イラク通貨「米軍撤退で価値30倍も」と勧誘-トラブル多発で注意喚起

米軍が撤退方針を決め、経済復 興が見込まれるイラクの通貨でひともうけ-。こんな歓誘文句で、イ ラクの通貨ディナールを公式レートの数十倍の交換比率で購入を持ち かけるトラブルが多発しており、国民生活センターが注意を呼び掛け ている。

同センターのウェブサイトによると、近畿地方在住の50代の男性 は、「イラクからアメリカ軍が撤退すれば、ディナールの貨幣価値は 20-30倍にまで上がる」などと業者から電話で勧められ、2万5000 ディナール(約21ドル)を10万円(約1239ドル)で購入する契約 をした。男性は約200万円分を指定された銀行口座に振り込み、ディ ナール札が送付されたが、後日、円への再両替を依頼したところ、 「今はできない」と断られたという。

「多くの場合、交換レートが非常に悪いのが特徴」と同センター で相談業務を担当する加藤良太氏は話す。「現在、日本にはイラクデ ィナールを取り扱っている銀行はないため、再び円に両替することは 非常に難しい」という。

イラク中央銀行のウェブサイトによると、2009年初頭以降、1ド ル=1170ディナールで取引されている。イラク政府の広報担当者は今 年4月、イラクディナールと米ドルとの連動をやめるつもりはないと 話した。

加藤氏によると、イラクディナールの投資被害に関する問い合わ せは、今年9月末までの9カ月間で368件と昨年1年間の4件から大 幅に増えた。実際に金を支払ったのは202人で1人当たりの支払い金 額の平均は350万円だったといい、中には1人で2000万円を払った 人もいた。

加藤氏は、増加の背景には米国がイラクからの撤退方針を決めた ことで、経済復興への期待の高まりがあると述べた上で、「こうした 投資話が詐欺であるかどうかをいう立場にないが、換金性の低い通貨 による取引には十分に気をつけてほしい」と話した。

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