NY外為:ドル下落、80円台-米量的緩和の観測変わらず

ニューヨーク外国為替市場では ドルが円に対して15年ぶりの安値に下落。20カ国・地域(G20)財 務相・中央銀行総裁会議が「通貨安競争」の回避を公約したものの、 米連邦準備制度理事会(FRB)が国債購入の拡大を発表し、ドルの 価値が下落するとの見方は弱まらなかった。

ドルは主要16通貨中15通貨に対して下落。量的緩和により、利 回りの高い資産が支えられるとの見方が背景にある。英ポンドは円に 対して2009年2月以来の安値となった。英国の住宅ローン承認件数 が減少したことで、イングランド銀行(英中央銀行)が国債購入を増 やすとの観測が強まった。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社F OREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチー フストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は、「すべての通貨をみ た場合、弱いのはドルとポンドだ」と指摘。「量的緩和を協議してい るのはまさにこの2カ国だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対して1ドル80円 82銭(前週末は81円38銭)。一時は1.2%安の同80円41銭と 1995年4月以来の安値を付ける場面もあった。ドルはユーロに対して 1ユーロ=1.3966ドル(同1.3954ドル)。15日には1.4159ドル と1月26日以来の安値を付けた。ユーロは円に対して0.6%安の1 ユーロ=112円87銭(同113円53銭)。

中古住宅販売

9月の米中古住宅販売がエコノミスト調査の予想中央値を上回っ たことがきっかけで、ドルはユーロに対して下げ渋った。中古住宅販 売件数(季節調整済み、年換算)は前月比10%増の453万戸となっ た。

モントリオール銀行の為替トレーダー責任者、フィラス・アスカ リ氏(トロント在勤)は、「相場を動かしているのは米経済統計だ」 と指摘。「ユーロをこうした高値水準で買うのは難しい」と述べた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.4%下げて77.160。先週は0.6%上昇していた。

ドル指数は6月30日以降10%下げている。FRBが景気浮揚に 向け量的緩和措置として知られる国債購入を拡大するとの観測が強ま ったことが背景にある。FRBは11月2-3日に開く次回の米連邦公 開市場委員会(FOMC)会合で政策を決定する。

英ポンドは円に対して一時0.9%安の1ポンド=126円46銭と、 ほぼ2年ぶりの安値水準を付けた。イングランド銀行が量的緩和を拡 大するとの観測がきっかけ。先進国10通貨の動向を示すブルームバー グ相関加重通貨指数によると、ポンドは7月30日以降5.1%安。ド ルは5.4%値下がりしている。

スウェーデン・クローナと円

スウェーデン・クローナはユーロに対して3週間ぶりの高値に上 昇。ドルに対してはほぼ2年ぶりの高値となった。同国の中央銀行が 26日の政策決定会合で利上げを実施するとの観測が背景にある。

クローナはユーロに対して一時0.6%高の1ユーロ=9.1837ク ローナと、1日以来の高値となった。ドルに対しては0.6%高の1ド ル=6.5835クローナ。15日には08年9月以来の高値となる同

6.5161クローナまで上昇していた。

円はドルに対して、日本政府が為替介入に踏み切った9月15日の 水準である1ドル=82円88銭よりも円高水準で推移した。東芝の 佐々木則夫社長は、さらなる円高に備えて1ドル=70円を想定した経 営体制の構築を進めると表明したと、25日の日本経済新聞電子版が伝 えた。

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