カタールの英クリスティーズ買収検討、美術品収集と文化拠点目指す

カタールが美術品競売の英クリ スティーズ・インターナショナルを買収すれば、同国は世界の美術品市 場の中東の拠点となる可能性があると、美術品ディーラーらはみてい る。

ディーラーらによると、カタールのハマド・ビン・ハリファ・サー ニ首長は既に、クリスティーズなどの競売会社から美術品の購入を進め ている。豊富な原油埋蔵量を誇るカタールは、英高級百貨店ハロッズや ロンドン中心部の不動産も買収している。英紙フィナンシャル・タイム ズ(FT)は、ハマド首長がクリスティーズ買収に関心を示している可 能性があると報じた。カタールによる同社買収の可能性については数カ 月前から観測が広がっていた。

クリスティーズはフランスの資産家フランソワ・ピノー氏が所有す る。同氏の持ち株会社、アルテミス・グループが1998年5月に12億ド ル(約970億円)で買収。今年上期(1-6月)の美術品売上高は前年 同期比46%増の17億1000万ポンド(約2200億円)だった。同社の中 東事業の拠点であるドバイでの絵画や腕時計、宝飾品の売上高は2370 万ドルに上った。

ファインアート・ファンド(ロンドン)のフィリップ・ホフマン最 高経営責任者(CEO)はインタビューで「カタールがクリスティーズ に関心を示す理由は3つある」と指摘。「美術品市場の長期的価値を求 めていること、経済の多様化を目指していること、そして助言を必要と していることだ」と語る。

クリスティーズの支配権を握れば、カタールは文化的な目的地とし ての地位を高めることができる。カタールは液化天然ガス(LNG)の 世界最大の生産国。ハマド首長はフィナンシャル・タイムズ紙に対し、 クリスティーズは「わが国の博物館に収蔵するために収集している美術 品とつながりがある」と述べた。同紙によると、正式な交渉には入って いないという。

活発な買い手

ホフマン氏によると、カタール王室は過去5年間、厳選された高額 な欧米の近代・現代美術作品の活発な買い手だった。ホフマン氏はクリ スティーズの元ディレクターで、同氏のファンドは中東の芸術家の作品 にも重点を置いている。

美術専門紙、アート・ニュースペーパーが2008年5月に報じたと ころによると、ハマド首長と夫人は07年5月、米サザビーズがニュー ヨークで開催したオークションで米画家マーク・ロスコ作の抽象画「ホ ワイト・センター(イエロー、ピンク、アンド・ラベンダー・オン・ロ ーズ)」を7280万ドルで落札した。この価格は戦後の美術作品として は過去最高値を記録した。

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