日本株は小幅続落、円高警戒し輸出安い-証券は下落率1位

東京株式相場は小幅続落。ドル・ 円相場が1ドル=80円台と約15年半ぶりの円高値圏にあり、収益の先 行き不安から輸送用機器や精密機器、機械など輸出関連株に売りが優勢 だった。株式相場低迷による収益環境の厳しさが懸念され、証券株は東 証1部33業種の下落率1位。

日経平均株価の終値は前日比23円78銭(0.3%)安の9377円38 銭、TOPIXは同3.29ポイント(0.4%)安の817.94。

一方、原油など海外商品市況の上昇を好感し、JXホールディング スなど石油、鉱業株は上昇。円高メリット業種の電気・ガスも堅調に推 移し、相場全体を下支えした。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長は、「円が対ド ルで80円を割り込み、史上最高値を更新することへの警戒感がある」 と指摘。ただ、世界的な流動性相場の中にあって、「出遅れ感が強く、 PBR(株価純資産倍率)1倍割れ銘柄が数多くある日本株には一定の 買いも入る」と話していた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が11月2-3日に開く次回の米 連邦公開市場委員会(FOMC)で追加的な金融緩和に踏み切るとの観 測が根強く、ドル売りの流れが続いている。きょうの東京外国為替市場 では、円が対ドルで80円台後半で推移。対ユーロでも112円台後半と、 前日午後3時時点と比べ円高水準にあり、為替採算の悪化懸念から輸送 用機器や精密機器、電機、機械、ゴム製品といった輸出関連株は昨日に 続き売りに押された。個別では、トヨタ自動車やキヤノン、コマツ、フ ァナックなどが下げた。

気迷いは指数こう着、売買低水準に表れる

ただ、一段の円高進行局面では日本の通貨当局による為替介入の可 能性も残り、一方的に売り込みにくい中、輸出関連でもソニーや京セラ が上昇するなど投資家の気迷いもうかがえた。立花証券の平野憲一執行 役員は、電機セクターを中心に主要輸出企業では円高対応力が進んでお り、「新興国需要の取り込みによる売り上げ拡大もあって、下期の業績 モメンタム鈍化が軽微で済むとの期待もある」と言う。

気迷いは指数の変動率(ボラティリティ)にも表れ、日経平均のヒ ストリカルボラティリティ(10日)は25日、過去半年の最低水準圏で ある15%台に落ち込んできた。

こうしたなかで、野村ホールディングスなど証券株の下げが目立っ た。平野氏は、前日に東証1部の売買高が約1か月ぶりの低水準に落ち 込むなど、「薄商いが続いていることで、証券会社の売買手数料収益の 低減を懸念した売り」が出たと見ていた。前日発表した4-9月期の純 利益が、6月以降に個人投資家の動きが低調になった影響で前年同期比 18%減ったカブドットコム証券は5%超の急落。

資源関連は終日堅調、先物に大口買い

一方、ドル下落で代替資産としての商品投資が活発になり、25日 のニューヨーク商業取引所では原油先物相場が前週末比1%高の1バレ ル=82.52ドルと続伸。収益へのプラス寄与が期待されるJXHD、A OCホールディングス、国際石油開発帝石など資源関連株の一角は上昇 した。円高が原燃料仕入れコスト低減につながる中部電力など電力株も 高い。

東証1部の売買高は概算で15億4008万株、売買代金は1兆815億 円。騰落銘柄数は値下がり881、値上がり603。

また、午後零時50分すぎに日経平均先物にまとまった買いが入っ たことをきっかけに、日経平均はプラス圏に浮上、一時53円高まで上 げた。大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所の西村由美次長 によると、「これから相次ぐ決算への期待から、実需の買いが先物に入 った可能性もある」という。ただ、その後買いは続かず、大引けにかけ て再度弱含んだ。

キヤノンMやSMKに売り、東洋電は急騰

個別では、顧客のIT投資抑制で、2010年12月期の業績予想を下 方修正したキヤノンマーケティングジャパン、11年3月期の連結純利 益予想を引き下げたフジテックが急落。急激な円高による為替差損の計 上などで、11年3月期の連結純損益が一転赤字見込みとなった日本金 属工業、足元の円高進行などを理由に11年3月期の連結売上高見通し を引き下げたSMKも売られた。

半面、日立製作所と海外向けの鉄道車両用電機品事業で業務・資本 提携を結んだ東洋電機製造が急騰。半導体や液晶製造装置向けピラフロ ン製品の受注が増え、4-9月の連結純利益が従来予想比2.4倍の13 億円になったもようの日本ピラー工業、クレディ・スイス証券が投資判 断を新規「アウトパフォーム」としたステラケミファも買いを集めた。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.4%高の46.83、東 証マザーズ指数は0.7%安の351.56。個別では、4-9月業績が従来予 想を下回ったもようの遠藤製作所が売られ、11年3月期の業績計画を 減額修正した光波も安い。半面、4-9月の連結営業損益が一転、黒字 に転じたもようと発表したJCLバイオアッセイがストップ高(値幅制 限いっぱいの上昇)となり、4-9月業績が従来予想を上回ったカイノ スも買われた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE