日本株は輸出中心反落、G20後も円高警戒-KDDI支え

東京株式相場はトヨタ自動車やキ ヤノン、信越化学工業など輸出関連株中心に反落。20カ国・地域(G 20)財務相・中央銀行総裁会議後の為替市場で、ドル・円相場が1ド ル=80円台後半と15年半ぶりの円高水準まであり、収益懸念の売り が優勢となった。不動産や電力、医薬品株も安い。

半面、自社株買いの実施方針を示したKDDIが急騰。東証1部 33業種ではその他金融や卸売、鉱業も堅調に推移し、相場全般を下支 えした。日経平均株価の終値は前週末比25円55銭(0.3%)安の9401 円16銭、TOPIXは同3.65ポイント(0.4%)安の821.23。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、今週から相次 ぐ国内企業の決算発表について「終わった期の業績上振れを評価した 買いが優勢になるのか、円高進行などを背景に先行きのモメンタム鈍 化を嫌気した売りを浴びせられるのか、現時点では判断しづらい」と 指摘。投資家の様子見姿勢の強さに言及した。

東証1部の売買高は概算で14億330万株と約1カ月ぶりの低水準。 売買代金は1兆68億円とかろうじて1兆円の大台に乗せたが、10月 の平均(1兆3232億円)を2割超下回った。

通貨高修正の介入しづらく

韓国・慶州で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総 裁会議は23日、貿易をめぐる緊張が世界経済に打撃となるのを防ぐた め、輸出促進を目的とした通貨安競争を回避し、より市場ベースの為 替政策を追求することを盛り込んだ共同声明を採択して閉幕した。通 貨安競争の回避が声明に盛り込まれ、市場では各国が通貨高是正に向 けた介入に踏み込みにくい、との見方が広がった。

マネックス証券の金山敏之マーケット・アナリストは、G20会合 でサプライズがなかったことを受け、為替市場で円相場が対ドルでじ り高となり、「輸出株を中心に総じて買いは入りづらい」と話していた。 東京外国為替市場のドル・円相場は東京時間25日午後に入り、1ドル =80円66銭と15年半ぶりの円高値(ドル安値)を更新した。日経平 均、TOPIXの下落寄与度上位にはトヨタ、キヤノン、京セラ、信 越化といった輸出関連銘柄が並んだ。

もっとも、大和投信の長野氏は、「現状のドル円相場は経済のファ ンダメンタルズ(基礎的諸条件)を反映した水準とは言い難く、円が 買われ過ぎの状況」と見る。さらなる円高・ドル安の進行場面では、 「日本の通貨当局による為替介入が実施される可能性があり、輸出関 連株であっても一方的に売り込みにくい」と言う。時価総額上位銘柄 の中では、ホンダやTDKが小幅高で終えた。

自社株買いのKDDI急騰、資源関連も堅調

一方、発行済み株式総数の5.2%を上限に自社株買いを実施する 方針を示したKDDIは7%を超す急騰、TOPIXの上昇寄与度ト ップだった。KDDIの自社株買い方針を受け、「これまで増資懸念が 相場全般の上値を抑制する一因となってきたが、決算発表と同時に自 社株買いや増配の動きが広がりを見せるようだと、株式需給面などで のマイナス要因は後退する」と、みずほ証券の北岡智哉シニア・スト ラテジストは指摘している。

ニューヨーク原油先物相場がアジア時間25日の時間外取引で上 昇したことを好感し、国際石油開発帝石や三井物産など資源関連株が 上昇。このほか、オリックスなどその他金融株、野村ホールディング スなど証券株も高かった。

業種別33指数は空運、不動産、電気・ガス、医薬品、非鉄金属、 電機、精密機器、輸送用機器など24業種が下落、その他金融、卸売、 鉱業、証券・商品先物取引、情報・通信など9業種は上昇。

だい証やJ-オイルに売り、クラリオン急伸

個別では、株式市況低迷などで証券業手数料や金融収益が振るわ ず、4-9月期の連結営業損益が1億5300万円の赤字(従来予想は2 億円の黒字)に落ち込んだもよう、と22日に発表しただいこう証券ビ ジネスが急落。原材料高の転嫁が遅れ、2011年3月期の連結純利益が 前期比32%減の23億円と一転減益になる見通しのJ-オイルミルズ、 抗ウイルス剤「タミフル」の見通しを下方修正、10年12月期の連結 純利益予想を従来比2.3%減の430億円に見直した中外製薬も安い。

半面、野村証券が投資判断を強気に引き上げたクラリオンとJV C・ケンウッド・ホールディングスがともに急伸。主力のネット広告 が好調に推移し、4-9月の連結純利益が前年同期比9.6%増の431 億円となったヤフー、電子デバイスシステム事業を中心に顧客の設備 投資が拡大し、4-9月の連結純利益が従来計画比57%増の97億円 となった日立ハイテクノロジーズは急伸した。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.04%高の46.66、 東証マザーズ指数は1.1%高の354.00。個別では、販管費の減少など で、4-9月の連結営業損益が従来の赤字予想から黒字に転換したも ようのタカラバイオが上昇。そーせいグループ、オンコセラピーなど バイオ関連の強さが目立った。メガネスーパー、クルーズ、テラも高 い。半面、7月半ば以降の猛暑で豆腐屋の来店客数が減少し、10年9 月期業績が計画を下回ったと昼休み中に発表した篠崎屋が急落。AC CESS、アズジェント、田中化学研究所、日本通信は安い。

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