米国債:インフレ期待上昇、TIPSとの利回り差拡大

米国債市場のインフレ期待は 5カ月ぶり高水準に上昇した。トレーダーの間では米連邦準備制度 理事会(FRB)による国債買いで消費者物価の上昇が誘発される との見方が広がった。

米10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格 差は拡大。FRBがインフレを誘発できるとの投資家の見方が反映 された。一方で、この日の2年債入札(350億ドル)では需要が過 去の平均を上回った。金融当局の取り組みでは景気が早急にフルス ピードを取り戻すことはないとの見方が背景にある。

ウェルズ・ファーゴで約30億ドルの債券運用に携わるジェ イ・ミューラー氏は、「インフレは低過ぎ、インフレ加速が望まし いとのFRBの声には耳を傾けなくてはならない」と指摘。「TI PS市場はこれを深刻に受け止めている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時32分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.641%。一時は9月21日 以来の高水準となる2.6448%まで上げた。同年債価格(表面利率

2.625%、償還期限2020年8月)は21/32下げて99 27/32。

2年債利回りは3bp上げて0.39%。30年債利回りは一時 10bp上げて4.01%だった。米国債の投資リターンは今月に入っ て0.02%のマイナスとなっている。月間ベースでは今年3月以来 初のマイナス。

10年債と同年限TIPSの利回り格差は2.18ポイント。一 時は5月18日以来最大となる2.19ポイントをつけた。

2年債入札

2年債入札後も国債は軟調に推移した。財務省は今週、計 1090億ドルの国債入札を実施する。

財務省が実施した2年債入札の結果によると、最高落札利回り は0.400%と過去最低となり、入札直前の市場予想の0.409%を 下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.43倍と、過去 10回の平均値3.2倍を上回った。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレ クター、ジェーソン・ローガン氏は、「最も強くインフレを確信し ている市場参加者でさえ、来年にそれが現実に起こるとは考えてい ない」と述べた。

間接入札者の落札全体に占める割合は40%と6月以来の最大 に達した。前回9月の入札では間接入札が39%だった。

回復軌道に懸念

ジェフリーズ・グループの米ドルデリバティブ取引責任者、ク リスチャン・クーパー氏は低い利回りについて、「今後の回復軌道 を引き続き懸念していることを示している」と指摘。「量的緩和は 雇用見通しに何らかの有効的な改善をもたらすのかどうか、もしそ うであれば雇用の改善または信頼感の向上がメーンストリートの回 復につながるのはいつなのか、市場参加者は疑問を投げかけている」 と話した。

財務省は27日に5年債(350億ドル)、28日に7年債 (290億ドル)の入札を実施する。

FRBはこの日、住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を米 国債に再投資するプログラムの一環として、25億ドル相当の国債を 買い取った。

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