10月25日の米国マーケットサマリー:株が上昇、追加緩和期待で

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3966 1.3954 ドル/円 80.79 81.38 ユーロ/円 112.83 113.53

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,164.05 +31.49 +.3% S&P500種 1,185.62 +2.54 +.2% ナスダック総合指数 2,490.85 +11.46 +.5%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .36% +.01 米国債10年物 2.56% +.00 米国債30年物 3.91% -.02

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,338.90 +13.80 +1.04% 原油先物  (ドル/バレル) 82.26 +.57 +.70%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが円に対して15年ぶりの 安値に下落。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が 「通貨安競争」の回避を公約したものの、米連邦準備制度理事会 (FRB)が国債購入の拡大を発表し、ドルの価値が下落するとの 見方は弱まらなかった。

ドルは大半の主要通貨に対して下落。量的緩和により、利回り の高い資産が支えられるとの見方が背景にある。英ポンドは円に対 して2009年2月以来の安値となった。英国の住宅ローン承認件数 が減少したことで、イングランド銀行(英中央銀行)が国債購入を 増やすとの観測が強まった。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社 FOREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)の チーフストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は、「すべての通 貨をみた場合、弱いのはドルとポンドだ」と指摘。「量的緩和を協 議しているのはまさにこの2カ国だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時25分現在、ドルは円に対して1ド ル80円82銭(前週末は81円38銭)。一時は1.2%安の同80 円41銭と1995年4月以来の安値を付ける場面もあった。ドルは ユーロに対して1ユーロ=1.3987ドル(同1.3954ドル)。15 日には1.4159ドルと1月26日以来の安値を付けた。ユーロは円 に対して0.4%安の1ユーロ=113円03銭(同113円53銭)。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は4営業日続伸とな った。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「通貨 安競争」の回避が表明され、米連邦準備制度理事会(FRB)が来 週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で国債の買い増しを発表 するとの見方が広がったことが背景。

デュポンやクラフト・フーズ、ウォルト・ディズニーが高い。 米銀シティグループは、ゴールドマン・サックス・グループが「コ ンビクション・バイ(強い買い推奨)」リストに加えたことを手掛 かりに値上がり。通信機器メーカーのコムスコープは大幅高。同社 は身売りについてプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資 会社の米カーライル・グループと交渉したと発表した。事務用品小 売りオフィス・デポは決算が市場予想を上回ったことが好感され、 買い進まれた。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前週末比0.2%高の1185.62。ダウ工業株30種平均は

31.49ドル(0.3%)上昇し11164.05ドル。

GMGディフェンシブ・ベータ・ファンドの共同運用責任者で、 ゲーリー・ゴールドバーグ・ファイナンシャル・サービシズの社長 を務めるオリバー・パーシュ氏は、「世界の中央銀行が市場の下支 えを表明したも同然だ。景気が二番底に陥るリスクは現時点ではほ ぼゼロだ」とした上で、「FRBが市場を支える、国債を買い増す と発表したところで、トレーダーらがこれに逆らうことはないだろ う」と述べた。

◎米国債市場

米財務省が実施した5年物インフレ連動債(TIPS)入札は、 落札利回りが初めてマイナスとなった。投資家が米連邦準備制度理 事会(FRB)はインフレ誘発に成功すると予想していることが示 唆された。

5年物TIPSの入札(発行額100億ドル、追加発行)の結 果によると、最高落札利回りはマイナス0.550%を記録した。ブル ームバーグがまとめたプライマリーディーラー(政府証券公認ディ ーラー)7社の予想平均と一致した。新発債は4月発行の銘柄 (110億ドル)と統合される。通常の米国債は上げを失った。

ドイツ銀行の金利ストラテジスト、アレックス・リ氏(ニュー ヨーク在勤)は、「金融緩和を通じてFRBがある程度のインフレ を誘発できるとの市場参加者の期待が示されている」と述べ、「通 常の利回りが非常に低いので、TIPSとの高い利回り格差を狙う には、5年債TIPSでマイナスの落札利回りが必要になる」と説 明した。

TIPSは消費者物価指数(CPI)の変動に応じて、元本が 調整される。TIPSの利回りは通常の国債よりも低く、通常の国 債とTIPSの利回り格差はブレークイーブンレートと呼ばれる。

5年物TIPS

国債局の広報担当官マケイラ・バーデン氏によると、入札で落 札利回りがマイナスを記録できるのはTIPSだけだ。通常の国債 はマイナス利回りで発行されない。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・ リンジェン氏は、マイナス落札利回りは、「利回りの全体状況を映 し出している。さらにインフレ誘発や物価上昇に対するFRBへの 期待も含まれている。結果的には景気にとってインフレ誘発や物価 上昇はプラスに働くだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後3時42分現在、30年債利回りは前営業日比3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)低下の3.9%。一時は7bp下 げて3.86%をつけた。10年債利回りは2.55%。一時は2.49% まで低下する場面もあった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ドルが下落したため、代替投 資としての需要が高まった。

ドルは主要通貨バスケットに対して最大1%下落。韓国・慶州 で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は 23日、通貨安競争を回避することを盛り込んだ共同声明を採択して 閉幕した。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加の国債 購入に踏み切り、ドルの価値が低下するとの懸念は弱まらなかった。

ユーロ・パシフィック・キャピタル(ニューヨーク)のシニア エコノミスト、マイケル・ペント氏は、「FRBはドルがもはや逃 避通貨ではないことを世界に示した」と指摘。「今度、危機が起こ れば、投資家は商品や貴金属の所有に基づいた逃避先を模索すべき だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前週末比13.80ドル(1%)高の1オンス=

1338.90ドルで終えた。中心限月としては13日以来の大幅高。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続伸。ドルが対円で15年ぶり安 値に沈み、代替資産としての原材料投資が活発になった。

週末に韓国・慶州で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・ 中央銀行総裁会議は、通貨安競争の回避を盛り込んだ共同声明を採 択したものの、市場のドル先安観は変わらず。ドルの下落を背景に、 原油は一時2%高まで買い進まれた。フランスではストを決行して いた製油所3カ所が操業再開を決定した。

エネルギー顧問会社、オイル・アウトルックス・アンド・オピ ニオンズ(ヒューストン)のカール・ラリー社長は、「きょうの値 動きはドルが材料になっている」と指摘。「今週は引き続きドル主 導の展開となるだろう。株式からも目が離せない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は 前営業日比83セント(1.02%)高の1バレル=82.52ドルで終 了した。過去1年間では2.5%の値上がり。

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