今日の国内市況:株式は3日ぶり反発、債券下落-為替81円前半中心

東京株式相場は3日ぶりに反発。 米国での新規失業保険申請件数の減少や為替相場の安定など外部環境 の落ち着きを受け、電機や機械、金融などに業績期待の買いが入った。 好業績観測の広がった日立製作所は、東証1部売買高2位で約2週間 ぶりの高値水準を回復した。

日経平均株価の終値は前日比50円23銭(0.5%)高の9426円71 銭、TOPIXは4.48ポイント(0.6%)高の824.88。

15日までの1週間での米国新規失業保険申請件数は、前週から2 万3000件減少し45万2000件と、ブルームバーグがまとめた予想中央 値(45万5000件)をやや下回り、きのうの米国株は続伸した。きょ うから韓国で主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議 が始まったが、東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=81円 台前半で推移、大きな波乱とはなっていない。

日本株を取り巻く環境が落ち着きを示す中、国内でも7-9月決 算発表シーズンが接近し、業績予想の修正や業績観測が増えている。 デジタル家電向け高機能材料などが堅調で、日立の4-9月連結営業 利益は従来予想を上回ったもようと22日付の日本経済新聞朝刊が報 道。日立株は一時前日比3.5%高まで上げた。また、コンテナ船事業 の損益が想定よりも改善しているもようとし、野村証券が2011年3月 期営業利益予想を引き上げた海運大手3社も終日堅調だった。

このほか、その他金融株も東証1部の業種別上昇率首位となるな ど急伸。クレディ・スイス証券が「Google検索トレンドが示す 過払い請求の現状」とするリポートを作成、同データから過払い請求 の増加は一時的にとどまりそうとの予測が示されたことが好感された。 午後には、業績と配当予想を増額修正した東京センチュリーリースが 急伸するという動きもあった。

もっとも、午後に決算を発表したJFEホールディングスは、7 -9月連結純利益が大幅増益となりながら、11年3月期の純利益予想 を引き下げたことで結局下落。上期が堅調ながら下期は不透明と見る 向きが多い企業業績への警戒感は完全に払しょくできず、一時81円高 まであった日経平均はその後伸び悩んだ。東証1部の売買代金も前日 より減少するなど、様子見ムードも強かった。

東証1部売買高は概算で14億9384万株、売買代金は同1兆218 億円で、きのうに比べて18%減った。値上がり銘柄数は1044、値下が りは436。

個別の材料銘柄では、建設機械や自動車向けの販売増加で、11年 3月期の連結営業利益予想を大幅に増額修正した三菱製鋼が急伸。業 績好調と新製品期待から、クレディ・スイス証券が新規に「アウトパ フォーム」とした愛知製鋼は52週高値を更新した。自動車関連事業の 順調から11年3月期業績予想を増額した日本バイリーンは4日ぶり 反発。

半面、通期の連結営業利益の上振れは株価に織り込まれたなどと して、独立系株式調査会社ティー・アイ・ダヴリュ(TIW)が株価 判断を引き下げたJ.フロント リテイリングが大幅続落。業績予想を 下方修正したMr Max、11年3月期の連結純利益予想を従来比 23%減へ下方修正した三浦工業も売られた。

長期金利一時0.9%に上昇

債券相場は下落。韓国での20カ国・地域(G20)財務相・中央銀 行総裁会議の行方を見極めたい雰囲気が強まる中、前日の米国市場で 債券安、株高となった地合いを引き継いで売りが優勢だった。半面、 現物市場では投資家の買いで超長期債は堅調となった。

東京先物市場で中心限月12月物は4日続落。前日比9銭安の143 円51銭で始まり、直後に売りが優勢となると午前9時20分過ぎに23 銭安の143円37銭まで下落した。その後は143円40銭台を中心に推 移して、結局は14銭安の143円46銭で引けた。

21日の米国債相場は下落。米10年債利回りは7ベーシスポイン ト(bp)上昇の2.55%程度に上昇した。半面、米株式相場は続伸。ダウ 工業株30種平均は38.60ドル上昇の11146.57ドルとなった。この日 の日経平均は反発して前日比50円23銭高の9426円71銭で終えた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の311回債利回 りは、前日比0.5bp高い0.89%で始まった後、徐々に水準を切り上げ、

1.5bp高い0.90%まで上昇した。しかし、そこでは買いが入り、いっ たんは横ばいの0.885%まで戻した。午後1時40分過ぎからは0.5bp 高い0.89%で推移している。

新発5年債利回りは約1カ月ぶり高水準となる0.29%を付けた が、その後は0.285%で推移している。

一方、超長期債は堅調。新発30年物の33回債利回りは1.5bp低 い1.945%に低下している。市場では、朝方には銀行勢から超長期債 に売りが出たものの、その後は年金基金などが債券先物を売って、割 安感のある超長期債を買ったため、先物が軟調となった半面、超長期 債はしっかりだったとのと指摘があった。

市場では22、23日に韓国で開催のG20の行方を見極める雰囲気 が強まった。為替動向が債券市場で材料となる局面が増えており、議 論の行方が注目されている。韓国政府当局者1人が明らかにしたとこ ろによると、同国は世界経済の不均衡是正で、G20が為替レートだけ に照準を合わせるのではなく、経常収支の問題に取り組むことを提案 した。

為替は一時80円台も

東京外国為替市場ではドルが主要通貨に対して反落し、対円では 一時1ドル=81円を割り込んだ。20カ国・地域(G20)財務相・中央 銀行総裁会議での通貨問題をめぐる議論が注目されるなか、ガイトナ ー米財務長官が書簡で黒字国に対し為替を用いた内需拡大を求めたこ とが伝わり、ドルが売られたことが背景にある。

ドルは対円で1ドル=81円台前半でじり安の展開となり、午後に は一時、80円99銭を付けた。対ユーロでも一時、1ユーロ=1.3971 ドルまで下落。午前の取引では前日からのドル買い戻しの流れを受け 継ぎ、1.3889ドルまでドルが買われる場面が見られていた。

ユーロ・円相場はユーロ・ドルにつられる形で一時、1ユーロ= 113円41銭までユーロ買いが進行。午前に付けたユーロ安値(112円 76銭)から60銭以上値を戻したが、その後は再び113円ちょうど付 近までユーロが伸び悩む展開となった。

ガイトナー米財務長官は、G20は、対外収支の不均衡を国内総生 産(GDP)比で具体的な水準以下に減らす政策にコミットする必要 があると呼び掛けた。長官がG20にあてた書簡をブルームバーグ・ニ ュースが入手した。

G20では為替相場を含めた世界経済の不均衡是正が焦点となる が、欧米の政策当局は中国など新興黒字国が輸出支援のため通貨安を 誘導していると批判。これに対して、新興国は米国の低金利政策で新 興市場に資金が大量に流れ込み、通貨高を招いていると主張している。

長官は書簡で、世界の需要のバランスを取り戻すためG20は「自 国通貨の相場押し下げ、または過小評価されている通貨の相場上昇の 阻止によって競争優位を得ることを目的とした為替政策を控える」こ とを約束すべきだと主張。経常収支が恒常的に黒字の各国に対し、内 需「拡大に向けた構造的・財政・為替政策」を採用することも呼び掛 けた。

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