生保の超長期債購入余力は潤沢、スティープ化に修正も-RBSの徐氏

RBS証券の徐端雪債券ストラテ ジストは、生命保険会社は過去の行動から年度下期に超長期債投資を 拡大することや、外国債から国内債に資金をシフトする傾向があるこ とから購入余力は潤沢とみている。中長期ゾーン対比で相対的に割安 となった超長期債が見直されて、利回り曲線のスティープ(傾斜)化 に修正が入るともいう。

日本証券業協会が毎月公表する国債投資家別売買高によると、生 保・損保の2004年度から09年度までの超長期債の買い越し額は、上 期平均が約1兆5000億円であるのに対して、下期平均は7000億円多 い約2兆2000億円となった。いずれの年度でも下期の買い越し額が上 期を上回った。

今年度上期には5兆1000億円の積み増しとなった。徐氏は上期の 買い越しの勢いがそのまま続くかどうかやや疑問視しながらも、過去 のパターンからは下期も5兆円規模の需要が見込まれると読む。20年 債利回りが約7年ぶり低水準となる1.5%前半まで切り下がった8月 の買い越し額は5200億円に圧縮されたが、9月には一時2%近くまで 反転上昇したため統計開始以降で最大の1兆2000億円超も買い越し た。

また、徐氏は生保が下期に外債投資を減額あるいは売り越す傾向 もあり、引き続き超長期債への資金流入期待を強めているとも言う。

こうした中、前週以降に実施された30年債や20年債の入札結果 が好転したことも、あらためて市場の需給の良さが意識されている。 徐氏によると30年債利回りの2.0%や20年債の1.8%が節目とみられ たことから、その手前の水準では押し目買い意欲が強まったと言う。

大手生保は下期も買い方針

今後は来年度予算編成が本格化する局面では、財政支出拡大の憶 測が折に触れ広がる可能性があるほか、米国では景気拡大に向けた取 り組みがインフレを招くとの思惑から超長期債利回りに上昇圧力がか かるなど、日本の超長期ゾーンに不透明要因が残るのも事実。

もっとも、生保は今下期も国内債券中心の運用姿勢を維持する。 実際、今週までに明らかになった大手生保4社の下期運用計画では、 下期も長期や超長期の国内債中心の投資方針が示され、デュレーショ ン(平均残存年限)の長期化を図る構えだ。日本、第一、明治安田、 住友生命の10年6月末時点の一般勘定資産における国内債券は50.3 兆円となっていた。

徐氏は、超長期ゾーンの金利水準が低下すると需要が細るのは確 かだとしながらも、生保は下期も一定の金額を分散しながら購入する 平準買いを続けると予想。今後の利回り曲線の推移に関しては、「ステ ィープ化が一段と進展するというよりは、生保などの需要を支えに超 長期ゾーンの割安修正があってもおかしくない」と話した。

ブルームバーグ・データによると、新発10年国債と20年国債の 利回り格差(スプレッド)は21日時点で87.4ベーシスポイント(bp) と、08年3月以来の水準まで拡大していた。

--取材協力:伊藤小巻、近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki,Joji Mochida

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