10月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが高い、米緩和観測でインフレ期待上昇

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロに対して上昇。米連 邦準備制度理事会(FRB)が国債購入を拡大することで、インフ レが加速するとの観測が背景にある。

英ポンドはすべての主要通貨に対して上昇した。7-9月(第 3四半期)の英国内総生産(GDP)が、エコノミスト予想の2倍 のペースで拡大したことや、米格付け会社スタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)が、同国の格付け見通しを引き上げたことに反 応した。円はドルに対して下落。日本が輸出企業を保護するため、 円売り介入を再開するとの見方が広がった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マー ク・チャンドラー氏は、「FRBの行動が奏功するとの見方から、イ ンフレ期待が上昇している」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルはユーロに対して前日比

0.8%高の1ユーロ=1.3855ドル(前日は1.3965ドル)。ドルは 円に対して0.8%高の1ドル=81円49銭(同80円81銭)。前日 は同80円41銭と、1995年4月以来の安値を付けた。ユーロ は円 に対してほぼ変わらずの1ユーロ=112円89銭(同112円85銭)。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.8%上げて77.687。量的緩和として知られる米当 局による米国債購入の拡大でドルの価値が下落するとの観測を背景 に、今月に入ってからは1.2%下げている。次回の米連邦公開市場 委員会(FOMC)は11月2-3日に開催される。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は前日、現在のインフレ水準 と9.6%にある失業率は「容認できない」とあらためて指摘。その 上で、バランスシート拡大が「完ぺき」な手法でないにしても、F RBは行動を取る必要があると言明した。

インフレ見通しの指標であり、ブレークイーブンレートとして 知られる米10年債利回りと同年物のインフレ連動債(TIPS)の 利回り格差は2.19ポイントと、5月18日以来の最大に拡大した。

英ポンドはドルに対して0.7%高の1ポンド=1.5840ドル、 ユーロに対しては1.5%高の1ユーロ=87.46ペンス。S&Pは、 英国の格付け見通しを引き上げるとともに、最上級格付け「AAA」 を据え置いた。ポンド上昇の背景には、英GDP統計の発表を受け、 イングランド銀行が量的緩和を来月に再開するとの懸念が後退した ことも挙げられる。

英経済

英政府統計局(ONS)が発表した7-9月のGDP速報値(季 節調整済み)は前期比0.8%増加。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト35人の予想中央値は0.4%増だった。4-6月(第2四半 期)は1.2%増。

BNPパリバは、英GDP発表後もなおポンドに対する弱気な 見方を維持するとし、ポンドが持ち直すなか同通貨の売りを勧めた。

BNPパリバの通貨戦略グローバル責任者、ハンスギュンタ ー・レデカー氏(ロンドン在勤)は、英経済は減速しイングランド 銀行は景気を支援するため来年、早ければ多分2月にも国債購入プ ログラムを再開する可能性があると指摘した。同社はポンドがドル に対して年末までに1ポンド=1.54ドルに下落するとの見通しを 維持した。

円は下落

円はドルに対して下落。仙谷由人官房長官は26日午後の会見で、 勝栄二郎財務事務次官と同日会談し、今後の世界経済や為替の動き などについて意見交換したことを明らかにした。円は日本政府が6 年半ぶりに介入に踏み切った9月15日以降、5%以上値上がりして いる。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニ ア為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「対円での ドル高により、日本銀行にかかる圧力は幾分取り除かれる」と指摘。 「彼らは先の行動で批判を存分に受けたため、新たな介入の実施に は慎重だろう」と述べた。

◎米国株:売り優勢、キンバリーやUSスチールなど決算不振

米株式市場では売りが優勢。消費者信頼感指数は上昇したものの、 キンバリー・クラークやUSスチールなどの決算が振るわなかった ことから生活必需品株を中心に失望売りが出た。

消費者向け紙製品メーカーのキンバリー・クラークが安い。原材 料コストの増加で減益決算となったことが嫌気された。USスチール も値下がり。同社の7-9月(第3四半期)決算は、修復コストの影 響で純損益が予想外の赤字となった。一方、IBMは上昇。取締役会 が自社株買いの100億ドル増額を承認したことを受けて買い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比ほぼ変わらずの1185.64。ダウ 工業株30種平均は5.41ドル(0.1%未満)上昇の11169.46ド ル。米証券取引所全体での騰落比率は7対8。

ルーミス・セイレス(ミシガン州ブルームフィールドヒルズ)の ファンドマネジャー、ディーン・グリス氏は、「USスチールなどい くつか指標となる企業で、決算がやや期待外れな内容となった」と指 摘。「利益環境はこれまでよりも明るさがやや薄れており、これまで 大幅に上昇してきただけに、投資家はこれをポジション縮小の機会に 利用している」と述べた。

4日続伸

S&P500種は前日まで4営業日続伸。米連邦準備制度理事会 (FRB)が来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で国債の買 い増しを発表するとの見方が広がったことなどが背景にある。同指数 は8月末以降、13%上昇している。

