邦チタ株急落、円高や化学品低迷で通期赤字拡大へ-価格交渉を注視

金属チタン製錬大手の東邦チタニ ウム株が一時、前日比6.8%安の2077円と急落。9月1日以来、約1 カ月半ぶりの安値水準に沈んだ。前提為替レートを円高方向に見直し たほか、積層セラミックコンデンサの販売数量低迷などを考慮、27日 に今期(2011年3月期)業績予想を下方修正したことが響いた。

邦チタが示した業績予想の修正によると、通期の連結純損失は56 億円となる見通しで、前回予想の45億円から赤字幅が拡大する。ド ル・円相場の前提を1ドル=90円から同82円に見直し、営業損益段 階で約5億円のマイナスの影響が出るほか、コンデンサの売上高下振 れを受け、機能化学品事業の収益見通しを引き下げた。

独立系調査会社ティー・アイ・ダブリュ(TIW)の溝上泰吏シ ニアアナリストは、航空機向けチタン需要の回復期待で上昇してきた 夏場以降の株価推移に言及。「市場の期待値が高過ぎた分、今回の業績 下方修正を契機に株価はしばらく調整色を強める」との見方を示した。

一方で溝上氏は、邦チタがユーザーらとチタン価格の値上げ交渉 を行っている点に触れ、「価格交渉が決着する年末に業績予想を上方修 正することもあり得る。交渉がまとまるころに株価も動く可能性が高 い」と予想している。

世界的な景気回復を受け、チタン需要は拡大中だ。ことしはスポ ンジチタン(チタン製造の際の中間材料)メーカーにとっては有利に 価格交渉を続けているもよう。同業の大阪チタニウムテクノロジーズ の西澤庄藏社長は25日、ブルームバーグとのインタビューで、スポン ジチタンの2011年輸出向け価格を「ひとけたの中程度まで引き上げる 予定」と話し、3年ぶりの値上げが実現できそうとの認識を示した。

溝上氏によると、邦チタは円高の影響を織り込む形で値上げ交渉 を行っており、大阪チタニよりも値上げ幅が大きくなる可能性が高い、 と言う。

--共同取材:宋泰允、菅磨澄 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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