NY外為:ドルが高い、米緩和観測でインフレ期待上昇

ニューヨーク外国為替市場では ドルがユーロに対して上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が国 債購入を拡大することで、インフレが加速するとの観測が背景にあ る。

英ポンドはすべての主要通貨に対して上昇した。7-9月(第 3四半期)の英国内総生産(GDP)が、エコノミスト予想の2倍 のペースで拡大したことや、米格付け会社スタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)が、同国の格付け見通しを引き上げたことに反 応した。円はドルに対して下落。日本が輸出企業を保護するため、 円売り介入を再開するとの見方が広がった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略世界責任者、マー ク・チャンドラー氏は、「FRBの行動が奏功するとの見方から、イ ンフレ期待が上昇している」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルはユーロに対して前日比

0.8%高の1ユーロ=1.3855ドル(前日は1.3965ドル)。ドルは 円に対して0.8%高の1ドル=81円49銭(同80円81銭)。前日 は同80円41銭と、1995年4月以来の安値を付けた。ユーロ は円 に対してほぼ変わらずの1ユーロ=112円89銭(同112円85銭)。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.8%上げて77.687。量的緩和として知られる米当 局による米国債購入の拡大でドルの価値が下落するとの観測を背景 に、今月に入ってからは1.2%下げている。次回の米連邦公開市場 委員会(FOMC)は11月2-3日に開催される。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は前日、現在のインフレ水準 と9.6%にある失業率は「容認できない」とあらためて指摘。その 上で、バランスシート拡大が「完ぺき」な手法でないにしても、F RBは行動を取る必要があると言明した。

インフレ見通しの指標であり、ブレークイーブンレートとして 知られる米10年債利回りと同年物のインフレ連動債(TIPS)の 利回り格差は2.19ポイントと、5月18日以来の最大に拡大した。

英ポンドはドルに対して0.7%高の1ポンド=1.5840ドル、 ユーロに対しては1.5%高の1ユーロ=87.46ペンス。S&Pは、 英国の格付け見通しを引き上げるとともに、最上級格付け「AAA」 を据え置いた。ポンド上昇の背景には、英GDP統計の発表を受け、 イングランド銀行が量的緩和を来月に再開するとの懸念が後退した ことも挙げられる。

英経済

英政府統計局(ONS)が発表した7-9月のGDP速報値(季 節調整済み)は前期比0.8%増加。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト35人の予想中央値は0.4%増だった。4-6月(第2四半 期)は1.2%増。

BNPパリバは、英GDP発表後もなおポンドに対する弱気な 見方を維持するとし、ポンドが持ち直すなか同通貨の売りを勧めた。

BNPパリバの通貨戦略グローバル責任者、ハンスギュンタ ー・レデカー氏(ロンドン在勤)は、英経済は減速しイングランド 銀行は景気を支援するため来年、早ければ多分2月にも国債購入プ ログラムを再開する可能性があると指摘した。同社はポンドがドル に対して年末までに1ポンド=1.54ドルに下落するとの見通しを 維持した。

円は下落

円はドルに対して下落。仙谷由人官房長官は26日午後の会見で、 勝栄二郎財務事務次官と同日会談し、今後の世界経済や為替の動き などについて意見交換したことを明らかにした。円は日本政府が6 年半ぶりに介入に踏み切った9月15日以降、5%以上値上がりして いる。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニ ア為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「対円での ドル高により、日本銀行にかかる圧力は幾分取り除かれる」と指摘。 「彼らは先の行動で批判を存分に受けたため、新たな介入の実施に は慎重だろう」と述べた。

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