超大型タンカー運航:今後2年は利益見込めず-船舶供給の過剰続く

超大型タンカーを保有する企業 にとって、採算が取れない状態が過去17年で最も長引く可能性がある。 新造船供給の伸び率が原油需要の9倍に達しているためだ。

運搬レートは現在1日当たり3155ドル。超大型タンカー運航最大 手のフロントラインが損益分岐点としている3万900ドルを90%下回 っている。米モルガン・スタンレーはタンカー供給が来年、約13%増 加すると予想。一方、国際エネルギー機関(IEA)によると、石油需 要は1.4%の伸びにとどまるとみられている。

用船レートは2008年7月時点の17万7036ドルから下落。これ 以前に発注されていた新造船の供給で、タンカー数は膨らんでいる。ブ ルームバーグが集計したデータによると、船主企業は3月以降、平均運 航速度を9%引き下げるとともに、運休状態のタンカーを1月以降 24%増やすことにより対応している。フロントラインのジョン・フレド リクセン会長は先月、向こう2-3年間、業界では「あまり利益が上が らないだろう」との見通しを示した。

リバーレーク・シッピング(ジュネーブ)のブローカー、パブロ・ マストラゴスティーノ氏は「現時点でタンカーに投資するのはまずい考 えだ」と指摘。「わずかでも原油消費が増加していると言う人がいたら 笑ってしまいそうだ。それは、ほんのわずかな船舶需要にしかつながら ず、造船所からの新造船の供給は今後さらに増加する」との見方を示 す。

モルガン・スタンレーの推計によると、世界の原油タンカーの載貨 能力は向こう2年間に8650万重量トン拡大する見通し。これは既存の 能力の約27%に相当する。世界最大の船舶ブローカー、英クラークソ ンの調査部門によると、中国の上海外高橋造船や大連船舶重工集団など の造船会社が建造中のタンカーの載貨能力は、1974年と75年に記録 した過去最高の7980万重量トンを上回る見込みだ。

ブルームバーグが船舶ブローカーや船主企業8社を対象に実施した 調査では、6社が、超大型タンカーの運搬レートが採算を下回る状態が 少なくとも2年間は続くとの見通しを示した。

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