NY外為:ドルが上昇、米量的緩和の小規模観測で買い

ニューヨーク外国為替市場では ドルがすべての主要通貨に対して上昇。米連邦準備制度理事会(F RB)が量的緩和策として購入する国債の規模が、一部トレーダー の予想よりも小さくなるとの観測から、株式と期間が長めの国債が 下落したことが背景。

ユーロはドルに対してほぼ1セントの値下がり。ギリシャが同 国の税収入は政府目標を下回っていると明らかにしたことや、ポル トガルで2011年予算をめぐる協議が打ち切られたことに反応した。 韓国ウォンと南アフリカ・ランドは特に下げが目立った。両国は通 貨高 の抑制に向け行動を起こす可能性があることを示唆した。

為替取引を手掛けるテンパス・コンサルティングのストラテジ スト、ジョン・ドイル氏は、「ドルは先週の安値から戻している」と 指摘。「市場では期待が後退しつつある。量的緩和がより段階的なア プローチになるとみている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、ドルはユーロに対して1 ユーロ=1.3760ドル(前日は1.3859ドル)。一時は前日比0.9% 高の1.3734ドルと、20日以来の高値を付ける場面もあった。ドル は円に対して0.3%高の1ドル=81円70銭(同81円43銭)。25 日は80円41銭と、1995年4月以来の安値を付けた。ユーロ は円 に対して0.3%安の1ユーロ=112円50銭(同112円86 銭)。

韓国ウォンはドルに対して1%安。韓国銀行(中央銀行)の金 仲秀総裁は、資金の流れを抑制する措置が「有益となり得る」との 見方を示した。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は 4日前に、外国為替市場での緊張緩和を公約したばかりだった。

南アフリカ・ランドはドルに対して一時1.9%安と、日中取引 としては6月24日以来の大幅な下落となった。南アフリカ共和国の ゴーダン財務相は、ランド安を誘導する手段として、予想を上回る 税収入を活用して外国通貨の購入を拡大すると述べた。

円は月初来で上昇

円はドルに対して今月に入って2.2%高と、主要通貨の中では 最大の上昇率となっている。日本銀行は6週間前に行き過ぎた円高 を抑制するため、介入を実施した。ブラジル・レアルは今月2%安 と、値下がり率トップ。同国は海外投資家による確定利付証券投資 に課す税率を引き上げた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.6%上げて78.158。投資家がFRBの政策により ドルの価値が下落するとの見方を弱めた。同指数は15日に昨年12 月11日以来の安値水準となる76.144を付けて以降、2.7%上げて いる。

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディ レクター、ジャック・スピッツ氏(トロント在勤)は「ドルの上昇 や下落は、とにかく量的緩和に関する市場予測のバロメーターとな るだろう」と指摘した。

FOMCの見通し

FRBは11月2、3両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、 数カ月間で数千億ドルの米国債を購入するプログラムを発表する見 通しだ、と米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝え た。情報源には言及していない。WSJによると、当局者は新プロ グラムが機能しているかどうか判断するため、プログラムに柔軟性 を求めているという。

資産購入プログラムの最終的な規模の見通しは、バンク・オブ・ アメリカ(BOA)メリルリンチ予想の1兆ドルから、ゴールドマ ン・サックス・グループの2兆ドルまで幅広い。ただ両社のエコノ ミストは、FRBが11月の次回FOMCで5000億ドル規模の購入 を発表し、プログラムを開始する可能性が高いとの見方で一致して いる。

ユーロはドルに対して下落。ユーロ圏ソブリン債危機が終了し ていないとの観測が背景。ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相 は、徴税問題が財政赤字削減の取り組みの障害になっていると発言。 また、ポルトガル政府は少なくとも1970年代以来の大幅な歳出削 減を盛り込んだ予算案をめぐり、最大野党との協議を打ち切った。

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