ウォール街のストラテジストは、投資配分における株式の推奨比 率を低下させている。ブルームバーグのデータによれば、現在の株式 推奨比率は平均で57.7%。9月は60%、7月と8月は61%だった。

著名投資家のマーク・ファーバー氏は26日、ブルームバーグテレ ビジョンのインタビューで、「調整の機はとっくに熟した」と指摘。 量的緩和の規模への失望や米中間選挙がきっかけとなり、相場が下落 する可能性があるとの見方を示した。

その上で、「弱気相場がすぐそこまで来ているとは考えていない」 とし、「調整局面では買いの機会があるだろう」と述べた。

USスチール、IBM

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した10月の消費 者信頼感指数は50.2と、前月の48.6から上昇した。現在は雇用が 十分にあるとの回答者の比率は3.5%と、年初来の最低を記録。6カ 月後の所得増を見込んでいる割合は9.1%と、2009年4月以来の最 低だった。

生産量で米最大の鉄鋼会社、USスチールは3.4%安の40.85 ドル。同社の第3四半期決算は、純損益が予想外の赤字となった。 8600万ドルの修復コストが響いた。為替差益と資産売却の一時利益を 除いたベースでは、1株損失は1.21ドル。ブルームバーグがまとめ たアナリスト11人の予想平均は23セントの利益だった。

キンバリー・クラークは5.8%安の62.61ドル。同社の第3四 半期決算は、原材料コストの上昇が響き19%減益となった。

IBMは0.6%高の140.67ドル。同社は取締役会が自社株買い プログラムを新たに100億ドル増額することを承認したと発表。これ により、承認された自社株買いの残高は123億ドルになる。

◎米国債:インフレ期待上昇、TIPSとの利回り差拡大

米国債市場のインフレ期待は5カ月ぶり高水準に上昇した。トレ ーダーの間では米連邦準備制度理事会(FRB)による国債買いで消 費者物価の上昇が誘発されるとの見方が広がった。

米10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格 差は拡大。FRBがインフレを誘発できるとの投資家の見方が反映 された。一方で、この日の2年債入札(350億ドル)では需要が過 去の平均を上回った。金融当局の取り組みでは景気が早急にフルス ピードを取り戻すことはないとの見方が背景にある。

ウェルズ・ファーゴで約30億ドルの債券運用に携わるジェ イ・ミューラー氏は、「インフレは低過ぎ、インフレ加速が望まし いとのFRBの声には耳を傾けなくてはならない」と指摘。「TI PS市場はこれを深刻に受け止めている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時32分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.641%。一時は9月21日 以来の高水準となる2.6448%まで上げた。同年債価格(表面利率

2.625%、償還期限2020年8月)は21/32下げて99 27/32。

2年債利回りは3bp上げて0.39%。30年債利回りは一時 10bp上げて4.01%だった。米国債の投資リターンは今月に入っ て0.02%のマイナスとなっている。月間ベースでは今年3月以来 初のマイナス。

10年債と同年限TIPSの利回り格差は2.18ポイント。一 時は5月18日以来最大となる2.19ポイントをつけた。

2年債入札

2年債入札後も国債は軟調に推移した。財務省は今週、計 1090億ドルの国債入札を実施する。

財務省が実施した2年債入札の結果によると、最高落札利回り は0.400%と過去最低となり、入札直前の市場予想の0.409%を 下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.43倍と、過去 10回の平均値3.2倍を上回った。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレ クター、ジェーソン・ローガン氏は、「最も強くインフレを確信し ている市場参加者でさえ、来年にそれが現実に起こるとは考えてい ない」と述べた。

間接入札者の落札全体に占める割合は40%と6月以来の最大 に達した。前回9月の入札では間接入札が39%だった。

回復軌道に懸念

ジェフリーズ・グループの米ドルデリバティブ取引責任者、ク リスチャン・クーパー氏は低い利回りについて、「今後の回復軌道 を引き続き懸念していることを示している」と指摘。「量的緩和は 雇用見通しに何らかの有効的な改善をもたらすのかどうか、もしそ うであれば雇用の改善または信頼感の向上がメーンストリートの回 復につながるのはいつなのか、市場参加者は疑問を投げかけている」 と話した。

財務省は27日に5年債(350億ドル)、28日に7年債 (290億ドル)の入札を実施する。

FRBはこの日、住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を米 国債に再投資するプログラムの一環として、25億ドル相当の国債を 買い取った。

◎NY金:小反落、ドル上昇で代替需要が後退-終値1338.60ドル

ニューヨーク金先物相場は小反落。ドルが堅調となり、代替投 資としての需要が弱まった。

ドルは主要通貨バスケットに対して最大で0.9%上昇した。9 月14日以降、金は5.3%上昇。一方、ドルは4.1%下げている。

リンド・ウォルドック(シカゴ)の市場担当シニアストラテジ スト、アダム・クロフェンシュタイン氏は「ドルが逆風になってお り、金は上昇基調を再開できない状態だ」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比30セント安の1オンス=1338.60ドルで 終えた。一時は0.8%下げた。過去最高値は14日につけた

