ドルが反落、米財務長官が黒字国の内需拡大呼び掛け-一時81円割れ

東京外国為替市場ではドルが主 要通貨に対して反落し、対円では一時1ドル=81円を割り込んだ。20 カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での通貨問題をめぐる 議論が注目されるなか、ガイトナー米財務長官が書簡で黒字国に対し為 替を用いた内需拡大を求めたことが伝わり、ドルが売られたことが背景 にある。

ドルは対円で1ドル=81円台前半でじり安の展開となり、午後に は一時、80円99銭を付けた。対ユーロでも一時、1ユーロ=1.3971 ドルまで下落。午前の取引では前日からのドル買い戻しの流れを受け継 ぎ、1.3889ドルまでドルが買われる場面が見られていた。

野村証券金融市場部のエグゼクティブ・ディレクター、高松弘一氏 は、ガイトナー財務長官の書簡がきっかけとなり、前日のドルの反発局 面でできた短期的な投機筋のドルの買い持ち高を手じまう動きが強まっ たようだと解説。その上で、「G20でどこまで何ができるのかだが、 具体策での合意までは行けないとみており、新たなものが何も出なけれ ばこれまでのドル安トレンドが継続する可能性が高い」と語った。

ユーロ・円相場はユーロ・ドルにつられる形で一時、1ユーロ= 113円41銭までユーロ買いが進行。午前に付けたユーロ安値(112円 76銭)から60銭以上値を戻したが、その後は再び113円ちょうど付 近までユーロが伸び悩む展開となった。

不均衡是正

ガイトナー米財務長官は、G20は、対外収支の不均衡を国内総生 産(GDP)比で具体的な水準以下に減らす政策にコミットする必要が あると呼び掛けた。長官がG20にあてた書簡をブルームバーグ・ニュ ースが入手した。

G20では為替相場を含めた世界経済の不均衡是正が焦点となるが、 欧米の政策当局は中国など新興黒字国が輸出支援のため通貨安を誘導し ていると批判。これに対して、新興国は米国の低金利政策で新興市場に 資金が大量に流れ込み、通貨高を招いていると主張している。

長官は書簡で、世界の需要のバランスを取り戻すためにG20は 「自国通貨の相場押し下げ、または過小評価されている通貨の相場上昇 の阻止によって競争優位を得ることを目的とした為替政策を控える」こ とを約束するべきだと主張。経常収支が恒常的に黒字の各国に対し、内 需「拡大に向けた構造的・財政・為替政策」を採用することも呼び掛け た。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、G20 について「いろいろな立場の国が集まるし、通貨安競争の回避に向けた 具体策で合意するのは難しい」と予想。結局、緩やかなドル安は変わら ず、通貨安競争への批判があるなかで日本が円売り介入に動くのも難し いため、円は上昇しやすい展開が続く可能性が高いとみている。

一方、みずほコーポレート銀行国際為替部の竪智司参事役は、「G 20で具体策を期待している向きは少ない」としながらも、「何も出な ければさらにドル売りになるかというと、11月のFOMC(米連邦公 開市場委員会)での量的緩和は大方織り込まれているし、年末も近付き つつあるなかで、それほどドル安が進まない可能性もある」と指摘して いる。

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