経財相:外貨建て資産も選択肢、規模拡大の議論も-日銀基金

海江田万里経済財政担当相は、日 本銀行が先に追加金融緩和策として発表した、国債や社債などの資産 を買い入れる5兆円規模の基金の検討について、新たな購入対象とし て外国債など外貨建て資産を加えることも1つの選択肢になり得ると の見方を示した。規模に関しても、拡大を求める議論が今後出てくる 可能性があると述べた。

22日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにし た。同相は日銀の外貨建て資産購入に関して、慎重な議論が必要とし ながらも、「中長期的にみて選択肢の1つとしてある」と指摘。日銀が 同資産の購入に動けば外国為替市場での円高圧力の緩和効果があると の見方については、「それはあるでしょうね」と語った。

一方、同相は「積極的な政策を取れば、やはりそこにリスクも伴 う」と語り、外国債券購入にはリスク管理に関する議論が必要と説明。 日銀の信用力はラストリゾート(最後の拠り所)であるとし、「そこは よく考えながらやっていかなければならない」と述べ、円高対策とし ても「一足飛びに、すぐに政府と日銀の市場介入という形をやめて、 そちらにシフトするわけにはいかない」と慎重な姿勢も示した。

市場では、金融緩和拡大に伴う日銀資産の健全性を懸念する声も ある。経財相も、自らが気に掛けていることが、「日銀の株価に表れて いる」と指摘。「外貨建て債券を買う以前の問題」として、日銀が日本 国債を購入することに伴う国債暴落リスクを市場はある程度警戒して いると述べた。ブルームバーグ端末での試算では、日銀の株価は年初 から約20%下落した。

日銀は外債購入について、将来的に可能性が全くないわけではな いが、現状では難しいとみている。2人の関係者が匿名を条件に明ら かにした。理由として、日銀による外債購入は為替介入と受け止めら れる可能性があり、介入の権限は財務省にあること、とりわけ、今は 各国が通貨安戦争に入るかどうかという微妙な時期だけに、現実的で はないとしている。

欲を言えば規模

経財相は、先の日銀が発表した追加措置について「よくやってく れたと思う。それは別に政府がこうやれ、ああやれということではな く、日銀が独自に決めた」と評価。「これまでのように、ゼロ金利にな ったので全く何も出来ませんでは、政府の期待に対し応えられない」 とし、「こちらの期待に応えて、今のところぎりぎりのことをやった」 との見方を示した。

資産買い取り基金の規模に関しては、「5兆円でいいのかという議 論もこれからしていけばよい」とし、「政府の期待に応えてくれたこと だが、欲を言えば規模がどうなのかという話で、それは当然出てくる」 と指摘。その上で、日銀は自己のバランスシートや円高や株価などを にらみながら、「適宜適切にやってもらえれば良いのではないか」と規 模拡大への期待をにじませた。

円高がデフレ脱却の足かせに

政府はデフレ脱却を主要課題に位置付け、6月に閣議決定した新 成長戦略などで消費者物価を2011年度中にプラスにすることを掲げ ている。経財相は物価見通しについて「できれば来年度中の例えば半 ばぐらいにプラスになって、それが安定的に推移すればもちろん来年 度中にということになる」と説明。

物価が安定したと判断するのに必要な期間については、「最低でも 四半期か、四半期を2つぐらい超えていけば、1つの流れとして定着 したと考えられる」と述べ、「1年待たなければならないということに はならない」との認識を示した。

11年に予定されている消費者物価指数(CPI)の基準改定に伴 い、CPIに下押し圧力がかかるとの見方がある。経財相は改定の影 響にはいろいろな見方があるとし、むしろ円高の影響が重要だと指摘。 円高が「そう簡単に大幅に戻ることはないかもしれないが、80円台の 円高が続くと厳しい」と述べ、円高が物価を押し下げる可能性に懸念 を示した。

為替介入については、「随時やっていくということだ」と述べ、「対 外的なハレーション(悪影響)はあるけれども急激な為替の変動に対 する介入は許される」と言明した。

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