愛知鋼株高値、業績上振れと電子コンパス期待-CS証強気

特殊鋼大手の愛知製鋼株が急反発。 今期(2011年3月期)業績の大幅な上振れ見込みに加え、新製品の電 子コンパスが将来的な業績けん引役になる期待もあると、一部アナリス トが指摘した。良好な収益環境が続くとみた買いで、前日比5.4%高の 450円まで上げ、9月30日に付けた年初来高値(441円)を更新した。

クレディ・スイス証券は21日付で、愛知鋼を投資判断「アウトパ フォーム」で新規に調査を開始した。山田真也アナリストは投資家向け リポートで、原料鉄スクラップ価格が足元で下落基調にありながら、 「他の特殊鋼メーカーと異なりスクラップサーチャージ制を取らない同 社は、下期に製品を値上げする可能性が高い点」に着目している。

トヨタ自動車グループの同社は、ユーザーとの交渉で製品価格を決 定、部品メーカーへの支給材とほぼ同様の価格変動となる傾向がある。 4-9月(上期)は支給材が下落したため、スクラップ価格が上昇して も値上げは小幅にとどまったもようだが、「下期からは1万円以上とい う支給材価格の上昇に伴い、大きく上昇する見通し」と山田氏はみる。

このため同社のみが「スプレッド拡大が期待でき、下期の需要減速 は相殺可能で業績予想の上方修正期待が高い」という。同証券では今期 の営業利益は会社計画の110億円が151億円(前期は43億円)に上方 修正されると予想する。

さらに、高機能携帯端末(スマートフォン)市場の拡大により、電 子コンパスが離陸期を迎えようとしており、「将来的な業績けん引役に なることも期待される」と、山田氏は述べている。

同証券では、目標株価を600円に設定した。算出には、12年3月 期のEV/EBITDA倍率4倍(同証予想ベース)を用いた。4倍は 過去最低水準という。EV/EBITDAは、有利子負債と株式時価総 額の合計であるEV(企業価値)をEBITDA(利払い前・税引き 前・償却前利益)で割った倍率。

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