民主・山口座長:TPPに賛否両論、首相の決断が必要(Update1)

民主党のAPEC・EPA・FT A対応検討プロジェクトチーム(PT)座長の山口壮政調筆頭副会長 (衆院議員)は、菅直人首相が検討を表明している「環太平洋連携協 定」(TPP)交渉への参加問題に関し、党内では賛否両論があるため 意見集約は困難との認識を明らかにした。その上で、11月のアジア太 平洋経済協力会議(APEC)で参加方針を打ち出せるかどうかは首 相の政治決断にかかっているとの考えを示した。

山口氏はブルームバーグ・ニュースとの27日のインタビューで、 党内論議について「TPPに参加することで日本の農業に打撃を与え るという理屈も正しいし、今日本が国を開くことによって日本経済に 活路を見い出すという理屈もものすごく正しい。あとは政治がどちら の方向を取るかという決断の問題だ」と述べた。

同氏はその上で「どこまで開国するか、あるいは場合によっては 鎖国にとどまるのかという表現が成り立つくらいで、政治的なリーダ ーシップ、少なくとも大臣レベル以上で決める話だ」と指摘。「わたし のPTの役目はどういう意見が出ているかということを極めて正確に そのレベルの人たちに伝えることだ」と高度な政治判断が必要だとの 考えを示した。

慶応大学大学院の曽根泰教教授はTPP参加問題について「菅首 相は検討すると言ってしまったから、これは進めるべきで、またぶれ たとか変わったとか言われないことが重要だ。農業で反対している人 たちをどう説得できるか、リーダーシップが問われている」と指摘し た。

政府が同PTに提案した資料によると、TPPはシンガポール、 ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国により2006年に発効した 「環太平洋戦略的経済連携協定」(P4)を下に、に米国、オーストラ リア、ペルー、ベトナム、マレーシアを加えた計9カ国でP4を発展 させた協定を目指す形で交渉が進められている。

P4

P4協定は原則として全品目の関税を即時または段階的に撤廃す る内容で、貿易のみならず、政府調達や人の移動を含めた包括的な経 済協力を進める内容になっている。

このため、与党内では山田正彦前農水相を会長に「TPPを慎重 に考える会」が発足。山田氏は27日の会合で、「拙速に参加を表明し てもらっては困る。党内論議を尽くしていくことと国民的議論が必要 になる。TPPは関税をゼロにするだけではなく、金融も医療も保険 もサービスも全部ゼロにしてしまう、共通にしてしまうという国の形 を変える大きな問題だ」と菅首相の対応をけん制した。

菅首相は1日の所信表明演説で、TPPへの対応について「参加 を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指す」と表明。その後、 玄葉光一郎国家戦略担当相(党政調会長)らに対し、APECまでに 日本の経済連携に関する基本方針をまとめるよう指示している。

APEC

山口氏は個人的見解として、交渉への参加について「あまり自 分が先走った事をいうべきでないと思うが、どちらかと聞かれれば、 入る方がいい」との考えを表明。前原誠司外相が11月上旬に行われる 事務レベル協議に日本が参加する意向を示していることについては 「関心を持っている国が集まって会合しようかという話らしいので、 それは別に不思議な話でもない。前の段階の話だ」と理解を示した。

11年のAPEC議長国である米国の動向については「来年までに まとめようと思ったら、事務方の中には日本が入って議論が進まない のだったら、『面倒くさい』と思っている人がいても不思議ではない」 と述べ、日本の参加に難色を示す可能性があるとの認識も示した。

TPP交渉に参加しない場合のデメリットについて「『入りません』 ということになると、日本としてアジア太平洋のルール作りを放棄し てしまう格好になる」と指摘した。

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