日経平均3日ぶり小反発、円高修正で輸出高い-銀行安値

東京株式相場は、日経平均株価が 3営業日ぶりに小反発。ドル・円相場が円安方向で推移し、収益不安 の後退で自動車や機械、電機など輸出関連株が高い。中でも、上期の 好業績を確認した富士重工業、日本電産の急伸が目立った。

一方、将来の収益や株式需給悪化への根強い懸念を映し、銀行株 が下落。東証1部33業種の銀行指数は年初来安値を更新し、TOPI Xの下落寄与度1位だった。証券や電気・ガス、陸運といった内需関 連、石油や非鉄金属、鉄鋼など資源・素材関連の一角も下げ、相場全 体の上値を抑えた。

日経平均株価の終値は前日比9円65銭(0.1%)高の9387円3銭。 一方、TOPIXは同0.18ポイント(0.02%)安の817.76と小安い。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 投資家の期待感が後退している現在の日本株は「好材料には反応が鈍 く、ネガティブな材料に敏感に反応する傾向がある」と指摘。自国の 利益を守るために、必死に主張する海外諸国とは対照的に、「日本は外 交面で弱腰で、内向きの権力闘争に明け暮れており、海外投資家の日 本株への関心低下につながっている」と話した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が次回の米連邦公開市場委員会 (FOMC)で米国債の購入拡大を発表すれば、インフレが加速する との観測が広がる中、26日に米国の10年債利回りが約1カ月ぶりの 水準に上昇したことで、為替市場ではドル売り圧力が後退した。東京 時間27日は、1ドル=81円台後半まで円安方向に動いた。

為替採算の悪化懸念が薄れ、輸出関連株に朝方から買いが先行。 東証1部売買代金上位ではファナックやトヨタ自動車、ソニー、ホン ダ、TDK、コマツなどが上げた。水戸証券の吉井豊投資情報部長に よると、「円高修正の動きをきっかけに、世界的に見た日本株の出遅れ 感を意識した投資家の買いも入った」という。

EPS推移見極め、午後は香港下げも影響

もっとも、26日の米国株相場が小動きだったこともあり、投資家 のリスク許容度が大きく高まる状況にはなかった。決算発表期を迎え たが、TOPIXの予想EPS(1株当たり純利益)は現状ほぼ横ば い。水戸証の吉井氏は、「今週末の決算発表ピークを受けたEPSの増 減を見極めたい」と話している。

またこの日午後は、香港ハンセン指数が下げ基調を強めたことを 受け、日本株への影響を警戒する格好で株価指数先物に大口の売りが 出て、日経平均も下げに転じる場面があった。カブドットコム証券の 山田勉マーケットアナリストは、「香港を中心にアジア株が総じて弱含 んでいたことが、センチメントに逆風に働き、円高修正によるプラス 面の評価を打ち消しまった」と見ていた。

米国の金融当局が11月2-3日に開催する連邦公開市場委員会 (FOMC)で打ち出すと見られる量的金融緩和策を受け、「金利や為 替を中心とした金融市場がどういった反応をするか見極めてからでな いと、投資家はまともに動けない」と、山田氏は言う。

銀行や鉄鋼は弱い

三菱UFJフィナンシャル・グループが年初来安値を更新したほ か、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグルー プの3大金融グループがそろって安い。4-9月の連結純利益が前年 同期比21%減となったマネックスグループなど証券株も下落。このほ か、東京電力は6日続落で年初来安値を更新、公募増資の新株を手に した投資家の換金売りが続いている。

銀行株については、与信コストの低下で足元の業績は回復傾向に あるが、「デフレが続く日本では利ざや拡大による根本的な収益改善を 期待し難い。構造的な問題を抱えているため、継続的に売りが出てい る」と、トヨタアセットの浜崎氏は指摘していた。また、香港で新規 上場を控えるAIAグループ株を購入する資金をねん出するため、日 本の金融機関の保有株を売却する動きも出ていたもようだ。

米保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) の主要アジア部門、AIAグループが29日に香港証券取引所に新規株 式公開する。AIAの公開規模は約1383億香港ドル(178億米ドル= 約1兆4500億円)で、香港市場での新規公開としては過去最大となる。

新日本製鉄が年初来安値を更新するなど、鉄鋼株も弱い。生産量 で米最大の鉄鋼会社、USスチールの7-9月決算が最終赤字に落ち 込み、鉄鋼業界の収益環境の厳しさが懸念された。

東証1部の売買高は概算で17億3669万株、売買代金は1兆2413 億円。騰落銘柄数は値上がり670、値下がり804。

富士重や日電産、花王高い

個別では、4-9月の連結純利益が前回計画比91%増の440億円 になったもようの富士重が急伸。4-9月の連結営業利益が前年同期 比82%増となったほか、独自動車大手ダイムラーに電気自動車(EV) 基幹部品の駆動用モーターを供給する、と27日付の日本経済新聞朝刊 が伝えた日電産も大幅高。2011年3月期の連結純利益が従来の減益予 想から一転、増益になる見通しの新神戸電機、11年3月期利益予想の 増額と、自社株買いの方針を示した花王も買われた。

半面、11年3月期の連結営業損益が従来の黒字予想から一転、赤 字になると前日発表した有沢製作所17%安と、東証1部の下落率1位。 10年12月期の連結純利益予想を従来計画比7.5%減の185億円とした シマノも安い。4-9月の連結業績予想を上方修正したが、今月20 日 の日経新聞の観測報道を下回る内容となった三井化学も売られた。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.2%高の46.91、東 証マザーズ指数は0.2%安の350.91と小動き。個別では、ユビキタス、 fonfunが買われ、スタートトゥデイ、さくらインターネットも 高い。半面、アズジェント、クルーズ、田中化学研究所が下げ、そー せいグループ、日本風力開発が安い。

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