英HSBC:SRI債引き受け10億ドル乗せ-日本市場で外資のトップ

英銀HSBCが日本市場で引き受け 主幹事などを務めた個人投資家向けの社会的責任投資(SRI)債券の 発行残高が、9月末までの累計で10億ドル(約810億円)の大台に乗せ た。同種債券では外資系のトップ。世界の貧困など社会的課題への関わ りを実績で示し、個人金融資産の獲得競争で差別化を図る狙いだ。

SRI債には、各国の長期寄付金計画を裏付けに国際機関が発行体 となり途上国での予防接種に必要な資金を先取りする「ワクチン債」や 環境関連の「グリーン債」などがある。2008年3月に日本初のワクチン 債を扱った大和証券によると、主なSRI債の発行累計額は4248億円で 大半が個人向け。主幹事別でHSBCは大和に次ぐ2位となっている。

HSBC証券の立沢賢一社長(47)はインタビューで、SRI債に ついて「高金利に魅力を感じる層に加え、趣旨に賛同する若い女性など 従来投資に縁のなかった層も取り込んでいる」と指摘した。国内金利が 定期預金で1%以下と低いなかで、新興国通貨で発行されるSRI債に は為替リスクはあるものの、金利は6-9%と高いのが特徴だ。

立沢社長は同社のCSR(企業の社会的責任)活動への深い取り組 みや英国系としての新興国でのネットワークが、SRI債の商品作りに 生きているとした上で、他社との「差別化は大切」と強調した。大和の まとめによると、SRI債は08年の初めての起債以降、09年までは計7 本だった商品数が、10年はすでに18本と急増している。

リテラ・クレア証券投資情報部の井原翼顧問は、SRI債に力を入 れるHSBCの動きについて「先進的なテーマで面白い。停滞する市場 を刺激してほしい」と独自の戦略を評価した。その上で「個人資産の獲 得という点では、市場が低迷している現時点での効果は限定的かもしれ ないが、市場が動き出した時に生きてくるだろう」とみている。

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