G20声明:通貨安競争を回避-市場ベースの為替政策追求

韓国・慶州で開かれた20カ国・ 地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は23日、貿易をめぐる緊張が 世界経済に打撃となるのを防ぐため、輸出促進を目的とした通貨安競 争を回避し、より市場ベースの為替政策を追求することを盛り込んだ 共同声明を採択して閉幕した。

G20は共同声明で、「経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件) を反映し、より市場で決定される為替相場システムに移行し、通貨の 切り下げ競争を回避する」と表明。世界経済の回復は「脆弱(ぜいじ ゃく)であり一様ではない」と指摘した。

G20当局者が為替問題で共通のスタンスを示したのは今回が初 めて。当局者は米国や中国など各国が経済成長で自国通貨安に依存し、 保護主義につながるとの懸念解消を目指している。経常収支の不均衡 是正で目標を設定する米国案については、韓国のソウルで来月開催さ れるG20首脳会議に議論を先送りした。

OSK・DMGのチーフエコノミスト、トーマス・ラム氏(シン ガポール在勤)は「G20会議が為替市場の状況を完全に好転させると は思わない」と述べた上で、「市場介入を続ける中国のような国々に介 入停止を示唆する兆候はほとんどない」と語った。

ガイトナー米財務長官は為替問題への焦点をぼかし、中国当局が 人民元切り上げをより受け入れやすくすることを狙い、経常収支の黒 字や赤字に数値目標を設定する案を各国に提示した。韓国やカナダな どが米国案を支持する一方、主要輸出国のドイツや日本は異議を唱え た。

G20声明は「過度の不均衡を削減し、経常収支を持続可能な水準 に維持するため、あらゆる政策を追求する」とし、国際通貨基金(I MF)が為替と大幅な貿易赤字の監視を強化すると記している。

「過度な変動」

声明によると、先進国は「為替レートの過度の変動と無秩序な動 きを監視する」ことで合意。ガイトナー米財務長官は米国が「強いド ル」を支持し、それを支える世界的な責任を認識していると語った。

G20当局者はこれまで、中国との関係悪化の恐れがあるとして為 替への言及を避けてきた。今回の声明も1980年代の通貨合意にははる かに及ばない。

ただ、ファロス・トレーディングのトレーディング責任者、ダグ ラス・ボースウィック氏は、今回の合意が競争力を失うことなどを恐 れずに自国通貨高を容認することをアジア諸国に促すだろうと指摘。 人民元相場は22日の1ドル=6.66元から11月に同6.60元まで上昇 する可能性があるとみている。また、ドルは対ユーロ、円、ポンドで 下落すると同氏は予想した。

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