1388.10ドル。

◎NY原油:小幅高-消費者信頼感の上昇好感もドル反発が圧迫

ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。消費者信頼感の上 昇が明らかになった一方、ドルが円やユーロに対して上昇したこと に圧迫された。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した10月の 消費者信頼感指数は50.2と、前月の48.6から上昇。これを受け て原油には買いが入った。その一方で、日本の当局による円売り介 入への警戒からドルが対円で15年ぶり安値から上昇に転じ、原油 は0.9%安まで売り込まれる場面もあった。ドル相場の上昇は商品 投資の魅力を低下させる。

コンサルティング会社、プレステージ・エコノミクス(テキサ ス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は、「消費者信 頼感指数はプラスの数字だっただけでなく、予想を上回った」と指 摘。「これが相場の支えになったのは間違いない。また、この先も ドルと株価から目を離せない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は 前日比03セント(0.04%)高の1バレル=82.55ドルで終了し た。過去1年間では4.9%の値上がり。

◎欧州株:下落、UBSやアルセロールミタルが安い

欧州株式相場は下落。スイスの銀行UBSが発表した四半期決 算で投資銀行部門が予想外の赤字だったほか、鉄鋼メーカー、アル セロールミタルが減益を予想していることが嫌気された。

UBSは5%安。同銀は債券、通貨、商品部門の収入が前四半 期比で減少した。アルセロールミタルも5%下落。10-12月(第 4四半期)について「慎重な見方」をあらためて示した。独ソフトウ エアは上昇。通期利益予想の引き上げが好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の266.92で終了 した。

オクトパス・インベストメンツ(ロンドン)のロタール・メン テル最高投資責任者(CIO)は、「金融機関にとってはこの先一 段と厳しい時期がくる」と述べ、「長期的な投資資金は銀行には振 り向けないだろう」と続けた。

10月7日以降に四半期決算を発表したストックス欧州600 指数銘柄の企業66社のうち、46社(70%)で1株当たり利益が 予想を上回った。

ストックス600指数の銀行株指数は0.8%安。

アルセロールミタルは第4四半期のEBITDA(利払い・税 金・減価償却・償却控除前利益)を15億-19億ドルと見込んでい るが、ブルームバーグがまとめたアナリスト12人の平均予想(24 億4000万ドル)は下回っている。

◎欧州債:独債が下落、輸入物価指数の上昇で-ギリシャ債も下げ

欧州債市場ではドイツ国債が下落。ドイツの輸入物価指数が2カ 月連続で上昇したことから需要が後退した。

独2年債の利回りは約半年ぶり高水準に上昇。10年債利回りも 約2カ月ぶり高水準付近となった。9月のドイツ輸入物価指数は前月 比で0.3%上昇。前年同月比では9.9%上昇となった。ギリシャ債も 下落。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) が、同国が3年以内にデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がある と指摘したことが嫌気された。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「ドイツ国債は輸入物 価指数の発表後、若干下落した」とし、「10年債利回りは2.5%の 水準付近でしっかりとしたサポートが見られるが、短期的に大きく上 昇するのは難しい。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、市場 は様子見している状況だ」と述べた。

ロンドン時間午後3時59分現在、ドイツ10年債の利回りは前 日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.51%。 一時2.519%と、8月10日以来の高水準まで上げる場面もあった。 同年債(表面利率2.25%、2020年9月償還)価格は0.50下げて

97.78。2年債利回りは5bp上昇し1.01%。一時1.036%を付け た。ブルームバーグのデータによれば、これは4月12日以来の高水 準。

ギリシャ10年債利回りは33bp上昇の9.76%と、8日以来の 高水準。独10年債との利回り格差は26bp拡大し、717bpとなっ た。

◎英国債:下落、予想の倍のGDP伸び率で-10年債利回り3.06%

英国債相場は下落。7-9月(第3四半期)の英国内総生産(G DP)がエコノミスト予想の2倍のペースで拡大したことに反応した。

各国中央銀行が景気回復の持続を支援するため、量的緩和として 知られる資産購入プログラムを通じ追加の刺激措置を実施するかどう かを協議しているなか、英GDPは主要7カ国(G7)の中で先陣を 切っての発表となった。

英10年債利回りは前日比14ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の3.06%。2年債利回りは8bp上昇の0.72%。 一時は0.74%と、9月21日以来の高水準を付ける場面もあった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替ストラテジスト、ニ ール・メラー氏(ロンドン在勤)は、「英GDP統計は極めて重要だ。 市場心理においてこれは明確に量的緩和の可能性を後退させる」と指 摘。「しかしながら、これは単一の統計に過ぎず、イングランド銀行 はこの統計に基づいて追加緩和の排除を決定することはない。彼らは 成長が持続可能であるとする証拠をさらに求めるだろう」と述べた。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の今年のリターンは9.7%と、ドイ ツ国債の8.3%、米国債の8.8%を上回っている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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