.72%

英国債相場は前日比ほぼ変わらず。10年債利回りは3.15%と、 約5週間ぶりの高水準付近で推移した。同利回りは過去1カ月間に 24ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇している。2 年債利回りは前日比1bp上昇の0.72%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の今年のリターンは7.8%と、ド イツ国債の7.7%を上回っている。一方、米国債の8.1%は下回っ ている。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212-617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE