ポンド安、最悪期はこれから-量的緩和で紙幣増刷の見通し

英ポンドは、7月以降でドルよ りも大きな下げを記録している唯一の主要通貨だが、為替ストラテジ ストらはポンドの最悪期はこれからだと指摘する。

ポンドは主要9通貨のバスケットに対し、先週の1.29%下落も 含めて計4.74%下げている。ブルームバーグが集計したデータによ れば、ストラテジストによるポンドの対ユーロ相場予想は、5月に保 守党と自由民主党による連立政権が誕生して以来最も悲観的になって いる。

ポンドの下落は、主要20カ国・地域(G20)で最大の財政赤字 を縮小するため英史上最大の歳出削減を公約したキャメロン首相が成 長回復を成し遂げられるかについて、投資家が信頼感を失いつつある ことを示唆している。スイスの銀行UBSによると、首相が公約した 2015年までの810億ポンド(約10兆3000億円)の支出削減に伴い、 イングランド銀行(中央銀行)のキング総裁は新たなリセッション(景 気後退)入りを回避するため、いわゆる量的緩和を通じた紙幣増刷を 余儀なくされ、これがポンド需要を圧倒する見通しだ。

ポンドの対ドル相場が先週の1ポンド=1.5682ドルから来年6 月までに1.40ドルに低下すると予想する仏銀BNPパリバの通貨戦 略グローバル責任者、ハンスギュンター・レデカー氏(ロンドン在勤) は「財政再建は、景気が減速している時期に英経済へ打撃を与えるだ ろう。このような情勢の下では金融緩和が必要であり、これが為替相 場を下げる」と説明した。

今週発表のGDP統計が鍵

為替取引でドイツ銀行に次いで2位のUBSは21日、顧客に対 し、特にスイス・フラン、オーストラリア・ドル、ノルウェー・クロ ーネに対してポンドを売るよう勧めた。モルガン・スタンレーのスト ラテジストらは、英景気回復が一段と鈍化するか、英中銀当局者が一 段の信用緩和措置を示唆した場合、ポンドは先週の1ユーロ=88.94 ペンスから93ペンスまで下落する可能性があると指摘した。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、ティム・デービス、カ ルビン・チェ両氏は21日のリポートで、今週発表される英7-9月 (第3四半期)国内総生産(GDP)統計が、「英中銀が11月に量的 緩和に踏み出すかどうかを決める上で鍵となるだろう」と述べた。

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