ドルが対円で約15年半ぶり安値-一時80円66銭、米緩和観測根強い

東京外国為替市場では、ドルが 一段安の展開となり、対円では一時1ドル=80円66銭と、1995年4 月以来、約15年半ぶりの安値(円高値)を更新した。20カ国・地域 (G20)財務相・中央銀行総裁会議を通過し、米景気の先行き不透明 感を背景とした追加緩和策が再び意識される中、徐々にドル売りが活発 化する格好となった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレ ジデントは、米国の金融緩和が進む状況のため、具体的な緩和策を確認 するまではドルが売られやすいと指摘。さらに、国内の輸出企業がド ル・円相場の想定レートをドル安・円高方向に修正していると伝わった ことも、「ドル売りに効いている」と説明している。

G20明けの東京市場ではドルが主要16通貨に対してほぼ全面安 の展開が継続。ドルは対ユーロで一時1ユーロ=1.4064ドルと、15 日以来、約1週間ぶりの安値を付けている。

25日付の日本経済新聞電子版が伝えたところによると、東芝の 佐々木則夫社長は同日の世界経営者会議の講演で、さらなる円高に備え て1ドル=70円を想定した経営体制の構築を進めると表明した。

G20からFOMCに焦点移行

G20財務相・中央銀行総裁会議は23日に閉幕し、声明文では 「経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を反映し、より市場で決 定される為替相場システムに移行し、通貨の切り下げ競争を回避する」 と表明。世界経済の回復は「脆弱(ぜいじゃく)であり一様ではない」 と指摘した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部為替課長の 塩入稔氏は、G20では為替相場の動向は市場に任せるとの見解が示さ れており、「無用な介入をするべきではない」ということで、新興国を 中心としたドル買い・自国通貨売りの動きが出にくくなる可能性もある として、ドル売り圧力がかかりやすい状況は変わらないとみている。

また、声明では、「過度の不均衡を削減し、経常収支を持続可能な 水準に維持するため、あらゆる政策を追求する」とし、国際通貨基金 (IMF)が為替と大幅な貿易赤字の監視を強化すると記された。ただ 、経常収支の不均衡是正で目標を設定する米国案については、韓国のソ ウルで開催されるG20首脳会議に議論を先送りされた。

市場の焦点がG20から来週予定されている米連邦公開市場委員会 (FOMC)に移行する中、この日の米国時間には連邦準備制度理事会 (FRB)のバーナンキ議長が住宅金融関連の会合であいさつを行うほ か、当局者の講演が多く控えている。

みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト、 唐鎌大輔氏は、FOMCが気になるとした上で、「要は元のQE(量的 緩和)相場に戻ったということだ」と指摘。少なくともFOMCまでは ドル安の流れが続く可能性が高いとみている。

--取材協力:小宮弘子 Editor:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka

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