10月26日の米国マーケットサマリー:ドル上昇、米インフレ期待で

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3852 1.3965 ドル/円 81.47 80.81 ユーロ/円 112.85 112.85

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,169.46 +5.41 +.0% S&P500種 1,185.64 +.02 +.0% ナスダック総合指数 2,497.29 +6.44 +.3%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .39% +.03 米国債10年物 2.64% +.08 米国債30年物 4.00% +.09

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,338.60 -.30 -.02% 原油先物 (ドル/バレル) 82.59 +.07 +.08%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロに対して上昇。米 連邦準備制度理事会(FRB)が国債購入を拡大することで、イン フレが加速するとの観測が背景にある。

英ポンドはすべての主要通貨に対して上昇した。7-9月(第 3四半期)の英国内総生産(GDP)が、エコノミスト予想の2倍 のペースで拡大したことや、米格付け会社スタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)が、同国の格付け見通しを引き上げたことに反 応した。円はドルに対して下落。日本が輸出企業を保護するため円 安誘導を目指して介入を再開するとの見方が広がった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マー ク・チャンドラー氏は、「FRBの行動が奏功するとの見方から、 インフレ期待が上昇している」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時16分現在、ドルはユーロに対して 前日比0.9%高の1ユーロ=1.3836ドル(前日は1.3965ド ル)。ドルは円に対して1%高の1ドル81円62銭(同80円81 銭)。前日は同80円41銭と、1995年4月以来の安値を付けた。 ユーロは円に対してほぼ変わらずの1ユーロ=112円90銭(同 112円85銭)。

◎米国株式市場

米株式市場では売りが優勢。消費者信頼感指数は上昇したもの の、キンバリー・クラークやUSスチールなどの決算が振るわなか ったことから生活必需品株を中心に失望売りが出た。

消費者向け紙製品メーカーのキンバリー・クラークが安い。原 材料コストの増加で減益決算となったことが嫌気された。USスチ ールも値下がり。同社の7-9月(第3四半期)決算は、修復コス トの影響で純損益が予想外の赤字となった。一方、IBMは上昇。 取締役会が自社株買いの100億ドル増額を承認したことを受けて買 い進まれた。

ニューヨーク午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指 数は前日比ほぼ変わらずの1185.64。ダウ工業株30種平均は

5.41ドル(0.1%未満)上昇の11169.46ドル。米証券取引所 全体での騰落比率は約7対8。

ルーミス・セイレス(ミシガン州ブルームフィールドヒルズ) のファンドマネジャー、ディーン・グリス氏は「USスチールなど いくつか指標となる企業で、決算がやや期待外れな内容となった」 と指摘。「利益環境はこれまでよりも明るさが若干弱まっており、 これまで大幅に上昇してきただけに、投資家はこれをポジション縮 小の機会に利用している」と述べた。

◎米国債市場

米国債市場のインフレ期待は5カ月ぶり高水準に上昇した。ト レーダーの間では米連邦準備制度理事会(FRB)による国債買い で消費者物価の上昇が誘発されるとの見方が広がった。

米10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格 差は拡大。FRBがインフレを誘発できるとの投資家の見方が反映 された。一方で、この日の2年債入札(350億ドル)では需要が過 去の平均を上回った。金融当局の取り組みでは景気が早急にフルス ピードを取り戻すことはないとの見方が背景にある。

ウェルズ・ファーゴで約30億ドルの債券運用に携わるジェ イ・ミューラー氏は、「インフレは低過ぎ、インフレ加速が望まし いとのFRBの声には耳を傾けなくてはならない」と指摘。「TI PS市場はこれを深刻に受け止めている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後3時19分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.641%。一時は9月21日 以来高水準の2.643%まで上げた。同年債価格(表面利率

2.625%、償還期限2020年8月)は5/8下げて99 7/8。

2年債利回りは3bp上げて0.39%。30年債利回りは8b p上げて3.99%だった。一時は10月15日以来最高の4%をつけ る場面もあった。米国債の投資リターンは今月に入って0.02%の マイナス。今年3月以来初のマイナスとなっている。

10年債と同年限TIPSの利回り格差は2.18ポイント。一 時は5月18日以来最大となる2.19ポイントをつけた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は小反落。ドルが堅調となり、代替投 資としての需要が弱まった。

ドルは主要通貨バスケットに対して最大で0.9%上昇した。9 月14日以降、金は5.3%上昇。一方、ドルは4.1%下げている。

リンド・ウォルドック(シカゴ)の市場担当シニアストラテジ スト、アダム・クロフェンシュタイン氏は「ドルが逆風になってお り、金は上昇基調を再開できない状態だ」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比30セント安の1オンス=1338.60ドルで 終えた。一時は0.8%下げた。過去最高値は14日につけた

1388.10ドル。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。消費者信頼感の上 昇が明らかになった一方、ドルが円やユーロに対して上昇したこと に圧迫された。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した10月の 消費者信頼感指数は50.2と、前月の48.6から上昇。これを受け て原油には買いが入った。その一方で、日本の当局による円売り介 入への警戒からドルが対円で15年ぶり安値から上昇に転じ、原油 は0.9%安まで売り込まれる場面もあった。ドル相場の上昇は商品 投資の魅力を低下させる。

コンサルティング会社、プレステージ・エコノミクス(テキサ ス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は、「消費者信 頼感指数はプラスの数字だっただけでなく、予想を上回った」と指 摘。「これが相場の支えになったのは間違いない。また、この先も ドルと株価から目を離せない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は 前日比03セント(0.04%)高の1バレル=82.55ドルで終了し た。過去1年間では4.9%の値上がり。

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