アジア証取間のM&A観測高まる-シンガポール取引所のASX買収で

香港とマレーシアの証券取引所 の株価は25日、急伸した。シンガポール取引所によるオーストラリ ア証券取引所を運営するASXの買収を受けて、アジア市場で合併・ 買収(M&A)の観測が高まったためだ。

シンガポール取引所はASXに総額84億豪ドル(約6720億円) を支払うことで合意。これを嫌気して、シンガポール取引所の株価は 2年ぶり大幅安となった。一方、アジア3位の株式市場である香港証 券取引所を運営する香港取引所は2008年1月以来の高値に上昇。マ レーシア証券取引所を運営するブルサ・マレーシアは3月以来の大幅 高となった。

ブルームバーグのデータによると、電子取引業者との競争激化や 投資家の手数料引き下げ要求に促され、世界の証券取引所の間では 07年1月以来、米NYSEグループによる欧州のユーロネクスト買 収や米ナスダック・ストック・マーケットによる北欧のOMX買収を 含め、少なくとも680億米ドル(約5兆5000億円)の買収が実現し た。香港、マレーシアの両取引所は25日、提携を検討する方針を明 らかにした。

ブルサ・マレーシアのユスリ・モハメド・ユソフ最高経営責任者 (CEO)は電子メールで、「ASXとシンガポール取引所の合併計 画で投資家の関心がアジアに一層引き寄せられる可能性がある」との見 方を示した。

「新たな波」

香港取引所の25日株価終値は前週末比4.9%高の181.90香港ド ル。時価総額は253億米ドル。予想株価収益率(PER)は37倍と、 少なくとも09年9月以来で最高の水準。同取引所は今年に入り、ハ ノイ、韓国の両証券取引所と情報を共有することで合意している。

シンガポールに次ぐ東南アジア2位の証券取引所を運営するブル サ・マレーシアの25日株価終値は前週末比4.6%高の8.62リンギッ ト。時価総額は14億8000万米ドル。予想株価収益率は33倍。

台湾証券取引所のシニアバイスプレジデント、マイケル・リン氏 は25日、台北から電話取材に応じ、「専門的技術など特定の分野で 他の取引所と協力する」意向を示した。たた、目先は海外での買収を 目指す公算は小さいとしている。

ティコンデロガ・セキュリティーズのニューヨーク在勤アナリス ト、クリストファー・アレン氏は「新たなM&Aの波がいずれ起きる 見込みだが、ペースはずっと遅くなるだろう」と予想。「米国に拠点 を置く取引所をみると、そのすべてがアジアへの進出を望んでいる。 アジアは急速に成長している市場だ」とも指摘した。

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