年授業料600万円でも子供通わせたい親が急増-スイスの名門寄宿学校

スイスで教育を受けているニタシ ャ・シレシュさんの父親は、米大統領経験者やキャメロン英首相、英 国の王位継承権を持つウィリアム王子のほぼ倍の授業料を支払ってい る。

シレシュさんは9月にジュネーブの北東に位置しスイスアルプス に囲まれた寄宿制の高等学校、レザンアメリカンスクール(LAS) に入学した。年間授業料は6万9500スイス・フラン(約570万円)。 ウィリアム王子やキャメロン首相が通った英名門イートン校の授業料 は2万9862ポンド(約380万円)、米国のブッシュ元・前大統領親子 が学んだマサチューセッツ州アンドーバーのフィリップス・アカデミ ーでは約4万1300ドル(約340万円)だ。

ボーディングスクールと呼ばれるこうした名門校の中でも、世界 で最も費用がかかるのがスイスの学校だ。同国のこうした教育機関を 紹介するスイス・ラーニング(ジュネーブ)の設立者、クリストフ・ クリバ氏によると、学生1人当たりの年間費用は最大12万フラン。L ASでは60カ国余りから集まった10代の学生が勉学にいそしむとと もに、おしゃべりやスキー、スノーボードを楽しむ。地元のリゾート は冬の学期の間、毎週火曜日と木曜日に自由に利用できるのだ。

シレシュさん(15)は「お金はかかるけど、勉強だけの学校じゃ ないからと父は話しています。わたしには旅行とか、可能な限りいろ いろな体験をしてもらいたいようです」と語った。LASの卒業生に はサウジアラビアなどの王族やロックフェラーなど名門家の子息らが いる。

王室御用達の学校

カナダのケベック州にあるビショップス・カレッジ・スクール(B CS)のディレクター、バレリー・スカリオン氏によると、世界で最 もお金がかかるボーディングスクールはスイスのル・ロゼ。各国王室 の卒業生も多いこの学校は授業料だけで9万2000フランかかる。

米アマースト大学(マサチューセッツ州)の入学審査責任者、ト ム・パーカー氏は「ル・ロゼのような学校は学業の機会という点でイ ートン校と肩を並べているが、高い学費からすると、学校側が提供す るのはそれ以上だ。食事もかなりおいしいに違いない」と話す。

ル・ロゼのウェブサイトによれば、25メートルの室内温水プール にサウナ、スチームバス、ジャクジー、ビーチバレーのコート2面、 スケートボード広場、射撃やアーチェリー場、乗馬の個人練習場、セ ーリングセンター、サーカス場まで備えている。同校は営利目的の教 育機関。LASは非営利だ。両校ともに財務は公表していない。

こうした学校に子供を通わせたい親が新興国で増えている。経済 成長を背景に富裕層が拡大しているためだ。スイス・ラーニングによ れば、同国のボーディングスクール12校の留学生枠に対するブラジル からの応募は今年20%増えた。増加率は中国からが10%、ロシアから が9%。

人気の秘密

この人気の秘密について、お金持ちの外国人に教育上の助言を提 供するラヤン・パートナーズ・サール(モントルー)を創業したパト リック・グルーン氏は「スイスの学校では、席がサウジアラビアの王 子の隣になることも珍しくない。学校生活を通じてきずなを深めれば、 友情は一生続く。12万フラン支払っても、数年で元が取れる」と説明 した。

スイスのボーディングスクールの1クラスの人数は平均12人程 度。主に英語やフランス語での授業となるため、卒業証書が国際的に 通用するという。スイス・ラーニングのクリバ氏によれば、スイスの ボーディングスクール卒業生の約95%が大学に入学し、その多くがハ ーバード大学やオックスフォード大学、エール大学といった名門校に 入る。

ただ、ブラジル出身でスイスのボーディングスクールで学ぶマリ ア・ルイザ・ロペス・カマルゴスさん(17)は「ここはかなり大変よ」 と話す。「いい学校とは思うけど、ブラジル人はパーティーが好きでし ょう。だから、注意してねと言いたいわ。だって、かなり勉強しなき ゃならないもの」と続けた。

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