レアアース株「バブル」に-豪ナビゲーターなどの資産は投資引き付け

オーストラリアの探鉱会社、ナ ビゲーター・リソーシズがウエスタンオーストラリア州で保有する金鉱 山を約2週間前に訪問したバンカーたちの関心は、すぐに約1000キロ メートル北方に埋蔵されている金とは異なる金属へと移った。それは、 レアアース(希土類)だ。

この視察旅行が実施された11日から12日後、ナビゲーターは別 の上場企業創設のため同社のレアアース資産の半分を少なくとも1000 万豪ドル(約8億円)で売却する計画を発表した。これだけ短期間に計 画が発表された背景には、世界の供給の97%以上を占める中国による 輸出削減で不足の可能性が強まり、レアアースへの関心が高まっている 現状がある。レアアースはディスクドライブや風力タービン、ミサイル の誘導装置に利用される。

中国は7月に、7-12月(下期)のレアアース輸出を72%削減す る方針を示した。中国以外の企業としては時価総額でレアアース探鉱大 手の豪ライナスと米モリコープの株価は7月以降、2倍以上に高騰して いる。ナビゲーターや豪コラブ・リソーシズ、豪グリーンランド・ミネ ラルズ・アンド・エナジーなど、より規模の小さい探鉱会社はレアアー ス資産に磨きをかけている。

ペンガナ・キャピタル(メルボルン)で11億ドル(約900億円) 相当の運用を手掛けるリック・ロンジ氏は「まさに時流に乗った投資 だ」と指摘。「このような投資はほとんどが市場参入の手段として利用 されてきた」と語る。

豪ライナスは今年の世界のレアアース市場の規模が78億ドルと、 小売り最大手、米ウォルマート・ストアーズの約1週間分の売上高に匹 敵するとの推計を示した。レアアースの戦略的な重要性から、中国の輸 出削減により他国との政治的緊張が高まっている。レアアースはトヨタ 自動車のハイブリッド車「プリウス」やカナダのリサーチ・イン・モー ション(RIM)製のスマートフォン(多機能携帯端末)「ブラックベ リー」のほか、再生可能エネルギーや軍事関連機器にも利用されてい る。

ドイツのブリューデレ経済技術相は、レアアース供給の確保は「極 めて重要」との見解を示した。米国防総省はレアアースを確保する計画 に関する報告書を今月、議会に提出する予定。中国は、資源を無駄にし 環境を破壊する効率の悪い鉱山を閉鎖するために輸出を削減する必要が あると主張している。

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