日銀総裁:ETFとREIT購入急ぐため-次回会合前倒し

日本銀行の白川方明総裁は28日 午後、定例記者会見で、11月15、16日に予定していた次回金融政策 決定会合を同月4、5日に前倒しすることについて「もっぱらETF とREITの買い入れを急ぎたいため」であり、同月3日の米連邦公 開市場委員会(FOMC)を意識したわけではないと述べた。

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、資産買い入れ等基金で買 い入れる社債の信用格付けをトリプルB以上、コマーシャルペーパー (CP)はa-2以上に緩和することを決定。指数連動型上場投資信 託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)については11月4、 5日に前倒しした会合で基本要領を審議し、買い入れを決定する。

日銀が次回会合を前倒ししたことで、金融市場の一部では、FO MCの結果次第で為替など金融市場が大きく動いた場合、日銀が追加 緩和に踏み切るとの見方が出ている。白川総裁は11月4、5日会合で も「通常通り、金融政策の議論も行う」と言明。新たな経済指標や情 勢の変化を点検した上で「最も適切な対応を行う」と表明した。

白川総裁は金融資産の買い入れについて「できるだけ早く実施し たい。国債、CP、社債は準備がかなり進んできた」と言明。ETF とREITについては「もう少し実務的な準備の時間がかかる。でき るだけ早く開始するためには買い入れに関する基本要領を会合で決定 する必要があり、そのために当初予定されていた会合でなく、もっと 早めることで、少しでも早く実現したい」と述べた。

金利には「まだ低下余地がある」

買い入れる社債とCPの買い入れ基準を緩和した狙いについては、 リスクプレミアム、つまり国債金利への上乗せ幅が「日銀の買い入れ によって縮小することができれば、その分、調達コストが下がってく る」と指摘。「現在、金利の上乗せ幅は格付けの水準の低い先ほど高い ので、そうしたものほど潜在的には引き下げの効果がある」と述べた。

日銀は資産買入等基金の資産ごとの買入限度額について、1-2 年までの長期国債を1.5兆円程度、国庫短期証券(TB)を2兆円程 度、CP等、社債等はそれぞれ5000億円程度、ETFは4500億円、 REITは500億円とすることを決定した。白川総裁は国債の買い入 れによる効果について、金利には「まだ低下余地がある」と述べた。

ETFやREITの買い入れの効果については「買い入れそれ自 体がリスクプレミアムに相当する部分を圧縮する効果とならんで、こ れが呼び水となって投資家層が広がってくることを期待している」と 言明。さらに「REITも株価もそれが上がることで、それによって 資金調達をしている人のコストが下がるし、投資として持っている人 の実質的な資本ポジションを改善する効果もある」と述べた。

「増額も有力な選択肢」

今後、5兆円の資産買い入れを拡大する可能性については「効果 と副作用を入念に点検し、効果が勝ると判断し、かつ先々の経済・物 価見通しが前の想定に比べて大きく変わってきたときは、増額も有力 な選択肢になる」と述べた。

日銀は経済・物価情勢の展望(展望リポート)で消費者物価指数 (除く生鮮食品)前年比が11年度0.1%上昇、12年度0.6%上昇と民 間より高めの見通しを示した。白川総裁は「包括緩和の効果について 多くの委員は委員なりに織り込んでいる」と指摘。「われわれは政策当 局者なので、どういうことをやろうとしているかは見通しの前提に入 っている。1つの違いはその辺にあるのかなと思う」と語った。

日銀は5日の金融政策決定会合で政策金利を「0-0.1%程度」と することを決定。物価の安定が展望できる情勢になるまで実質ゼロ金 利政策を継続することを表明した。さらに、国債、CP、社債、ET F、J-REITなど金融資産を買い入れる5兆円規模の基金創設を 検討することを決めた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE