10月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル下落、80円台-米量的緩和の観測変わらず

ニューヨーク外国為替市場ではドルが円に対して15年ぶりの安 値に下落。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が「通 貨安競争」の回避を公約したものの、米連邦準備制度理事会(F RB)が国債購入の拡大を発表し、ドルの価値が下落するとの見方 は弱まらなかった。

ドルは主要16通貨中15通貨に対して下落。量的緩和により、利 回りの高い資産が支えられるとの見方が背景にある。英ポンドは円に 対して2009年2月以来の安値となった。英国の住宅ローン承認件数 が減少したことで、イングランド銀行(英中央銀行)が国債購入を増 やすとの観測が強まった。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は、「すべての通貨をみ た場合、弱いのはドルとポンドだ」と指摘。「量的緩和を協議してい るのはまさにこの2カ国だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対して1ドル80円 82銭(前週末は81円38銭)。一時は1.2%安の同80円41銭と 1995年4月以来の安値を付ける場面もあった。ドルはユーロに対し て1ユーロ=1.3966ドル(同1.3954ドル)。15日には1.4159 ドルと1月26日以来の安値を付けた。ユーロは円に対して0.6%安 の1ユーロ=112円87銭(同113円53銭)。

中古住宅販売

9月の米中古住宅販売がエコノミスト調査の予想中央値を上回っ たことがきっかけで、ドルはユーロに対して下げ渋った。中古住宅販 売件数(季節調整済み、年換算)は前月比10%増の453万戸となっ た。

モントリオール銀行の為替トレーダー責任者、フィラス・アスカ リ氏(トロント在勤)は、「相場を動かしているのは米経済統計だ」 と指摘。「ユーロをこうした高値水準で買うのは難しい」と述べた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.4%下げて77.160。先週は0.6%上昇していた。

ドル指数は6月30日以降10%下げている。FRBが景気浮揚に 向け量的緩和措置として知られる国債購入を拡大するとの観測が強ま ったことが背景にある。FRBは11月2-3日に開く次回の米連邦 公開市場委員会(FOMC)会合で政策を決定する。

英ポンドは円に対して一時0.9%安の1ポンド=126円46銭と、 ほぼ2年ぶりの安値水準を付けた。イングランド銀行が量的緩和を拡 大するとの観測がきっかけ。先進国10通貨の動向を示すブルームバ ーグ相関加重通貨指数によると、ポンドは7月30日以降5.1%安。 ドルは5.4%値下がりしている。

スウェーデン・クローナと円

スウェーデン・クローナはユーロに対して3週間ぶりの高値に上 昇。ドルに対してはほぼ2年ぶりの高値となった。同国の中央銀行が 26日の政策決定会合で利上げを実施するとの観測が背景にある。

クローナはユーロに対して一時0.6%高の1ユーロ=9.1837ク ローナと、1日以来の高値となった。ドルに対しては0.6%高の1ド ル=6.5835クローナ。15日には08年9月以来の高値となる同

6.5161クローナまで上昇していた。

円はドルに対して、日本政府が為替介入に踏み切った9月15日 の水準である1ドル=82円88銭よりも円高水準で推移した。東芝の 佐々木則夫社長は、さらなる円高に備えて1ドル=70円を想定した 経営体制の構築を進めると表明したと、25日の日本経済新聞電子版 が伝えた。

◎米国株:上昇、G20通過でFRBの追加緩和観測が高まる

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は4営業日続伸となっ た。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「通貨安 競争」の回避が表明され、米連邦準備制度理事会(FRB)が来週 の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で国債の買い増しを発表す るとの見方が広がったことが背景。

デュポンやクラフト・フーズ、ウォルト・ディズニーが高い。米 銀シティグループは、ゴールドマン・サックス・グループが「コンビ クション・バイ(強い買い推奨)」リストに加えたことを手掛かりに 値上がり。通信機器メーカーのコムスコープは大幅高。同社は身売り についてプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社の米カ ーライル・グループと交渉したと発表した。事務用品小売りオフィ ス・デポは暫定決算が市場予想を上回ったことが好感され、買い進ま れた。

S&P500種株価指数は前週末比0.2%高の1185.62。ダウ 工業株30種平均は31.49ドル(0.3%)上昇し11164.05ドル。

GMGディフェンシブ・ベータ・ファンドの共同運用責任者で、 ゲーリー・ゴールドバーグ・ファイナンシャル・サービシズの社長を 務めるオリバー・パーシュ氏は、「世界の中央銀行が市場の下支えを 表明したも同然だ。景気が二番底に陥るリスクは現時点ではほぼゼロ だ」とした上で、「FRBが市場を支える、国債を買い増すと発表し たところで、トレーダーらがこれに逆らうことはないだろう」と述べ た。

企業決算

ブルームバーグのデータによれば、S&P500種の構成銘柄で7 日以降に発表された第3四半期決算のうち、86%余りで1株当たり利 益がアナリスト予想を上回った。

8月以降、主要6通貨に対するドル指数が7.3%低下した一方、 S&P500種は13%上昇している。FRBが20日発表した地区連銀 経済報告(ベージュブック)では、米国の景気は9月から10月初め にかけて総じて「緩やかなペース」で拡大し、加速の兆候はほとんど 見られなかったことが示された。

UBSのチーフ投資ストラテジスト、ケルビン・テイ氏は、G20 財務相・中央銀行総裁会議では「現状維持が再確認された。今後はF RBとイングランド銀行、日本銀行が量的緩和に動く可能性が高い」 と指摘。最近の株価上昇については、「8月27日のバーナンキFR B議長の講演以降、ドルがすべての主要通貨に対し大幅に下げている ことが主に影響している」と分析した。バーナンキ議長は同日、ワイ オミング州ジャクソンホールでのスピーチで、FOMCが景気回復の 継続を確実にするため、「あらゆる可能な手段を講じる」と表明。成 長が減速した場合に取り得る選択肢を明らかにした。

デュポン、クラフト

米3位の化学品メーカー、デュポンは1.9%高の47.70ドル。 ダウ工業株30種平均では値上がり率最大となった。

世界2位の食品会社クラフトは1.8%高の32.47ドル。資産家 ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、規制 当局に対し、クラフト株は回復が見込まれるとし、持ち分の評価額引 き下げは行わない方針を当局に伝えていた。

メディア最大手のディズニーは1.4%上昇し、35.46ドル。

シティは2.4%上げて4.21ドル。ゴールドマンは、シティ株に ついて5.50ドルとの予想を示した。これは、先週末の終値4.11ド ルを34%上回る水準。

コムスコープは30%急伸し30.16ドル。同社によれば、カーラ イルはコムスコープの発行済み全株式を1株当たり31.50ドル、総額 30億ドルで取得する可能性がある。

オフィス・デポ

オフィス・デポは3.5%高の4.79ドル。同社の7-9月(第3 四半期)暫定決算は、損益が1株当たり約18セントの黒字(税効果 に伴う1株当たり15セントの利益を含む)だった。アナリスト予想 は同1セントの赤字だった。同社はまた、スティーブ・オドランド会 長兼最高経営責任者(CEO)が11月1日付で辞任すると発表。ニ ール・R・オーストリアン氏が暫定会長兼CEOを務める。

◎米国債:TIPS入札、初のマイナス利回り-インフレ期待

米財務省が実施した5年物インフレ連動債(TIPS)入札は、 落札利回りが初めてマイナスとなった。投資家が米連邦準備制度 理事会(FRB)はインフレ誘発に成功すると予想していること が示唆された。

5年物TIPSの入札(発行額100億ドル、追加発行)の結果 によると、最高落札利回りはマイナス0.550%を記録した。ブルー ムバーグがまとめたプライマリーディーラー(政府証券公認ディー ラー)7社の予想平均と一致した。新発債は4月発行の銘柄(110 億ドル)と統合される。通常の米国債は上げを失った。

ドイツ銀行の金利ストラテジスト、アレックス・リ氏(ニュー ヨーク在勤)は、「金融緩和を通じてFRBがある程度のインフレを 誘発できるとの市場参加者の期待が示されている」と述べ、「通常の 利回りが非常に低いので、TIPSとの高い利回り格差を狙うには、 5年債TIPSでマイナスの落札利回りが必要になる」と説明した。

TIPSは消費者物価指数(CPI)の変動に応じて、元本が 調整される。TIPSの利回りは通常の国債よりも低く、通常の国 債とTIPSの利回り格差はブレークイーブンレートと呼ばれる。

5年物TIPS

国債局の広報担当官マケイラ・バーデン氏によると、入札で落 札利回りがマイナスを記録できるのはTIPSだけだ。通常の国債 はマイナス利回りで発行されない。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・ リンジェン氏は、マイナス落札利回りは、「利回りの全体状況を映し 出している。さらにインフレ誘発や物価上昇に対するFRBへの期 待も含まれている。結果的には景気にとってインフレ誘発や物価上 昇はプラスに働くだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査によると、2010年の インフレ率は1.6%が予想されている。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時24分現在、30年債利回りは前営業日比2ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)低下の3.91%。一時は7bp下 げて3.86%をつけた。10年債利回りは1bp上げて2.56%。一時 は2.49%まで低下する場面もあった。

金融緩和の正当性

バーナンキ議長は15日、インフレ率が低過ぎるほか、失業率は 高過ぎる状態にあることから、一段の金融緩和が正当化される可能 性があるとの認識を示した。食品とエネルギーを除く9月のCPI コア指数は前年同月比で0.8%上昇と、1961年以来で最低だった。

金融政策当局者は通常、インフレ加速を懸念するが、大恐慌以 来で最悪のリセッションを経験して以来、物価の下落がより大きな 懸念事項となった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの金利ストラテジスト、キー ス・ブラックウェル氏は「さらなる金融緩和策観測で、短期的なデ フレ不安の可能性は著しく緩和された。FRBはインフレ期待値の 引き上げに注力している」と述べた。

TIPS入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.84 倍と、前回の3.15倍を下回った。過去10度の平均値は2.38倍と なっている。

前回4月26日の5年物TIPS入札では落札利回りはプラス

0.550%だった。

財務省は26日に2年債(350億ドル)、27日に5年債(350 億ドル)、28日に7年債(290億ドル)の入札を実施する。

◎NY金:反発、ドル安で代替投資に需要-終値1338.90ドル

ニューヨーク金先物相場は反発。ドルが下落したため、代替投 資としての需要が高まった。

ドルは主要通貨バスケットに対して最大1%下落。韓国・慶州 で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は 23日、通貨安競争を回避することを盛り込んだ共同声明を採択して 閉幕した。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加の国債 購入に踏み切り、ドルの価値が低下するとの懸念は弱まらなかった。

ユーロ・パシフィック・キャピタル(ニューヨーク)のシニア エコノミスト、マイケル・ペント氏は、「FRBはドルがもはや逃 避通貨ではないことを世界に示した」と指摘。「今度、危機が起こ れば、投資家は商品や貴金属の所有に基づいた逃避先を模索すべき だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前週末比13.80ドル(1%)高の1オンス=

1338.90ドルで終えた。中心限月としては13日以来の大幅高。

◎NY原油:続伸、ドル下落で-仏製油所は一部操業再開へ

ニューヨーク原油先物相場は続伸。ドルが対円で15年ぶり安 値に沈み、代替資産としての原材料投資が活発になった。

週末に韓国・慶州で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・ 中央銀行総裁会議は、通貨安競争の回避を盛り込んだ共同声明を採 択したものの、市場のドル先安観は変わらず。ドルの下落を背景に、 原油は一時2%高まで買い進まれた。フランスではストを決行して いた製油所3カ所が操業再開を決定した。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピ ニオンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「きょうの値 動きはドルが材料になっている」と指摘。「今週は引き続きドル主 導の展開となるだろう。株式からも目が離せない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は 前営業日比83セント(1.02%)高の1バレル=82.52ドルで終 了した。過去1年間では2.5%の値上がり。

