長期金利一時0.905%に上昇、米長期債続落を嫌気-入札控え2年安い

債券市場で長期金利は一時0.905% と今月8日以来の水準まで上昇した。米国市場で長期債相場が続落し たことが嫌気されたほか、あすに入札を控えている2年ゾーンも軟調 となった。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは、「円高・株安では あるものの、前日の米国債相場が若干売られたことや来週に米連邦公 開市場委員会(FOMC)を控え積極的に動きづらく、上値が重くな っている。FOMCでの追加緩和をいったん織り込んでいるが、実際 に内容がどうなるか読み切れない面もある」と述べた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の311回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.90%で始まり、直後 に横ばいの0.895%に戻した。その後は水準を切り上げ、一時1bp高 い0.905%と8日以来、約3週間ぶりの高水準を付けた。そこでは買 いが入り、午後に入ると0.5bp高い0.90%で推移している。

日興コーディアル証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、「円 高基調ながら、来週11月2、3日のFOMCや今週28日の日銀展望 リポート(経済・物情勢の展望)発表を控えて動きづらい。10年債利 回りは0.905%では押し目買いが入ったが、0.8%台まで買う向きもい ない」と述べた。

長期金利が一時0.905%まで上昇したが、投資家の潜在需要は旺 盛とみられ、過度な金利上昇懸念は出ていない。RBS証券の徐瑞雪 債券ストラテジストは、「10年債利回りの0.9%台では買い意欲がうか がえるため、結果として狭いレンジ取引を意識せざるを得ない」と説 明していた。

現物債市場では、30年債が堅調。新発30年物の33回債利回りは 前日比0.5bp低い1.92%に低下している。大和住銀投信投資顧問の伊 藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、「生命保険が中期債を売 って30年債を買う動きがあった。一方、都市銀行が10年債を売って 中期債を買ったようだ」と話した。

25日の米国債市場で長期債相場は続落。米10年債利回りは前週 末比1bp高い2.56%程度。5年物インフレ連動国債の入札を受けて、 将来の物価上昇の可能性が意識され、売りがやや優勢となった。

一方、東京先物市場で中心限月12月物は143円台前半から半ばで もみ合った。前日比2銭高の143円44銭で始まった後、売りが優勢と なり、10銭安の143円32銭まで下げた。しかしその後は買いが入っ てプラス圏に値を戻し、6銭高まで上昇したが、結局は横ばいの143 円42銭で引けた。

あす2年債入札

財務省は27日に2年国債入札を実施する。表面利率(クーポン) は、前回債と同じ0.1%が予想されている。あす午前の相場が調整す れば0.1ポイント高い0.2%となる可能性もある。発行額は2兆6000 億円程度。

今回の2年債入札について、日銀が5日に決めた追加金融緩和策 を受けて市場環境が良好なことから、波乱なく通過できるとの見方が 多い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテ ジストは、消化に不安はなく、順調な入札結果になると予想する。

また、HSBC証の白石氏は、「金融緩和策の強い時間軸の下で、 日銀の物価見通しを踏まえると、現行の2年債利回りはやや売られ過 ぎではないか」と話した。前回入札された2年物の297回債利回りは 一時0.14%まで上昇した。これは新発2年債として、9月以来の高い 水準。

日興コーディアル証の山田氏は、「入札を控えて売られた。日銀の 包括的な金融緩和策以前の水準まで調整している。金融緩和策の時間 軸が長期化していることを考えると、入札も心配ないだろう」と言う。

--取材協力:赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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