今日の国内市況:株式は小幅安、長期金利0.905%に急低下-ドル反落

東京株式相場は小幅安。原油など 海外商品市況の下落を嫌気し、鉱業や非鉄金属など資源関連株の一角 が売られた。アナリストの弱気判断を受けたパルプ・紙株も下落、7 -9月利益が前四半期比で減益になったもようだと一部報道で伝えら れた旭硝子を中心にガラス・土石製品株も安い。

一方、今期利益予想を増額したキヤノンが急反発したほか、好業 績を確認したJR東海、富士通、ヤマダ電機なども選別的に買われ、 相場全般を下支えした。日経平均株価の終値は前日比21円(0.2%) 安の9366円3銭、TOPIXは同3.43ポイント(0.4%)安の814.33。

27日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)では原油、銅、金 の先物がそろって下落。為替市場でドルが対ユーロで上昇し、代替投 資としての需要が弱まった。米製造業耐久財受注で、設備投資の先行 指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が前月比 で減少し、投資先細りへの警戒もマイナス要因。商品市況の下落で収 益の先行きが警戒され、国際石油開発帝石、AOCホールディングス、 DOWAホールディングスなど資源関連株が安かった。

東証1部33業種の下落率上位にはその他金融、パルプ・紙、保険、 鉱業、ガラス・土石製品、非鉄金属、不動産などが並んだ。その他金 融や保険、鉱業、不動産などは、10月に入ってから前日までの好パフ ォーマンス業種。月末、来週の米国の重要イベント接近に伴い、持ち 高整理の動きをうかがわせた。

このほかガラス株には、旭硝子の7-9月(第2四半期)営業利 益は前年同期比7割増益となったもようだが、4-6月比では減益に なったと28日付日本経済新聞朝刊が報じる材料があった。紙パでは、 日興コーディアル証券がセクター判断を新規に弱気とした。

個別では、インターネット検索最大手の米グーグルが日本市場向 けに新たな商品検索サービスを始める、と28日付の日経新聞朝刊が報 道したことを受け、競争激化の警戒からカカクコムが急落。自己株式 100万株を処分し、41億円を調達するガリバーインターナショナルが 株式需給の悪化懸念で売りを浴びた。業績下方修正銘柄の大気社、東 洋シヤッター、小森コーポレーションも大幅安。

一方、今期(2010年12月期)の連結純利益は従来予想を50億円 上回り、前期比86%増の2450億円になる見込みとなったキヤノンが 4営業日ぶりに急反発。デジカメなどの数量増効果やコストダウンな どで円高要因をこなす。新幹線の利用増で11年3月期の業績計画を増 額したJR東海、エコポイント制度などの影響でテレビ販売が好調に 推移し、11年3月期の連結業績予想を増額したヤマダ電も高い。

このほか、野村証券やクレディ・スイス証券が目標株価を引き上 げたファナックは大幅続伸し、日経平均のプラス寄与度1位。不採算 のバードディスクドライブ(HDD)事業からの撤退や、LSI事業 の構造改革などが寄与し、7-9月の連結営業利益が前年同期比96% 増となった富士通、午前の取引終了後に今期(11年3月期)の連結利 益予想と配当計画を上方修正したクラレも高い。発行済み株式の

2.43%を上限に自社株買い実施方針を午前11時すぎに示した岡三証 券グループは、年初来安値からの急反発となった。

この日午後1時30分すぎには日経平均、TOPIXともプラス圏 に浮上する場面があった。日本銀行による金融政策決定会合の結果、 詳細が伝わり、先物主導で買いが入ったが、上昇の勢いは限られた。

日銀は同日に開いた金融政策決定会合で政策金利を「0-0.1%」、 新型オペ規模は30兆円、資産買入等基金を5兆円に据え置くことを全 員一致で決定した。基金で買い入れる社債の格付けを前回のシングル AからトリプルB、コマーシャルペーパー(CP)はa-1からa- 2に緩和することも決定した。また、日銀は次回会合を11月15、16 日から同4、5日に前倒しするとも発表。

一方、日銀が公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」 では、2011年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は委 員中心値で前年度比0.1%上昇、12年度は同0.6%上昇。実質国内総 生産(GDP)見通し(中央値)は11年度が1.8%増、12年度が2.1% 増となった。

東証1部の売買高は概算で20億4606万株、売買代金は1兆4678 億円。落銘柄数は値下がり1100、値上がり439。

債券大幅高、長期金利は0.905%

債券相場は大幅反発。長期金利は朝方に1カ月ぶり高水準0.97% を付けた後、0.905%に急低下した。米国債相場の下落を受けて売りが 先行したが、午後に日本銀行が金融政策決定会合の結果を発表すると 同時に、次回会合の日程を前倒ししたことをめぐる憶測から買いが優 勢となった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の311回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.96%で始まり、直後 に0.97%まで上昇。新発10年債としては9月28日以来、1カ月ぶり の高水準を付けた。しかしその後は買いが優勢となり、水準を切り下 げており、午後3時前には5bp低い0.905%まで低下した。

金融政策変更の影響を受けやすい中期債も買われた。新発5年債 利回りは、朝方に9月半ば以来の0.3%台に上昇していたのが、午後 2時前後には2bp低い0.275%に低下した。

東京先物市場で中心限月12月物は反発。前日比16銭安の143円 2銭で始まり、直後に約1カ月ぶり安値の143円ちょうどまで下落し た。しかしその後は、買いが優勢となり、一時は143円54銭まで上昇 して21日以来の高値を付けた。結局は33銭高の143円51銭で引けた。

先物相場の反発について、市場では日銀の次回会合をめぐる憶測 のほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が国債購入規模予想などに ついて市場調査を行っているとの報道を受けて円高傾向が続いており、 円債にも買いが強まったとの指摘があった。

朝方には、前日の米国債市場で長期債相場が続落した地合いを引 き継いで売りが先行した。米新築住宅販売が予想以上に増加したこと を背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和策は漸次進め られる可能性があるとの見方が強まった。米紙ウォールストリート・ ジャーナル(WSJ)は、情報源を明示しない形で、FRBが向こう 数カ月で数千億ドルの米国債を購入するプログラムを発表する見通し だと報じた。

ドル反落、対円では81円台前半

東京外国為替市場ではドルが反落。米連邦公開市場委員会(FO MC)を来週に控えて、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和 の規模をめぐる思惑が錯綜(さくそう)するなか、対ユーロではドル が前日の上昇幅のほとんどを吐き出す形となった。

ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.3853ドルまで下落。前日に はFRBの量的緩和が一部の予想より小規模にとどまるとの観測から 今月20日以来の高値となる1.3734ドルまでドル高が進んでいた。

ドルは対円でも1ドル=81円台後半から一時、81円27銭まで軟 化。日本銀行の金融政策決定会合の結果発表直後には81円70銭付近 まで円が売られる場面も見られたが、月末を控えて国内輸出企業のド ル売り意欲が指摘されるなか、ドルの上値は重かった。

11月2、3日開催のFOMCでは、低迷する米景気のてこ入れを 狙い、FRBが新たな資産購入計画を発表されることがほぼ確実視さ れている。

そうした中、FRBは債券ディーラーや投資家に対し、当局によ る今後6カ月間の資産購入規模の予想やその利回りへの影響について 調査を行った。ブルームバーグ・ニュースが入手したニューヨーク連 銀による調査は、国債購入の新たなプログラムの当初の規模や、完了 するまでの期間で予想を示すよう求めている。また、FRBが同プロ グラムをどのくらいの頻度で再評価するかや最終的な購入規模の予想 も尋ねている。

購入プログラムの規模については、バンク・オブ・アメリカ(B OA)メリルリンチ・グローバル・リサーチが1兆ドル、ゴールドマ ン・サックス・グループは2兆ドルと予想。一方、米紙ウォールスト リート・ジャーナル(WSJ)は、FRBが数カ月間で数千億ドルの 米国債を購入するプログラムを発表される見通しと報じている。

日銀の発表後、日本株が一時的に反発したのに伴い、外国為替市 場では円売りが強まる場面が見られた。

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