シンガポール取引所:ASXに約6750億円で買収を提案

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シンガポール取引所は25日、オ ーストラリア証券取引所を運営するASXに対して、現金と株式によ る総額約84億豪ドル(約6750億円)の買収案を提示した。両社は統 合により、域内で激化している他の取引所との競争に挑む。

両社の発表によると、シンガポール取引所の提案はASX株1株 当たり48豪ドルで買い付けることになる。提示額はシドニー市場のA SX株22日終値を約37%上回る水準。

買収実現には両国監督当局の承認が必要。実現すればアジア太平 洋地域で初の証券取引所同士の統合となり、同地域で初の汎太平洋地 域の取引所が誕生する。時価総額は世界5位の規模。

シンガポール取引所のマグナス・ボッカー最高経営責任者(CE O)とASXのロバート・エルストーンCEOはそれぞれ開いた会見 で、アジア太平洋地域で5位と8位の取引所の統合を通じて激化する 競争に対抗すると語った。電子取引プラットフォームを展開する「C hi-Xグローバル」は、3月までに豪州での業務開始に向け準備を 進めている。シンガポール取引所によると、買収により同社の1株利 益は約20%増加するという。

ボッカーCEOはシドニーで、「取引所業界は急激に変化してい る」と指摘。「買収によりわれわれは一段と強いプレーヤーになる」 と語った。

「慎重な審査」

買収手続きは来年4-6月(第2四半期)に完了する見通し。両 社は取引所統合は両国の利益であり、監督当局の承認が得られると確 信していると述べた。

ペンガナ・キャピタル(メルボルン)で約10億ドルを運用するテ ィム・シュローダーズ氏は、「両国監督当局はオーストラリア証取と シンガポール取引所の統合について慎重に審査を進めるだろう」と指 摘。「当局はオーストラリア証取の一体性が確保されることを望んで おり、組織体系の変更には妥協しないだろう」と語った。

両社によれば、両取引所は統合会社の下でそれぞれ独立した法人 組織を維持し、引き続き現地の規制が適用される。統合会社の時価総 額は約123億米ドル(約1兆円)になると試算している。

シンガポール取引所によると、新グループ会社のCEOにはボッ カー氏、副会長にはASXのゴンスキー会長が就任する見通し。

米金融調査・助言会社、タブ・グループのアナリスト、ウィル・ ローデ氏は、「アジアの金融センターとしての地位確立を目指すシン ガポールは、国内の取引所に流動性を引きつける必要がある」と指摘。 「一日に1000万ドル超の取引があるのは、東京市場の300社に対しシ ンガポール取引所ではわずか27社だ。ASXとの統合はこうした苦し い状況を打開するための解決策だろう」と語った。

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