ドルが反落、米量的緩和めぐり思惑錯そう-対円では81円台前半

東京外国為替市場ではドルが反 落。米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えて、米連邦準備制 度理事会(FRB)の量的緩和の規模をめぐる思惑が錯綜(さくそう) するなか、対ユーロではドルが前日の上昇幅のほとんどを吐き出す形と なった。

ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.3853ドルまで下落。前日に はFRBの量的緩和が一部の予想より小規模にとどまるとの観測から今 月20日以来の高値となる1.3734ドルまでドル高が進んでいた。

クレディ・スイス証券債券本部外国為替営業部の北澤一夫ディレク ターは、米国の量的緩和をめぐっては市場の見方が分かれており、FO MCまでは方向感が出にくい状況が続かざるを得ないと指摘。また、日 本銀行がFOMC後の11月4、5日に次回会合を前倒ししたことで、 「FOMCの結果を受けて日銀も資産購入の規模を増やす可能性もある 」とし、来週は波乱含みの展開になると予想した。

ドルは対円でも1ドル=81円台後半から一時、81円27銭まで軟 化。日本銀行の金融政策決定会合の結果発表直後には81円70銭付近 まで円が売られる場面も見られたが、月末を控えて国内輸出企業のドル 売り意欲が指摘されるなか、ドルの上値は重かった。

米国の量的緩和

11月2、3日開催のFOMCでは、低迷する米景気のてこ入れを 狙い、FRBが新たな資産購入計画を発表されることがほぼ確実視され ている。

そうした中、FRBは債券ディーラーや投資家に対し、当局による 今後6カ月間の資産購入規模の予想やその利回りへの影響について調査 を行った。ブルームバーグ・ニュースが入手したニューヨーク連銀によ る同調査は、国債購入の新たなプログラムの当初の規模や、完了するま での期間で予想を示すよう求めている。また、FRBが同プログラムを どのくらいの頻度で再評価するかや最終的な購入規模の予想も尋ねてい る。

購入プログラムの規模については、バンク・オブ・アメリカ(BO A)メリルリンチ・グローバル・リサーチが1兆ドル、ゴールドマン・ サックス・グループは2兆ドルと予想。一方、米紙ウォールストリー ト・ジャーナル(WSJ)は、FRBが数カ月間で数千億ドルの米国債 を購入するプログラムを発表される見通しと報じている。

WSJの報道を背景に前日の外国為替市場ではドルが主要通貨に対 して上昇。北澤氏は、GDP(国内総生産)の上振れを受け量的緩和観 測が後退した英国と同様、「FRBも量的緩和が小規模だったり、12 月になるというリスクシナリオの可能性がかなり低いとは言えゼロでは ないということで、ドル買い戻しの動きになった」と解説。一方、この 日の東京市場では、ニューヨーク連銀による調査の話を受け、「やはり 何かやるだろうということで若干ドルが売られた」と説明した。

日銀、包括緩和の具体策を発表

日銀は28日午後、同日開いた金融政策決定会合で政策金利を「0 -0.1%」に、資産買入等基金を「5兆円」に据え置くことを全員一致 で決定したと発表した。基金で買い入れる社債の格付けを前回のシング ルAからトリプルB、コマーシャルペーパー(CP)はa-1からa- 2に緩和することも決定した。

日銀の発表後、日本株が一時的に反発したのに伴い、外国為替市場 では円売りが強まる場面が見られた。

北澤氏は、「例えば外貨資産を購入の対象にするというような内容 が盛り込まれれば、かなりインパクトもあったが、予想通りの内容で特 に円売りで反応するような材料はないと思う。ただ、リスク資産の購入 を決めたので、株にとっては非常にポジティブな話だ。株が上がって若 干リスクテークモードになって円が売られたのかもしれない」と分析し た。

また、みずほ総合研究所シニアエコノミスト草場洋方氏は、「買い 取り対象の国債の残存期間が短いことや低格付けの受け入れ範囲が狭い ことを考えると、その政策意図が不明確であり、むしろ失望を禁じえな い」と指摘。ただ、「一方で次回の政策決定会合の開催日をFOMC直 後に前倒ししたことにより、FOMC後に不測の円高が進んだ場合には 日銀による追加的な対応もあり得ることを暗におわせており、円高をけ ん制する作用があるのではないか」との見方を示した。

日銀はこの日、経済・物価情勢の展望(展望リポート)も公表。 2011年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は委員の中 心値で前年度比0.1%上昇と、7月中間評価の見通しを維持。12年度 は同0.6%上昇で、日銀の物価安定の理解の中心値である1%を下回っ た。

--取材協力 関泰彦 Editor:Joji Mochida, Masaru Aoki

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