貿易黒字は2カ月ぶりに拡大も、輸出は伸び率縮小続く(Update2)

9月の日本の輸出額は前年同月比 で10カ月連続増加したものの、伸び率は7カ月続けて縮小した。貿易 黒字額は2カ月ぶりに拡大したが、海外経済の回復の遅れや円高を背 景に輸出の伸び率鈍化が顕著になっている。

財務省が25日発表した9月の貿易統計速報(通関ベース)による と、輸出額は前年同月比14.4%増の5兆8429億円、輸入額は同9.9% 増の5兆459億円。この結果、貿易黒字額(原数値)は同54.0%増の 7970億円と、同37.5%減だった8月からプラスに転換した。エコノミ スト調査の予測中央値は輸出額が同9.6%増、輸入額が同7.4%増で、 ともに実績が予想を上回った。貿易収支は7100億円の黒字予想だった。

政府が19日に発表した10月の月例経済報告は、輸出について「こ のところ弱含んでいる」とし、前月の「このところ増勢が鈍化してい る」から2カ月連続で下方修正した。8月の貿易統計を基に内閣府が 試算した輸出数量は前月比5.6%減と、7月の同1.6%増から大幅に減 少した。

輸出は今年2月には前年比45.3%の大幅増を示し、景気持ち直し の原動力となってきた。伸び率だけをみると、今年1-4月はそれぞ れ前年比40%以上の高い伸びだったが、5月以降は漸減傾向にある。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは22日付リポ ートで、足元の輸出動向について「世界景気が減速傾向にあることや、 リーマン・ショック以降の急激な落ち込みから在庫復元効果が世界的 に一巡していることが輸出減速の背景にある」と指摘。さらに、ⅠT (情報技術)関連財輸出の増勢が弱まっていることも要因の1つとし て挙げている。

中国向け輸出も伸び率減少

目立つのは欧米に比べて回復が早かった対アジア向け輸出額の減 少だ。伸び率は今年1月以降8カ月連続で減少。9月も前年同月比

14.3%増と前月(同18.0%増)から縮小した。特に、対中国は同10.3% 増と、前月(同18.5%増)から大幅に減った。同省は日中間で緊張関 係が続いている尖閣諸島問題の影響はあまりないと見ている。

季節調整済みでみると、9月の輸出額は前月比0.1%減の5兆 3629億円、輸入額は同0.5%減の4兆7753億円となり、それぞれ5カ 月連続、4カ月連続のマイナスとなった。

輸出入の主要品目をみると、輸出ではロシア、中国やチリ向けを 中心に自動車が前年同月比12.0%増、パナマ、マーシャル諸島向けの 船舶が同43.5%増。輸入ではマレーシアやブルネイなどからの液化天 然ガスが同28.9%増、オーストラリア、ブラジルからの鉄鉱石が同

73.8%増と大幅に伸びた。

地域別の黒字額は、対米が前年同月比19.8%増の4459億円、対 EUは同36.3%増の1809億円、対アジアは同14.2%増の8229億円。 うち、対中国は2カ月連続で赤字幅が拡大した。

--取材協力: Minh Bui, Theresa Barraclough   Editor:Hitoshi Ozawa, Keiichi Yamamura, Norihiko Kosaka

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