◎欧州株:上昇、G20受けFRBの追加緩和観測-鉱業株高い

欧州株式相場は上昇。資源株を中心に買いが入った。20カ国・ 地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を受け、米連邦準備制度理 事会(FRB)が来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩 和策を発表するとの観測が強まった。

英・オーストラリア系鉱業大手のリオ・ティントとスイスのエ クストラータは値上がり。G20で「通貨安競争」の回避を表明した もののドルが下げ、金属相場が上昇したことが材料。フランスの高 級ブランド、エルメス・インターナショナルは大きく上昇。仏同業 LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンがエルメス株17%の取得 で合意したことが好感された。

一方、銀行株は軟調に推移。イタリアのバンコ・ポポラーレが 株主割当増資の実施計画を発表したことで、他の金融機関も増資が 必要になるとの観測が強まった。

ストックス欧州600指数は前週末比0.3%高の267.42で終了。

チャールズ・スタンレー(ロンドン)の調査責任者、ジェレミ ー・バットストーンカー氏は「市場はG20での声明をプラスと解釈 したが、大した変化は見られない」と指摘。来週のFOMCで「量 的緩和が発表されなければ、大きな失望を招きかねない」と述べた。

リオ・ティントは2.5%高の4208ペンス。エクストラータは

2.7%上げて1324ペンス。エルメスは15%高の202.85ユーロと なった。

バンコ・ポポラーレは5.6%下げて4.06ユーロ。ストックス 欧州600指数の銀行株指数は、19業種中で最大の下げとなった。

◎欧州債:独国債が上昇、米GDP統計控え量的緩和観測が強まる

欧州債市場ではドイツ国債が上昇。今週発表の経済統計で米経 済成長率が平均未満にとどまっていることが示されるとの見方から、 米連邦準備制度理事会(FRB)が新たな国債購入プログラムを開 始するとの観測が強まった。

独2年債利回りは9営業日ぶりに低下した。ゴールドマン・サ ックス・グループは、FRBが景気刺激に向け2兆ドル(約160兆 円)相当の資産を購入するとの見通しを示した。この日発表された ユーロ圏鉱工業新規受注がエコノミスト予想の2倍以上の伸びを示 した後も、独国債は上昇した。ベルギー10年債も上昇。同国はこの 日27億5000万ユーロ規模の同年債入札を実施した。ベルギー10 年債の同年物ドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は過 去1週間で最小に縮小した。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の資本市場戦略担当 アシスタントディレクター、オーランド・グリーン氏は、「刺激策に 関連した話題が依然として非常に注目されており、これが引き続き 相場を支えている」と述べた。

ロンドン時間午後3時37分現在、ドイツ2年債利回りは前営業 日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.96%。 21日には1.008%まで上昇し、4月12日以来の高水準を付けてい た。独10年債利回りは2bp低下の2.45%。先週は10bp上昇 した。

◎英国債:上昇、10年債利回りは4bp下げて2.91%

英国債相場は上昇。10年債利回りは前営業日比4ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)低下の2.91%。同年債価格(表面 利率4.75%、償還期限2020年3月)は0.31上昇して、114.96。 2年債利回りはほぼ変わらずの0.63%。

10年債の同年限ドイツ国債に対する上乗せ利回りは1bp下 げて47bpだった。今週は銀行を通じた2040年償還債(表面利率

4.25%)の売却を控えており、30年債が比較的振るわない。英10 年債と30年債の利回り格差はほぼ変わらずの112bp。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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