レアアース:ブラックベリーやプリウスなど用途多様-供給不足脅威に

レアアース(希土類)は、スマー トフォン(多機能携帯端末)「ブラックベリー」やトヨタ自動車のハイ ブリッド車「プリウス」、コンピューターのハードドライブなどの稼働 に欠かせない原材料だ。

レアアースはネオジムやランタン、セリウム、ユウロピウムなど 17元素の名称で、石油精製や光ファイバー通信などの工業用のほか、 軍事レーダーやミサイル誘導システムなど安全保障関連機器にも利用 されている。

この用途の広さが、米国の議員や日本やドイツの当局者、レアア ースを必要とする電気部品製造業者が中国による輸出削減の動きに危 機感を募らせている理由だ。世界の供給の97%を占める中国は輸出を 約7割削減する方針を示している。

特殊金属について投資家にアドバイスするテクノロジー・メタル ズ・リサーチ(デトロイト)の創設者、ジャック・リフトン氏は22 日、レアアースを原料とする部品は非常に広く利用されているため、 代替は容易ではないと指摘。「誰も気付かないうちに希土類磁石は圧倒 的必需品になっている」との見方を示した。

リフトン氏によると、希土類磁石が「永久」磁石に占める割合は 8割と、1980年のゼロから大幅に拡大。電気モーターや小型イヤホン、 携帯電話などに利用されている。ブラックベリーが振動する際にはネ オジムが原料の強力な磁石が電力を機械的エネルギーに転換する。

リフトン氏は「レアアースは、特に電子機器の小型化などわれわ れが利用する技術に広範囲にわたって利用されている」と語る。

フォードは「状況見守る」

米自動車大手メーカー、フォードモーターの広報担当者、トッド・ ニッセン氏は電子メールで送付した文書で「当社は状況を見守ってお り、生産に影響が及ぶとは考えていない」とし、レアアースが不足し た場合、商品相場やフォードのレアアース調達にどのような影響が予 想されるかについてはコメントを控えた。

希土類は名称が示唆するほど自然界において希少というわけでは ないが、収益性を確保できるだけの集積埋蔵地を発見するのは困難で、 西欧諸国の生産会社にとってはコストが割高である上、放射性元素と ともに採掘される場合が多い。中国が市場で優位に立ったのには、レ アアースを割安に生産でき、競合する他国と比較して環境規制も少な いという背景がある。

米地質調査所のデータでは、世界のレアアース埋蔵量のうち中国 のシェアは約36%と最大。米国が2位で13%となっている。

米モリコープ

中国の供給に関する不透明感と価格上昇により、新規供給を確保 する取り組みが進められている。米モリコープはカリフォルニア州モ ハーベ砂漠に保有するマウンテン・パス露天掘り鉱山での生産を再開 するため、米政府に対し2億8000万ドル(約230億円)の融資保証を 要請している。同鉱山は割安な中国産との競争に敗れ2002年に閉山。 それ以前には世界のレアアース需要のほぼすべてを賄っていた。同社 は12年末までに生産を再開する計画だ。

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