G20の「通貨安競争」回避声明の効果に市場は懐疑的-ドル反発期待薄

【記者:Simon Kennedy、Shamim Adam】

10月25日(ブルームバーグ):20カ国・地域(G20)財務相・中 央銀行総裁会議は輸出促進を目的とした通貨安競争の回避を表明。中 国に人民元上昇ペース加速の容認を促す新たな方策の具体化を各国首 脳に委ねた。

G20当局者は成長を押し上げるため通貨安を利用することで貿 易戦争に発展しかねないとの懸念を鎮めようする中、「通貨安競争」を 回避し、より市場ベースの為替相場を追求すること盛り込んだ声明を 採択して23日に協議を終えた。また、米国が提案した数値目標の採用 は見送ったものの、経常収支をより持続可能な水準に維持することを 求めた。

より広範な合意点を見いだす課題は、来月ソウルで開かれる首脳 会議(サミット)に委ねられた。UBSやウエストパック銀行などの ストラテジストは、今回のG20会合によって最近のドル安に終止符が 打たれ、人民元の上昇ペースが加速する可能性は低いとみている。バ ーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が資産購入拡大を示唆 する中で、当面の市場動向は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC) に左右される公算が大きい。

UBSのグローバル為替戦略責任者、マンスール・モヒウディン 氏は「短期的に緊張は弱まるかもしれないが、長期的には不均衡が残 る」とし、「ドル相場の材料はFRBの量的緩和に移るだろう。人民元 は緩やかな上昇を続ける」と予測した。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、ショーン・キ ャロウ氏(シドニー在勤)はG20の声明について、「人々にドル売り 再開や割安な通貨の買いを思いとどまらせるような内容は見当たらな い」と指摘している。

HSBCの世界為替ストラテジー責任者デービッド・ブルーム氏 は、少なくともサミットまで「通貨戦争」が続くと予想。こうした状 況はドル高を招くのではないかとみている。摩擦が進行していること や、資本規制拡大や保護主義が助長されかねないことから、投資家が リスクの比較的高い通貨への投資を控えるとみられるためだと説明し た。

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