グロース氏:債券強気相場、追加緩和が終わり告げる

米パシフィック・インベスト メント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファンドを 運用するビル・グロース氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)に よる資産購入再開は30年に及んだ債券強気相場の終わりを告げる 公算が大きいとの見方を示した。

同氏はPIMCOのウェブサイトに27日掲載した月次投資見 通しで、「兆ドル単位の規模で当局が小切手を切ることは、債券保 有者に歓迎される行為ではない」と記述。そのような政策は「イン フレにつながる性質のものであり、真実を言ってしまえば、ある意 味でのねずみ講ですらある。債券の価格を押し上げて高い年間リタ ーンという幻想を作り上げるが、最終的には価格がそれ以上は上が ることができない行き止まりにたどりついてしまう」と解説した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によ れば、米国債の投資リターンは今年これまでで、プラス8.3%とな っている。

グロース氏は「最終地点に着いた後は、ほぼゼロのリターンの 中でインフレが実質金利をマイナスにすることによって、債券保有 者の手から富をかすめ取り始めるだろう」とし、こうした展開が「30 年にわたる偉大な債券強気時代の終えんを告げるとともに、債券運 用者そして株式運用者にも、新たな環境への適応を迫るだろう」と みる。

米当局は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、新た な大規模な資産購入計画を発表するとみられている。当局が量的 緩和拡大に傾く一因は、低インフレとデフレの脅威だ。住宅を含 めた資産価格の下落は個人と企業の支出意欲を殺ぐ。生産や消費 という経済活動を活発化させるには適度のインフレが望ましい。

グロース氏はこれについて、そのような政策は「バーナンキ 米FRB議長自身のスキーム(構想)ではない。これは同議長に とって唯一の選択肢であって、その根源となった事象について議 長は責任がない」と解説。「わたしはこれを『サミー・スキーム』 と呼ぶ。われわれをこの重大な地点に至らせたアンクル・サム(米 政府)と米国の政治家、そして国民に敬意を表してだ。すべての 責めはわれわれ、そしてわれわれが2年に1回選ぶ政治家にある」 と書いている。

「流動性のわな」

また、「一部の地区連銀総裁でさえ今や公に認めているように、 われわれは『流動性のわな』に陥っている。政策金利のほか、量的 緩和第2弾による何兆ドルという資産購入でも、借り入れや貸し出 しを刺激できない可能性がある。消費者の需要がないからだ」と説 明。「流動性のわなから抜け出すのは不可能かもしれない。ブラッ クホールにはまった光のように」と加えた。

同氏はさらに、「量的緩和第2弾が資本市場を再膨張させるこ とに失敗し、2%のインフレを生むことも失業率を長期的な平均に 近い水準に押し下げることもできなければ、繁栄へと戻る道は辛く 長いものになるだろう」と続けた。

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