キヤノン:円高乗り越え今期利益予想を増額-一眼レフ好調

デジタルカメラ世界最大手のキヤノ ンは27日、2010年12月期の連結利益予想を上方修正した。純利益は前 期比86%増の2450億円となる見通し。従来予想は2400億円だった。コ スト削減や一眼レフを中心としたデジカメの販売好調、量産効果などが 寄与する。

営業利益予想も従来予想から300億円増やし、同78%増の3900億 円とした。会見した田中稔三副社長は、一眼レフやレーザープリンター などの「数量増による生産性向上やさらなるコストダウンの推進で円高 の影響を吸収した」と述べた。円高が通期の営業利益に与えるマイナス の影響額は1390億円という。

JPモルガン証券の森山久史アナリストは、カメラ需要は先進国で は弱まっており、年末商戦は想定以上に鈍化するが、新興国では堅調と の見方を示している。同証券のキヤノンの投資判断は「中立」。円高と いう逆風の中、キヤノンが来年どのように成長を続けていくのかに投資 家は注目し始めているという。

一眼レフ販売計画上乗せ

今期のデジカメ年間販売目標については、一眼レフを従来計画から 20万台上乗せし、前年比29%増の570万台に上方修正した。コンパク トは従来のまま2100万台を据え置いた。

田中副社長は「一眼レフはどの地域でも好調」と説明。コンパクト に関しては「数量は伸びているが、価格競争が厳しくなっている」と言 い、「新製品をタイミングよく出し続け、できるだけ価格競争に巻き込 まれず、利益志向で値づけしたい」との方針を示した。

また、産業機器関連事業については半導体露光装置が大きく回復す るほか、液晶露光装置も液晶パネルメーカーの増産体制強化により大幅 に拡大する見通し。通期で赤字が残るとしているが、10-12月期次第で は「通期で黒字化する可能性もある」と田中副社長は語った。

円高で売上高は下方修正

売上高予想は、従来の3兆7500億円から3兆7100億円に下方修正 した。想定以上の円高が響くため。直近の為替水準を勘案し、10-12月 期(第4四半期)の想定為替レートを1ドル=80円(従来は90円)、1 ユーロ=115円(同110円)に見直した。キヤノンの海外売上高は前期 実績で全体の約8割を占めている。

田中副社長によると、売り上げは一眼レフの販売好調で160億円上 乗せできるものの、円高によるマイナスの影響560億円を吸収できない という。為替動向については「一方的に円高が進むとは考えにくい」と 述べ、「70円台を一時的につけることがあっても定着することはない。 80円前後で推移するだろう」との見方を示した。

売上高に関しては「回復に頭打ち感が出てきたということは決して ない」と強調し、先行きは為替の影響や欧米など先進国が年末に不安要 素を抱えていることを織り込んだが、「もし発生しなければ同じペース で回復する」との見通しを示した。

7-9月期(第3四半期)の連結純利益は前年同期比86%増の682 億円となった。ブルームバーグ・ニュースが算出したアナリスト5人の 予想平均値585億円を上回った。売上高は同18%増の9132億円、営業 利益は同74%増の1044億円だった。

--共同取材:安真理子 Editor: Tetsuki Murotani Tetsuzo Ushiroyama Hitoshi Ozawa

参考画面: 東京 白木 真紀 Maki Shiraki +81-3-3201-7644 mshiraki1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Young-Sam Cho +81-3-3201-3882 ycho2@bloomberg.net

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